新譜を探し歩くわけではありませんが、中古で名前を見つけると買うことにしているベーシストがいます。凄いテクニックと歌心でビックリしたポーランドのベーシストJacek Niedzielaで、このアルバムは兄弟のピアニストWojcechのアルバムです。2004年ライブの録音です。同じ時期にカルテットで録音した「To Kiss The Ivories」が有りますからそれをベースにトリオでのライブ録音だとおもいますす。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20070626
私としてはヤチェクのベース期待で購入ですが、そこはポーランドのピアノリーダー作、そう簡単には行ってくれません。
期待のベースも2曲目と5曲目にとても普通以上の素晴らしいソロがあります。
ドラムスのマルチン・ヤールがまた凄い、1曲目からこんなに叩くの、ドラムスがガンガンと来てしっかりしたベース、溶岩が出てくるようなリズムを上回るピアノが始まります。何コーラス弾ききるの、というくらい弾きます。
3曲目は、4曲目はピアノソロ、“ Room Of Greens ”の美しいこと、ピアノの持つ力をヴォイチェフが代弁するかのような美しい曲での力強さ、これはピアノの歴史を経た実力でしょう。
4曲目はその意味でまさに歴史、クラシカルなテクと強さがあいまって短いけれど素晴らしい演奏です。
5曲目“BLLVNS”はエバンスからIとEをぬいた、ベースとのデュオで、これもピアノの幅広く鳴る強さ、強弱がメロディの裏表をくるくると裏返して見せるような艶美を感じさせる演奏です。
6曲目は思い切りの良いバップ曲、全8曲はすべてWojciechのオリジナル、ピアノの力で押し切るような演奏のあとは、7曲目“Long Days, Lonely Nights”という曲名にあわしたような、気分を下げる雰囲気のあとは、昔のコリアみたいなところのあるモダンなピアノ鳴らしでこれでもかとピアノをきかせます。最後でドラムスのソロも凄いです。本当によく鳴らしているアルバムです。
好きなベーシストを聴こうとか、このドラムスしっかりしているとか、よく聞けばきちんとして聴こえてきますが、このアルバム、ポーランドのピアニストが作ったピアノトリオのアルバム、ほとんどピアノが全部、何処までもピアノって凄いだろうという、ピアノが主義となっているアルバムです。
俺はピアノが好きなんだという人は、まず聴いていただきたいアルバムです。
俺はベースも好きなんで、圧倒されながらも、兄弟、ベースをもう少し聴きたかった。
DOMINGO'S TUNES / Wojciech Niedziela
WOJCIECH NIEDZIELA(Pf)
JACEK NIEDZIELA(WB)
MARCIN JAHR(DS)
1 To Kiss The Ivories
2 Blues z o. o.
3 Room Of Greens
4 Bloody Study
5 BLLVNS
6 Sunday at Sundays
7 Long Days, Lonely Nights
8 Water Walker Dog
やや録音がラフすぎる気がするのですがいかがでしたでしょう。
ドラムのマルチン君はほんとここでは大化けで、凄まじい手数で、しかしあくまでも美しく叩きまくっていますね~。
個人的にはもう少し内省的だった以前の演奏の方が好きなのですが、これはこれでマルチン・ヤールというドラマーの幅広さを聴けるということで十分に楽しめます。
ヴォイチェフのペンによるオリジナルも独創的で独自の美しさに満ちたものばかりですし、お書きになっているようにウッドベースも凄いテクニックですし、高水準にバランスの取れた現代ピアノトリオの名盤でしょうね。
ポーランド好きとしてはこういうバリバリの名盤の登場は嬉しい限りです。
願わくばもう少したくさん録音を・・・(笑)。
失礼します。
このアルバムは確かにピアノキラキラですね。もう1つはサックスがはいたりでもう少し一般的でしょうか。ピアノをこれほどまでに主張できるポーランドの人はすごいです。
古いアルバムでしょうが、中古屋さんで名前をみて拾いました。凄いピアノの意気込みで、土地柄を感じましたが、最近の入庫が少なくなったような気がしますね。