二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

一日が終わるとき(ポエム)

2011年06月19日 | 俳句・短歌・詩集
1 ぼくは長いあいだ読んでいた 分厚い本をとじる。 一昨日はダンテの「神曲」だったし 昨日は「現代語訳古事記」だった。 どんな本を読んでいても 退屈と興奮が交互にやってくる。 四、五日まえには 金子さんの「鮫」のほとりに立って 汗ばんだ膚から熱を奪っていく風のようなことばにゆられながら 一ページごとに 絶句していたけれど。 本の中にひそむ正体不明の盗賊たち。 たえず 読者のこころを狙っているやつら。 読みおえたあとで ぼくはいつだって 自分のこころを修復しなくちゃならない。 ――なぜかはわからないけれど。 . . . 本文を読む
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