(2016年11月撮影)
どこにでもある雑木林の上で
虚空が脱ぎ捨てた下着かボロ雑巾のようにはためいている。
ぱたぱたとはためくあれは
あれはほんとうは何だろう?
歩きながらぼくはかんがえる。
歩くとは かんがえることに限りなく近いのだ。
なだらかな丘のほとりで雑木林の秋が窮まる。
ケヤキやイチョウが大きな身振りで
一頭の大きなけだものになって大量の葉を降らす。
まるで豪雨のように。
スズメの学校では子どもたちが騒いでいる。
あれは あれは稲穂のとりあいをしているのだろうか。
ぼくはいつも以上に冷めた目で風景を見ている。
そのぼくをあのスズメどもがもっと冷めた目で見ている。
見ることと見られることがこの太陽の下で
絶妙なバランスをたもっている不思議。
風が豪快に大笑いするたび
ケヤキやイチョウの葉が乱舞する。
ことばでなら何とでもいえるが
どれほどの美辞麗句を駆使しても
駆使してもあの大笑いにはかなわないのさ。
無力なことば。
歯がゆいけれどことばをすべて
すべて脱ぎ捨てることはできない。
さっきからモズが鳴いている。
夕方にはカラスが空をうめつくすだろう。
虚空ははためいている。
ふところにたくさんの生きものや葉っぱをかかえて。
どこにでもある雑木林の上で
虚空が脱ぎ捨てた下着かボロ雑巾のようにはためいている。
ぱたぱたとはためくあれは
あれはほんとうは何だろう?
歩きながらぼくはかんがえる。
歩くとは かんがえることに限りなく近いのだ。
なだらかな丘のほとりで雑木林の秋が窮まる。
ケヤキやイチョウが大きな身振りで
一頭の大きなけだものになって大量の葉を降らす。
まるで豪雨のように。
スズメの学校では子どもたちが騒いでいる。
あれは あれは稲穂のとりあいをしているのだろうか。
ぼくはいつも以上に冷めた目で風景を見ている。
そのぼくをあのスズメどもがもっと冷めた目で見ている。
見ることと見られることがこの太陽の下で
絶妙なバランスをたもっている不思議。
風が豪快に大笑いするたび
ケヤキやイチョウの葉が乱舞する。
ことばでなら何とでもいえるが
どれほどの美辞麗句を駆使しても
駆使してもあの大笑いにはかなわないのさ。
無力なことば。
歯がゆいけれどことばをすべて
すべて脱ぎ捨てることはできない。
さっきからモズが鳴いている。
夕方にはカラスが空をうめつくすだろう。
虚空ははためいている。
ふところにたくさんの生きものや葉っぱをかかえて。