二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

ドナルド・キーン「思い出の作家たち」(新潮文庫)を読む

2019年05月06日 | シャッフル/books
このところ億劫になってレビューを書いていないが、これはぜひ取り上げておこう。
ドナルド・キーン「思い出の作家たち」(新潮文庫)、令和元年5月1日刊。

本文176ページの薄っぺらな文庫本だが、いやはやおもしろかった。
谷崎、川端、三島、安部、司馬と交遊があったキーンさんならではの視点が、随所にいきいきと反映され、並の評論とはことなる味わいを添えているのが素晴らしい(^-^) 

結局は不毛に終る抽象的な論議がほとんどなく、交友録めいた大家のエピソードがじつに効果的に使われていて、読みすすめるうち作家の風貌が浮かんでくる。
しかし、いうべきこと、指摘すべきことはずばりと書かれてある。

東日本大震災をきっかけに日本に帰化したアメリカ人こそ、このキーンさんであった。
遺骨はどこに葬られていたっけな? 
墓参はムリだろうが、いずれ代表作「明治天皇」は読まねばなるまい(^^♪

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