■初夏の夜
また今年(こんねん)も夏が來て、
夜は、蒸氣で出來た白熊が、
沼をわたつてやつてくる。
――色々のことがあつたんです。
色々のことをして來たものです。
嬉しいことも、あつたのですが、
囘想されては、すべてがかなしい
鐵製の、軋音さながら
なべては夕暮迫るけはひに
幼年も、老年も、靑年も壯年も、
共々に餘りに可憐な聲をばあげて、
薄暮の中で舞ふ蛾の下で
はかなくも可憐な顎をしてゐるので . . . 本文を読む
ゆっくりと形を変えてゆく雲の下で
カリンのど飴をしゃぶっていた。
「こげて図太いヒマワリが
田舎の駅には咲いている」
・・・と中也は書いたけど
そういう淋しい駅が
上州にはたくさんある。
現在だって ある。
ほらほら 駅員がひとりもいない
おばあさんの追憶の底で忘れられてしまった駅。
「青春は遠いとおい日の花火」だと だれがいったか。
きみもぼくもそれに夢中になったことがあった。
すぐに . . . 本文を読む
福田みどりさんに阿川佐和子がインタビュー。
本名は福田定一という。司馬遼太郎と名乗ってから徐々に本領を発揮しはじめる。本人はむろん、奥様もそこにいる人が“鳳”であることに気がついていない。
人生の機微とは?
https://www.youtube.com/watch?v=2DVFETCNBaU
人生の機微とはそんなものだろう。BGMのショパンが胸にしみるなあ♪
写真は長いあいだ捜してようやく . . . 本文を読む