(松山市にある一草庵、観光用に再建されたもの。画像はネットからお借りしました)
――山頭火に寄せて
自然は体のなかを通りすぎる。
水や
風
その他のもの。
取り入れてまた自然のなかへ返す。
水や風 その他のものが通りすぎる。
体はどうしようもなく自然のかけらなのだ。
かけらがかんがえたり感じたりしている。
何かさみしくて死んでしまえととぶとんぼ。
きみだって出会ったよ そんなとんぼに。
山頭火もきみも一人なので 大声で笑ってもその声はむなしい。
風にめざめて水をさがしていたんだ。
八月も九月も汗ばかりかくのでのどが渇く。
萩の花がキチョウをもてなしているよ。
ほら ほーらほら。
分け入っても分け入っても青い山がつづく。
山頭火のからだのなかを
水や
風
が通りすぎてゆく。
昨日という日だとか一昨日だとかはずいぶんは遠いが
明日はすぐそこにある。
手をのばせばとどく距離に。
八月も九月も汗ばかりかくのでのどが渇く。
サンマやワニやゲンゴロウ いろいろなかたちの雲が
生まれたり消えたりしている。
分け入っても分け入っても青い山。
あの山を越えればそこに明日がある。
たぶん・・・明日が。
※ 不要かもしれない註
何かさみしくて死んでしまえととぶとんぼ
風にめざめて水をさがしている
分け入っても分け入っても青い山
・・・の3編は種田山頭火の句です。
引用はこちらの本から。
「山頭火 風の旅人 ――句と版画」
(小崎侃画 村上護編・グラフィック社1995年刊
――山頭火に寄せて
自然は体のなかを通りすぎる。
水や
風
その他のもの。
取り入れてまた自然のなかへ返す。
水や風 その他のものが通りすぎる。
体はどうしようもなく自然のかけらなのだ。
かけらがかんがえたり感じたりしている。
何かさみしくて死んでしまえととぶとんぼ。
きみだって出会ったよ そんなとんぼに。
山頭火もきみも一人なので 大声で笑ってもその声はむなしい。
風にめざめて水をさがしていたんだ。
八月も九月も汗ばかりかくのでのどが渇く。
萩の花がキチョウをもてなしているよ。
ほら ほーらほら。
分け入っても分け入っても青い山がつづく。
山頭火のからだのなかを
水や
風
が通りすぎてゆく。
昨日という日だとか一昨日だとかはずいぶんは遠いが
明日はすぐそこにある。
手をのばせばとどく距離に。
八月も九月も汗ばかりかくのでのどが渇く。
サンマやワニやゲンゴロウ いろいろなかたちの雲が
生まれたり消えたりしている。
分け入っても分け入っても青い山。
あの山を越えればそこに明日がある。
たぶん・・・明日が。
※ 不要かもしれない註
何かさみしくて死んでしまえととぶとんぼ
風にめざめて水をさがしている
分け入っても分け入っても青い山
・・・の3編は種田山頭火の句です。
引用はこちらの本から。
「山頭火 風の旅人 ――句と版画」
(小崎侃画 村上護編・グラフィック社1995年刊