素敵なメロディと音色を持つルイージ・マルティナーレの新しいアルバムが、前作同様abeatレコードから出ていたので買ってきた。
今回はメンバーを変えてユーリがベースという布陣で、久しぶりのサックス参加はStefano Cocco Cantiniさん、コルトレーンライクなサックスを吹いています。
1曲目、やさしい楽しげなピアノのテーマにテナーが同じように丁寧に歌います。ユーリが曲を安定させるベース・ソロをとります。
2曲目、4ビートのバップはソプラノで、コルトレーン・ライクなエモーショナルなフレージングです。
3曲目ソプラノでのバラッドですが、結構モーダルなピアノ・ソロが曲を引き締めます。
4曲目4ビートのブルース調、テナーは豪快なスタイルでバップ・スタイル、これはこれで楽しい。
5曲目ユーリのアルコがクラシカルな賛歌のような始まりテナーが同じメロディをこちらも祈るように続きます。ノートにも裏ジャケにも5、曲名"Breath”となっていますがこれはクラシックでしょう。
19世紀ヘンリー・フランシス・ラティーという人の詩にウイリアム・ヘンリー・モンクと言う人が曲をつけたもので"日暮れて四方は暗い”という宗教曲です。
歌いだし「我と共にいてください。夜が始まりました。日が暮れてしまいました」というルカ福音24章29節の神への祈りの曲、ルイージも書いているように、セロニアス・モンクがアルバム「Monk's Music」の最初の55秒、コルトレーンなどの4管アンサンブルでこの曲をプロローグにしています。
表示違いはあるけれど、このだけでも聴いて欲しくなる心安らぐ演奏です。
6曲目はリズミカルなソプラノ
7曲目もソプラノでソフトリーなバラッド、決して甘くなることはなく、ユーリのソロがきっちり引き締めます。
8曲目が" Breath ”これも素晴らしいソプラノのソロだけど、このStefano Cocco Cantiniと言う人、ずいぶんまえだけれどリーダー作を持っていてとても良かった。
最後はゆったりとベサメ・ムーチョで、ソプラノはねちっこくならずにさっぱりと、このアルバムの安らいだ気持ちがつづきます。
ジャケを観てもそうだけど、曲名なんかもみるとなんか、可愛い女の子がテーマになっているような、可愛い子に「もっとキスして」
ラースじいちゃんじゃないけれど孫?
ルイージ、54才だからまだ早いような気がするけれど、心満ちた感じがアルバムを通して伝わります。
IL VALZER DI SOFIA / LUIGI MARTINALE
Luigi Martinale (p)
Stefano Cocco Cantini (ts/ss)
Yuri Goloubev (b)
Zaza Desiderio (ds)
2016年作品
1. Il Valzer Di Sofia
2. Alagitz
3. KInd Of Blurry
4. On All Fours
5. Abide Withe Me-Abide With Us
6. Mamia
7. Lost And Found
8. Breath
9. Besame Mucho