二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

中島敦「李陵」

2008年02月13日 | 小説(国内)
 およそ2年ぶりに中島敦(1909~1942年)の「李陵」を読み返したので、書評を書いておきたくなった。つつみ隠さずにいえば、読みながらわたしは、滂沱たる涙にかきくれ、幾度か本を擱いて、それを拭わねばならなかった。  新潮文庫「李陵・山月記」には「李陵」「山月記」「弟子」「名人伝」の4編が収録されていて、小さな活字の本ではあったが、長らくこれが手許にあった。しかし、数年前に武田泰淳の「司馬遷」を . . . 本文を読む
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