二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

パサージュ論、あるいは「街角写真」の快楽

2011年11月03日 | Blog & Photo
松岡正剛さんが、ヴァルター・ベンヤミンの「パサージュ論」について、こんなことをいっている。 『もともとベンヤミンは「個人にとって外的であるようなかなり多くのものが、集団にとっては内的なものである」ということに関心をもっていた。 個人の内部性と集団の外部性を問題にしたのでは、ない。逆である。個人の外部性と集団の内部性に関心をもったのだ。それがベンヤミンの「集団の夢」なのだ。』 (「千夜千冊」より) 「パサージュ論」の存在は、以前、鹿島茂さんの本を読んでいて、はじめて知った。 ベンヤミンの都市論であり、文明論である。 岩波書店の‘岩波現代文庫’から、全5巻で日本語訳が刊行されている。 わたしは何冊かもっているけれど、元来、哲学・思想書が苦手ときていて、難解で歯がたたない。しかし、ここには、なぜわたしが、田舎暮らしをしているにもかかわらず、都市写真に惹かれるのか、その理由のほとんどすべてが書いてある。 . . . 本文を読む
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