二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

下流志向  内田 樹(講談社)

2010年03月13日 | 哲学・思想・宗教
この人は、このあいだ「日本辺境論」をおもしろく読んだ。 論点は明快だし、結論の落としどころがうまい批評家だと、わたしはにらんでいる。 本書はベストセラーというほどではないにしても、かなり話題となり、論議を呼んだ本である。大学の先生というより、論壇における、一方の旗頭として、その発言は重みをましている。 「下流志向」は、流行語になったような気がする。 本書のサブタイトルは「学ばない子どもたち、働か . . . 本文を読む
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声   柳美里(小学館)

2010年03月13日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
職業としての小説家。 彼は、あるいは、彼女は、恐ろしい職業を選んでしまったのである。 ・・・いままで、そんなことを考えたことはなかった。 すぐれた小説を、またおもしろい小説を、作品として書きつづけなければならない。 短編だろうが、長編だろうが、ひとつふたつ秀作を書いたからといって、なにほどのことがあろう。小説家を職業として選んだ以上は、いのち尽きるまで、プレイをつづけ、 「買ってもらえる」作品 . . . 本文を読む
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