(現在の利根川と赤城山。大渡橋下の河原から撮影。ほぼ毎日ここを渡って仕事場へ通っていた)
くり返せば、前橋は萩原朔太郎の町である。
残念ながらほかに観光資源といえるものはない。
わたしは前橋で不動産取引、管理の仕事をしていたので、あちらこちら出歩く機会が多かった。
若いころから詩には関心があったので、何十年ものあいだ、朔太郎は“気になる存在”でありつづけた。
では「月に吠える」や「青猫 . . . 本文を読む
(「月に吠える」初版本)
詩集「月に吠える」は大正6年、彼が32歳のとき自費出版された。
竹とその哀傷 10編
雲雀料理 9編
悲しい月夜 7編
くさった蛤 13編
さびしい情慾 6編
見しらぬ犬 8編
長詩 2編(散文詩)
計55編
これにくわえ、巻頭に白秋の序言、朔太郎の序言、詩集例言があり、巻末には「故田中恭吉氏の芸術に就いて」というエッセイと室生犀星の跋文がある。(55編 . . . 本文を読む