JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

巨大訴訟 / ジョン・グリシャム 著 白石 朗 訳

2014-06-05 21:22:57 | 


ここのところ長く電車にのる時間がおおかったので、その時に読む本を選びましたがこれが大正解でした。
ジョン・グリシャムはデヴュー当時幾つか読んで面白かったけれど、その後幾度か挑戦するのだけれど、どうしても完読できない。長い小説なので途中でつまらなくなってしまう。リーガル・サスペンスとして売り出して、本の邦題が裁判関連が付いているから、選ぶのだけれどリーガルとどんどんはなれていってしまうので最近では読まなくなっていました。

これが25作目だそうです。

ではまずは抜き書きから、これは前半の一文。

「ねえ、ハーヴァード、自分がなにをやっているのかちゃんと頭でわかってる?ここは別世界よ。あんたはいま自分から危険に飛び込もうとしているの―企業法務のお上品な暮らしを捨てて、二流三流の世界へとね。こっちに来たら痛い目にも遭うかもしれない。そもそも、稼げっこないのはわかりきった話よ」

そしてこのあと、クソのような訴訟に巻き込まれていって、こちらが後半の一文。

ウォリーの体のふるえはとまっていた。そのあと長いあいだだまりこんでから、ウォリーは話はじめた。「いったいなんでまた、この事務所に迷いこむことになったのかと考えたことがあるかい? きみはすべてを手にしていた―大法律事務所の高級とり、弁護士の出世街道まっしぐらの暮らしを送っていたのに」
「後悔はしてませんって、ウォリー」デイヴィットはいった。そしてこの発言は、おおむね事実だった。

この抜き書きは結構うなずくところもあるのだけれど、デヴィットという主人公のこと、話は三流弁護士事務所に転がり込んだ主人公がそこでの無謀な訴訟に巻き込まれていくお話。もう一つの訴訟含みの展開も、結果は収まるべきところにおさまるのだけれど、仕掛けがきちんとされていて面白い。
読み始めてこれは止まらない、久しぶりに一気に読んでしまったって10日かかったけどね。

こちらの勝手ないいがかりだったんだけれどこれで、この作品でジョン・グリシャムと和解が成立しました、ってそれも勝手か。
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当然の仕上がり Transmission Point / SEAN FORAN

2014-06-04 21:47:55 | 聞いてますCDおすすめ


オーストラリアで最も革新的と評されているピアニスト、ショーン・フォランがついに日本デビュー!だそうですが、2011年「ミスインタープロテート」というグループのピアノとして来日した人で、このステージを屋外で見ました。
その時は室内でゆっくり聞きたいとおもっていたのですが、この人のアルバムは、それ以前にもっていました。イギリスやヨーロッパではTrichtomyというグループ名でアルバムを出しているものでした。偶然2011年の4月に拾っていました。
しかしこの人10枚ぐらいアルバムを出しているのに日本で入手できるのが、持っているこの1枚、どうしているか気になっていた人でした。
ということで2011年の演奏を聴いて惚れ込んだT-TOC RECORDSのプロデューサー兼T.S.Aの金野貴明氏が作ってくれたのがこのアルバムで、最初の一文も納得で当然の仕上がりです。

録音は同社のスたジオ、普通のソロ・録音と翌日はお客をいれたライヴ・録音と5曲づつをならべてそちらも非常に興味深いものを作ってくれました。

1曲目、ラルフ・タウナーの曲というのは、まさにその選曲がぴったりとするセンシティヴな演奏です。余分な音のない明晰な形が浮かびます。
2曲目はピーター・ガブリエルのロック・テイストをいれたピックの感じもするリズミックな演奏。
3曲目オリジナルは1曲目のセンシティヴな感じに戻って、色彩をそれも光を多く取り入れた絵画を見ているような表現深さです。
4曲目はバート・バカラックの“What the World needs now is love”ですが、イントロは知っているあのメロディには結びつかない、中間でもちろんメロディはでてくるのですが、これが内省的に使う。この演奏はバカラックの美しいハーモニーの流れを借りて内省しているような感じです。
5曲目はオリジナルでやはり表情豊かな演奏です。
ここまでが普通のピアノ・ソロで次からが翌日、お客をいれてセッテイングを調整しての録音で、その変化も聴きものです。
選曲は“A Child is Born”で音色もやわらかく変化して、エンタ性が増した感じです。
7曲目。オリジナルでここでも上質な絵画をみているような均整感です。
8曲目メセニーの曲、すぐにテーマにはいるのではなく、ゆっくりとイントロを作って丁寧に始めてからの知っているメロディ。
9曲目はスティーブ・キューンの曲、お客をいれた後半は、やや温度をあげてソフトにした感じだけれどショーンの端正な雰囲気は変わりません。
そして最後はすでにトリオで録音したこともある、日本の“ふるさと”シンプルなところを情緒ゆたかに含みとっている様で人柄を感じます。

トリオでの演奏は、e.s.tを思わせる3者が緊密に関係するグループ・サウンドという感じがありましたから、ショーン・フォランというピアニストの心情に触れたようで、そして企画、構成から心意気のこもった造りは、この仕上げ当然です。


