アントニオ・ファラオはパゾリーニの映画音楽を演奏したものと、その前作の「アンコール」がとても好きで期待をしていました。映画と音楽は絶対に離れる事は無く、とても楽しいものになります。映画の中で音楽が上手く使われると、それが大変楽しく感じますし、JAZZマンが映画音楽をすることも、感性の強い表現で新たな別の表現みたいに感じます。
今回のアルバムは前作と同様、映画関係のアルマンド・トロヴァーヨーリに捧げられたとの事ですが、その相手を知りません。ということは曲も良く解らないのでその点、日本では一般受けは少ないと思います。
2曲目のきらびやかな音の配置が、曲の姿を美しくします。
3曲目、落ち着いたメロディは、硬質なピアノの音と背反するように高まってしっかりした線を作ります。
4曲目はしっかりした色彩のあるリズムにピアノがハーモニーで付け、そのベースの上にストレートな線をファラオが引いていく感じで、なかなか凄い演奏です。
5曲目はセカレリのドラムソロから始り、主流派的ピアノがグルーブしていきます。
ファラオは時に曲の勢いで弾ききるようなところがあり、曲によっては少し乱暴ではと感じるところがあります。
7曲目など、情感豊か感情移入して、美旋律ですがタッチがちょっと荒いのと、終わりかともバサッとしています。
8曲目の力強いのに美しい右手のメロディは素晴らしい、派手でないのにしっかりリズムの巾を作っているceccarelliとの組み合わせも楽しいもの演奏です。
ただ私としては、前作のユメールとヴィトウスでもう一作ぐらい作って欲しかった。
9曲目エレベの早引きは舌を巻きます。ファラオのピアノには普通ウッドベースが合うと考えます。たしかに前半の曲によってはウッドが良いと思う曲がありますが、この曲エレベです。上手い具合にエレベの音を使い分けマッチしています。
10曲目は本来ウッドの動きでそちらが良いと思いますが、なかなか上手く弾いて軽薄さを感じさせません。
12曲目のベースラインなどエレベを選ぶ理由が明白で、しっかり必要性を確信して選んでいるのです。
このようなメンバーの起用でちょっと驚きましたが、次が解らないピアニストです。このアルバム「アンコール」から「パゾリーニ」を通ってここにに来ている気がします。このアルバムは特出して素晴らしいとまでは行ってないように思いますが、次をどうするか変化点に来た感じです。
リズム陣の使い方を思考し、勢いのあるテーマ表現が健在な事を考えると、次の作品はオリジナルの多い、主流の先端を行くようなものを出しくきそうに思います。
Woman's Perfume / antonio farao
Antonio Farao piano
Dominique Piazza erectric bass
Andre Ceccarelli drums
1 Vecchi Amici
2 La Via Dei Babbuini
3 Profumo Di Donna
4 Positive Life
5 Golden Age
6 Try To Change
7 Il Prete Sposato
8 My Father's Song II
9 Faustina
10 Oscar Is The Back
11 Nowise
12 Confessione E Addio
でもそろそろ映画音楽関係からは離れて、またオリジナル中心でやって欲しいです。
次が期待ですね。「Encore」に戻らずにどんとホーンなどを入れてくるかも知れませんね。
最中さん、こんばんはあ。
私はこのアルバムのファラオに文句はないのですが、メンバーの好みは前作です。(^^ゞだって、好きなんだもん。
で、管入りも歓迎ですが、もう一枚くらいトリオで勝負してほしいかなあ。(^^ゞ
つうことで、また、楽しみに待ちまあす。
ファラオがつぎにどうするか、解りませんが、ファラオがする勢いと気迫は楽しみですね。
CAM JAZZ 恐るべし! 次世代を担う名レーベルとなることでしょう。
そうですね、結構このレーベル私に遭っている気がします。角の丸いケースが多くなっています。