二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

夕陽が沈んだあと(ポエムNO.2-77)

2016年07月31日 | 俳句・短歌・詩集
夕陽が沈んだあと しばらくそこにたたずんでいる。
夕陽が沈むまえとあと
風景の色は一変する 当然ながら。
それがおもしろくて
カメラを持ったまま棒のように突っ立っていた。
シャッターなんて一枚も切らずに。

静けさはとても感覚的なもの。
茫然と立ち尽くしていると
静けさに気配や ある種のにおいがあるのがわかる。
ぼくは神経を病んでいる
きっとね。
それとも病んでいるのは感覚器官かな。

世の中にはなぜ
こうも偽善者多いのだろう。
だれもが「善意の第三者」のふりをして
なーんにもしない・・・という罪を犯している。
ふりをすることばかりうまくなってさ。
やっぱりどこか病んでいる。

夕陽が沈んだあと しばらくそこにたたずんでいる。
二分か三分でいい。
そうしていることに 意味なんてなくていい。
「意味のあること」ばかりを追いかけていると疲れる。
心底から疲れる ってことがあるのさ。
それも病の一種だろうが・・・。

そうだな ぼくが静けさってものを知ったのは
オーケストラの中で
シンバルの奏者がバーンとひと打ちだけ楽器を鳴らし
たったそれだけのため 小一時間その場にいるのを見た
そのとき。
力の限り ひとこと喚いて。

そうして大抵の人は消えて
墓石がのこる・・・かも知れないし
のこらない・・・かも知れない。
墓石こそ静けさの象徴だからね。
シンバルの一撃と墓石。
そんなタイトルの詩を書こうか?

カラスが数羽 西の空を目指してわたっていく。

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