(ルドンの版画 画像検索によりお借りしました)
歩いているその男はまもなく死ぬが
スケッチブックに描かれた人物のように
すでに足のさきから消えかかっている。
そのそばでオカトラノオがゆらり。
歩いているその女はまもなく死ぬが
朝から晩まで目脂をぬぐっている。
なにもしてはいないのに目脂が出る。
そのそばでアサガオがゆらり。
歩いている人たちすべてはまもなく死ぬが
親からもらった名前を後生大事にかかえ
信号の色がかわるたび 右往左往する。
そのそばでヒマワリと その他夏の花々がゆらり。
国道の急カーヴを曲りきれず
今世紀になって事故が多発している。
シニカルなまなざしでそれら一部始終を見つづける
ルドンの一つ目小僧があの世の花のようにゆらり。
歩いているその男はまもなく死ぬが
スケッチブックに描かれた人物のように
すでに足のさきから消えかかっている。
そのそばでオカトラノオがゆらり。
歩いているその女はまもなく死ぬが
朝から晩まで目脂をぬぐっている。
なにもしてはいないのに目脂が出る。
そのそばでアサガオがゆらり。
歩いている人たちすべてはまもなく死ぬが
親からもらった名前を後生大事にかかえ
信号の色がかわるたび 右往左往する。
そのそばでヒマワリと その他夏の花々がゆらり。
国道の急カーヴを曲りきれず
今世紀になって事故が多発している。
シニカルなまなざしでそれら一部始終を見つづける
ルドンの一つ目小僧があの世の花のようにゆらり。