二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「賢帝の世紀」 塩野七生

2017年08月29日 | シャッフル/books
たまには「フリッカー/books」の記事を書いておこう。

岩波の「図書」臨時増刊号を読んでいたとき、“私の三冊”でマルクス・アウレリウス帝の「自省録」を取り上げている人がたいへん多かったので、気になっていた。
単なる箴言集だと考えていたけど、そうではないのかもしれない(-_-) 

が、そこへいくまでに塩野七生さんが、マルクス帝のことをどう評価しているのかと思い、「賢帝の世紀」から再読をはじめ、引きずり込まれた。

現役の作家で、歴史上の人物に、これほど深い洞察力をしめす人はいない。文庫の「中」ではハドリアヌス帝の巻。
そうか! そうか! そうか! やっぱりすごい塩野七生(*^-^)

ハドリアヌス帝の記録はほとんど残されていないというが、塩野さんは、文学者としての想像力を存分に働かせ、お見事というしかない秀逸な肖像画を描きあげる。

いやはや、内容には踏み込まないが、“読ま死ね”本の究極の一冊。ここから読まないとマルクス・アウレリウス帝にはたどり着けないのだ、わたしの場合は。
「賢帝の世紀」はいまのわが国の政治家に読ませたい本、NO.1だな。

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