Transmission Point / SEAN FORAN

Sean Foran piano

01. Celeste(Ralph Towner) / セレスト (ラルフ・タルナー)
02. Don't Give Up(Peter Gabriel) / ドント・ギヴ・アップ (ピーター・ガブリエル)
03. At the Right Moment(Sean Foran) / アット・ザ・ライト・モーメント (ショーン・フォラン)
04. What the World needs now is love(Burt Bacharah) / ワット・ザ・ワールド・ニーズ・イズ・ラヴ (バート・バカラック)
05. Bell(Sean Foran) / ベル (ショーン・フォラン)
06. A Child is Born(Thad Jones) / ア・チャイルド・イズ・ボーン (サド・ジョーンズ)
07. November(Sean Foran) / ノーベンバー (ショーン・フォラン)
08. Always and Forever(Pat Metheny) / オールウェイズ・アンド・フォーエヴァー (パット・メセニー)
09. The Saga of Harrison Crabfeathers(Steve Kuhn)
ザ・サーガ・オヴ・ハリソン・クラブフェザーズ (スティーヴ・キューン)
10. Furusato(Okano Teiichi) / フルサト (オカノ・テイイチ)
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住めば都 / 世界の絶景の家 World's Holuses with Beautiful View

2014-06-03 20:52:17 | 


㈱エクスナレッジという会社が監修したほんのようで絶景の中の家集、ひとつ同じのがあるから全部で61件の家、家とは呼ばないモンサンミシェルもあるけれど、まったく凄いところに立っている家のあるものです。

写真集なのでその写真を使うことは著作権を侵害してしまうので乗せられない。でも写真を載せないと紹介にもならないので、ということでこの本の宣伝になるということで3つだけ、面白そうだと思った人はぜひお買い求めをおねがいします、って私は図書館でかりました。

これは勘弁とおもったのが、「見下ろす」というチャプターにあった、この二つ。



コルシカ島南端の街ボニファショというところに立つ家だそうで、私酔っぱらってきっと転落死をしているだろうと思う。
同じ理由でもう一つ。




ブータンにあるタクツアン僧院、まあ歩いてしかいけないのだからたどり着けないけど。

ここなら一寸良いかと思ったのが「その時だけ」にあったカナダ、ケベック州のシャルルヴォア、一度過ごしたら、何日間は毎年過ごしたいとおもうだろうな。



ほかにもノルウェーのRallarvegenの湖畔の家やスペイン、アンダルシアのひまわり畑の見下ろす家など何日か過ごしたい家があるけれど、まあ久しぶりに落ち着いた我が家が一番というのが結論だろうな。
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往復書簡のようにして  El retratador / 林 正樹 西嶋 徹

2014-06-02 21:15:18 | 聞いてますCDおすすめ


10年来一緒に活動してきたピアノとベースのデュオですが、実はまるで知りませんでした。新潟の妹のところで見てよさそうだともっていたら、ショップにあったので買ってきました。
久しぶりに何もしない良い夕暮れに、ベットにひっくりがえて聞いていました。

先ずジャケが良い。1980年うまれ、福岡在住で多摩美出の田中千智という方の絵のようです。
このジャケがアルバムをよく表現していますから、この人たちをしらなくても、この絵が気に入ればアルバムも気に入るでしょう。
演奏しているお二人も知らない人でしたが、ピアノの林 正樹氏が1978年生まれ、佐藤允彦氏に師事したようですが、演奏領域は広い交流があるようです。ベースの西嶋徹氏は1973年生まれでこちらもポップ関係をふくめて広い領域、ラテン系のバックが多いのでしょうか。

1曲目、耳雨とかいてジウ、どのような意味なのか解りませんが、落ち着いて格調をふくんだ曲は一人外の雨の音を聞いているのでしょうか。
2曲目似た感じの曲ですが“褻の笛”とかいてクエの笛、こちらもどのような意味なのか、一寸難しい感じが入った曲です。
3曲目は若干モーダルの入ったベース・ソロから始まるタイトル曲、スパニシュを感じる哀愁ある曲調はピアノも歌うようなラインを作ります。
4曲目は、このアルバムで1曲だけ2人以外の人の曲、Mercedes Sosaの歌で有名な“アルフォンシーナの海”というメロディの美しい曲です。この選曲もアクセントになっています。

デュオというのは、超テクニックをもった二人の駆け引きでぐいぐい聞かせるものがありますが、このデュオはそれとちょうど逆のデュオ、それぞれの仕掛けという物はそれぞれが一つの調和を作り上げるものとなっています。
このアルバム“アルフォンシーナの海”以外、西嶋氏が5曲、林氏が4曲のオリジナル、10年の交流のある二人が作り上げたアルバムです。

まるでそれぞれの題名の曲を、往復書簡のように交互にやり取りしながら10年かけて作り上げたアルバムみたいに感じます。

El retratador / 林 正樹 西嶋 徹

林 正樹  piano 
西嶋 徹 contrabass

1. 耳雨 Jiu
2. 褻の笛 Que no fue
3. El retratador
4. Alfonsina y el mar
5. mの問いかけ Emu no toikake
6. Muro de stono
7. Orbit P
8. Folded wind
9. 残光 Zankoh
10. 西日 Nishibi
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一連

2014-06-01 17:40:28 | その他
いまは日曜の夕方で、先週は関西の古都から帰り着いたけれど、今度は反対側の関東の街から帰り着きました。

こちらは土曜が法要で金曜から里帰り、今日は後片付けをてつだって、古いものをより分けたりしまったり、家にある一番重たい金属の花台ががたおれて足の小指を負傷、折れているかどうかわからないけれど、前も何もできないので固定をして様子を見るしかない。と足を引きづってかえってきまして仕入れてアルバムをききながらくつろいでいます。

ということで音楽の話はまたつぎから、今日は整理をしていて気に入った花瓶をもらって帰ってきた。
高麗青磁で文様も美しい。

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