これといった目的なく、気まぐれに草むらを観察しながら歩きまわる。
春から夏にかけて、そうやって草や花や昆虫を撮影して歩くのは年中行事といってもよいわたしの道楽だった。
ところが今年は、7月下旬から記録的な猛暑が切れ間なくつづき、すっかり調子が狂った(;´ρ`) ここへきて、ようやく気温が下がり、遅まきながら除草剤を撒いたり、道端にクルマを止めて、ひとり観察会を開いたりできるようになった。
フィール . . . 本文を読む
(2013年冬/前橋文学館裏)
「とおてくう とおるもう とおるもう」
朔太郎の地元前橋では
にわとりはいまでもそういう鳴き方をする。
一日のはじまり 東雲時刻。
人びとは急ぐ。
「とおてくう とおるもう とおるもう」
利根川の岸辺をこえて 遠くとおく響きわたる。
旅人のざわめきに満ちた中山道の宿場町へ
悲しい女のいる山あいのしめった温泉街へ。
「のをあある とをあある やわ . . . 本文を読む