テという文字が踊っている。
ンという文字がなにやら呻いている。
そして よく見ていると
ベもあるし ルもある。
小さな声で鳴いている。
画布のような白っぽい原っぱのあちこちで。
近づいてみると それは猫たち。
ぼくの目の前から姿を消してしまった猫たちなのだ。
猫が文字のように
文字が猫のように
愉し気に騒ぎ 踊っている。
なにか歌っている。
今日はいいお天気。
コスモスだって揺れている。
踊っ . . . 本文を読む
耳の中から、大きな白い耳垢がポロンと出てきた。両耳から。
するとそのとたん、わたしには猫語がわかるようになった。
「ああ、やっぱりお前、前世は人間だったんだな。そうだと思っていたけどね」
わたしは夢中になって、テンちゃんとおしゃべりする、他愛ないことを。
そうして目が覚めたらベッドの中で一人。
「猫の散歩道」というmixiアルバムはパート11をもって閉鎖しよう。テンちゃんだけでなく、妹の家では . . . 本文を読む