JAZZ最中

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望郷が呼んで Balada / Atsuko Temma

2019-03-29 11:35:55 | 聞いてますCDおすすめ
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中古屋さんで見ていたら、バイオリンの天満敦子のアルバムがあった。彼女の演奏で特に有名なのが、ルーマニアのチプリアン・ボルムベルクの〈望郷のバラード〉で独立運動で投獄され、獄中で故郷と恋人に思いをはせて書き上げられた曲。この曲の譜面を天満に渡したのは外交官岡田真樹氏で、亡命ルーマニア楽師イオン・ヴェレシュ氏に日本での奏者を探すよう託されたもの。イオン氏とチャオセスク共産主義政権の圧政を逃れて国境を越えた黄ばんだ楽譜だった。
岡田氏が天満の演奏に出会うのがそれから数年後、そして日本での演奏が託された。

というわけでこのアルバムでは、ピアノ伴奏と独奏の二つの演奏が収録されている。1曲目と最後の曲がそれで、久しぶりに鳥肌がたつというか、震えが起こる演奏。
力強くもの悲しいかの地への思いが込められたもので2003年の録音です。
このアルバムほかの曲も、天満氏の個性が明確で面白い。

このアルバム曲紹介で、この曲が初演された時の模様が

「1993年12月8日の夜、横浜市青葉区の東急田園都市線の青葉台英前に位置するフェリアホールの客席にあちらこちらで、啜り泣く人の姿が見られた。ハンカチーフをとりだして、そっと目頭に充てる二とも何人かいる。」
と書かれている。

本日このアルバムに感動し、氏のホームページに行くとこれがあった。



この5月フェリアホールで再び天満敦子が〈望郷のバラード〉を弾きます。
アルバムを手にした日にこういうことに行き会うとは、また音楽の神のいたずらのよう。


Balada / Atsuko Temma

天満敦子(ヴァイオリン) Atsuko Temma / Violin
吉武雅子(ピアノ)Masako Yoshitake / Piano
録音:2003年5月20〜21日 府中の森ウィーン・ホール

1) ポルムベスク:望郷のバラード(ピアノ伴奏版)C.Porumbescu:Balada (with Piano)
(2) ヴィターリ:シャコンヌ ト短調 T.A.Vitali:Chaconne in g minor
(3) クライスラー:愛の悲しみ Fritz Kreisler:Liebesleid
(4) シューマン:トロイメライ Robert Schumann :Traumerei
(5) バルトーク(セーケイ編):ルーマニア民俗舞曲 B.Bartok / Z.Szekely:Jocuri poporale Romanesti
(6) シャミナード(クライスラー編):スペインのセレナード Cecile Chaminade / F.Kreisler:Serenade espagnole
(7) グノー:アヴェ・マリア C.F.Gounod : Ave Maria
(8) シューベルト(ウィルヘルミ編):アヴェ・マリア F.Schubert / Wilhelmj : Ave Maria
(9) ベートーヴェン:ロマンス第2番 ヘ長調 作品50 L.V.Beethoven:Romanze Nr.2 op.50
(10) ポルムベスク:望郷のバラード(無伴奏版) C.Porumbescu:Balada (Violin solo)

天満敦子(ヴァイオリン) Atsuko Temma / Violin
吉武雅子(ピアノ)Masako Yoshitake / Piano
録音:2003年5月20〜21日 府中の森ウィーン・ホール
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