![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/0d/d3ef18c265a76bcc825114f14352f962.jpg)
ほんのトビラにきみはどこまで落ちていくのか?とあって泥酔文学の金字塔とあります。
私にとっては、何とも恐ろしい、しかし読まないわけにいかない。
このイラストは最初はなんだか良い感じなんだけど。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/a5/625ff807b2b0078677e99117b92f5233.jpg)
これが読み始めるとたまらない。これをユーモア小説として読むことができる人が一流の酔っ払いなのだろうなと思いながら読む。
小説で君と呼ばれて「行動と思っている事」を客観的に表現されるバーテンダーが主人公である。
しかし君の幸運も、とうとう尽きる日がやってくる。人からもらった片手にあまるほどの大量の錠剤を、君は毎晩飲んでいるウイスキーと一緒にぽりぽり食い、やがて薬が効いてきて心に愛があふれはじめると、たぶん聖者と呼ばれる人の全員がこういう気持ちなのだろうと想像する。ところがウイスキーを飲みつづけるうちに、人類愛は薄汚れた雲の陰に隠れてしまい、店を閉めたときの君はまともに話すことさえできない。
ある部分を理解できるから怖い、はい、絶対薬と一緒に飲みません。
で、この君の方は、あがけどもと追い詰めていく様という感じで、もう一つ抜き書きです。
そこで君は無駄な抵抗をやめ、襲いかかってくる恐怖が心を圧倒するにまかせて毛皮に顔をうずめると、バーで出会った女たちの悲しみや君の妻の悲しみ、あのバーで働く君自身の悲しみ、そして常連たちの悲しみが次々に目のまえに現れて、そのたびに大声で叫んでしまう。
ということで、主人公と私は違うことが解ったのか、おんなじじゃないと思ったのかは置いといて、巻末、訳者あとがきで書かれている立川談志師匠の名言が凄い。
「酒は人間をダメにするものではないのです。人間が、ダメなもんだというのを確認させるために酒が存在しているのです」
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