
しばらくぶりに、本格的に街撮りに出かけてみた。
10月から12月あたりが、街角がいちばん美しく輝くシーズン。
空気が乾いて、空間の透明度が高いから、
平凡な街並みではあっても、コントラスの強い、インパクトのある写真が撮れる。
はやめに出発したので、時間には多少のゆとりがあった。
猫好きなおじさん、花自慢の紳士、人なつこい不動産屋、犬自慢の初老のご婦人などと、あちら、こちらで立ち話。
かつて、三ヶ月だけ仕事をした小都市なので、「つまらない町だよ」と、小馬鹿にしていたから、なんとなく撮影が後回しになった。
ところがどうして、どうして。
三交通り商店街あたりには、昭和ロマンただよう、すてきな建築物がまだ、忘れられたように、ぽつん、ぽつんと残って、わたしの来場を待っていてくれた。
写真を撮る・・・というのは、いまさららしくいえば、感動を撮ることであ~る(-_-)
ささやかな感動を積みかさねながら、ストリートを歩き、路地に入ったり、またもどったり、光の在処をさがして歩く。
トップに掲げたのは、この日いちばんの感動をもたらしてくれた光景である。
西日に照らされた「撮」の一文字が、反対の壁に映じている。
「おー、なかなかしゃれた演出じゃないか」
この場の光景は数カット撮っているので、説明的な写真を、二枚追加しておこう。


ニシザワ写真館は、ご覧のように、画面左に「新館」(といっても、そうとうな年代ものだが)が建っている。
なにかいわくがあって、解体しない、あるいは解体できないのである。
演出ではない演出。偶然がしつらえた舞台装置が、わたしに発見されるのを待っていたかのように(^_^)/~

この日のもう一枚は、これ。
中沢醫院(医院ではない!)が、西日を満面にあびて、悠久の時空を旅している光景に見とれる。廃院ではなく、まだ現役で、人影こそなかったが、この日もちゃんと息をしていた。入口左にピラカンサ(トキワサンザシ)の赤い実が風情をそえているので、クローズアップしてみよう。

写真のおもしろさは、ことばにはならない。
「ほら、どう? なかなかの光景でしょう。こんな光景に遭いに、わざわざ半日を潰して歩き回るのです。散歩・・・わたしはかつてのパリを闊歩したフラヌールよろしく、カメラを手にして、野良犬のようにふらふらと、他人の町を歩くのが好きなのです」
一枚、一枚におもいをこめて。
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