[反ヘイト]

 沖縄県の玉城デニー知事は24日の県議会(赤嶺昇議長)6月定例会代表質問で、ヘイトスピーチ規制条例を制定する考えを示した。知事はこれまでも前向きな姿勢を示してきたが、制定を明言するのは初めて。県は弁護士や大学教授ら有識者に助言を得ながら、法的な課題などを整理している。

 知事は「市町村の意見や有識者からの助言を踏まえ、条例制定に取り組む」と述べた。全ての人々の人権尊重は、平和で豊かな社会に重要とし「人権を侵害する不当な差別的言動は決して許されない」とヘイトスピーチを批判した。

 その上で「誰もが互いの人権を尊重し合い、誰一人取り残すことのない共生社会の実現を目指したい」と意欲を示した。照屋大河氏(てぃーだ平和ネット)の質問に答えた。

 名渡山晶子子ども生活福祉部長は昨年12月の議会で条例制定に取り組む考えを示していたが、知事は報道各社のインタビューで「検討」にとどめていた。

 県によると、提案や制定の時期は未定。他県の事例を参考に、ヘイトの定義や対象など課題を整理している。ヘイトを許さない宣言も引き続き検討している。

 質問した照屋氏は本紙に「ヘイトは他人を大切にする沖縄の心に反する卑劣な行為。ぜひ制定してほしい」と期待した。

 県議会には昨年6月定例会以降、条例制定を求める陳情が出ているが継続審議になっている。今定例会にも陳情が2件あり、文教厚生委員会で審査する予定だ。