
今年の2月からの円安反転は見事に当たりました。この反転の意味は一時的な円安
であることを書きましたが、今回のその円安=円高の調整を少し分析してみます。
エリオット波動でも、調整波の分析が最も難しく、多くの可能性に
満ちていますので少し複雑です。

調整波を予測理解できれば、貴方は既にエリオット波動のプロです。調整波は
大きくABCと波を描きCの終点から再び円高に向かいます。今波は
そのAの部分の波です。そのAも更に細かくabcと分かれます。

現在波はそのabcのcの終盤に近づいています。このA波は=horizontal=sideway
を形成しています。これはb波はa波の始点≒76円台近くまで下がり(→78円)
ますがその始点を超えずに再び円安の方向に向かいます。
そのcは第1~5波を形成します。つまり第5波を形成すれば再び円高の方向
ABCのBの方向に向かいます。今c波の第5波の最中ですが、その5波が
延長していますので、第5波の頂点はもう少し時間がかかりそうです。
88円前後まで上がる勢いです。又は再延長すれば90円前後まで
上がる可能性は有ります。c波の第5波の更に小さい段階の5波に
突入しつつあります。この更に小さい第5波が更なる延長をしなければ
c波は88円前後で止まると言う事です。
来年に入り、今度はABCのB波がやってきます。既にA波はsideway ですのでB波に
Triangleの可能性は消えました。残るは同じsidewayかZigzagです。
つまりAの様にアップ&ダウンの様に動くか、ZIGZAGで円高の方に
また動き出すかです。最後のCも同様です。

最後の調整波のCはどの波でも取れます。sideway,Zigzag,Triangle何でもござれです。
そうすると、2月からの調整波は全体としてサイドウェイ=日本式ではボックス圏形成、
又は全体として、Triangleを形成すると思われます。
つまり今回の円安はあまり期待できないと言う事です。今のc波が来年の早期に何処まで
上がるかにかかっています。90円前後で終われば、インフレ目標は夢の夢です。
ただ最後のC波が90円を超えての円安になることは可能性として
残りますが、これは私の言う数兆ドル介入が必要です。
今すぐに数兆ドルの円売りドル買いの介入が必要です。もしもっと円安を望み
インフレを望むならです。

今回の調整の波はsideway又はTriangleですので、1995~2007年、12年間の
巨大な調整のTriangleに性格は似ていますので、期間は2年を十分超す
可能性は有ります。Triangleは時間稼ぎの波と言う事です。

いずれにしろその後が怖いのです。もし今回の円安が90円前後で止まれば2019年の
円高の予想は53円前後、又は60円前後です。
巷では期待を込めて、2012年2月からの円安は戦後円高の終わりのサインだとの評価が
都市銀や識者の判断です。もしこのまま円安が数10年にも続けば、輸出の増大と
景気の回復、製造業の世界展開が再び可能となることを意味します。
そうなると貿易赤字はなくなり、経常収支も更に良くなり、国債の暴落もあり得ません。
税金などを増やし、国家の支出を減らせば済むことです。

そんな虫のいい話はありません。上図はあり得ません。
資本主義は金に関しては厳しい弱肉強食の時代なのです。

