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FX Forum | 2016年 02月 19日 20:04 JST
コラム:日本は「ドル106円」を許容できるか
鈴木健吾みずほ証券 チーフFXストラテジスト
[東京 19日] - ドル円相場は日銀のマイナス金利導入を受け、1月末に121.70円まで上昇したが、原油価格や米中経済、欧州金融機関のクレジットなどに対するリスクが台頭し急反落。節目として意識された115.00円も割り込むと、2月11日には110.99円まで下落した。
筆者は、1月末の欧州中央銀行(ECB)による3月の追加緩和予告や前述した日銀の行動などによって、市場の焦点がリスクから金融政策やファンダメンタルズに回帰し、ドル円は120円近辺の推移となる展開を想定していた。しかし、わずか10営業日で昨年1年間の値幅を超える投機的な急変動の波に飲み込まれ、水準自体が下方シフトしてしまった。
前回1月22日のコラムで「テクニカル的には115円を下抜けると一気に110円近辺に急落する可能性を示唆している」として、実際そうなった通り、テクニカル的には比較的きれいな値動きとなっている。目先、ここからさらに下押しした場合のレジスタンスは心理的節目とされる110.00円だが、ヘッド・アンド・ショルダーやフィボナッチ級数などのテクニカル分析では106円近辺が次の下値の目標として意識される。
2014年終盤以降のドル円チャートは真ん中の大きな3つの山、いわゆるヘッド・アンド・ショルダーの形を描いており、このネックラインとされる115―116円の水準を下回ったことで下落バイアスを急激に強める動きとなった。この場合、教科書的にはいったん反発してネックラインをトライする展開となるが、これが抜け切れないと改めて下方トレンドを強める形となる。
直近では110.99円をつけた後に反発を見せ、2月16日に114.87円まで値を戻しながらも115―116円を抜け切れずにいることから再び下方バイアスが強まる可能性がある。改めて下落した場合の目標価格は、ネックラインからヘッド・アンド・ショルダーの高値までの値幅と同程度、ネックラインを下回った水準となる。数字を当てはめると、高値は昨年6月につけた125.86円(約126円)。ネックラインを約116円とするとその値幅は約10円程度となり、106円近辺が目標値となる。
また、過去の値動きを見るとドル円は11年10月31日に安値75.32円をつけた後、上述したように昨年の125.86円まで上昇しているが、フィボナッチ級数を使ったテクニカル分析では38.2%押しとなる106.55円近辺が1つの節となる。ここでも106円という数字が出てくる。テクニカル的な下値の目途としては、心理的節目110.00円および106円近辺が重要となろう。
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● 106円が耐えられるかどうかは、問題では有りません。4年前は、せめて100円/ドル
台であればと嘆いていたのですから、106円は全く問題にはなりません。
● それは円高の瞬間の底ですから、実態経済には余り影響ないでしょう。つまり、
それは同時に株価の底ですから、急激に上がる株価で、その後に、
円安の巨大な波が来るのですから・・。
● 去年の段階で私は、125円前後まで上がった為替は、株価の中暴落で105~110円と予想しました。
段々とそれに近づいています。もしもう一度調整があるとすれば、上記の様に、
円が105円前後/$まで下がれば、日経225は14000円前後が想定できます。
● その前に、少し上昇してからの調整が有りえます。上記のように、日経は17000円前後まで
上がり、円は115円前後まで上がり、それからの、10円前後の小暴落が有りえます。
● 3月5日、中共の全人代の後から、本格的な上昇が可能性としては大きいでしょう。
何しろ今回の中暴落の主役は中共ですし、ソロスを負かせる為にも、
株価の上昇は、至上命令でしょう。
● 2008年から中共の30年㌟の調整が始まったと書きました。つまり調整は2008年から
15年前後あると言う事です。その後に中共の回復が起こります。
● 日本の1990年から2008年までの大暴落と比較すれば、中共は良くやっていると言えます。
何せ2008年上海6000台からの大暴落後、2015年には5000台に回復させたのですから
少なくとも、1990~2011年までの日銀よりはずっとましです。
● 今回も3月5日の全人代で、世界の投資家を喜ばす、金融緩和策が出てくるでしょう。
しかし、それでも、やはり今年末の大暴落には付き合ってもらうのです。
● ご用心、短期の予測は揺らぎをもたらす、気まぐれが潜んでいます。投資は
自己責任で・・・。
FX Forum | 2016年 02月 19日 20:04 JST
コラム:日本は「ドル106円」を許容できるか
鈴木健吾みずほ証券 チーフFXストラテジスト
[東京 19日] - ドル円相場は日銀のマイナス金利導入を受け、1月末に121.70円まで上昇したが、原油価格や米中経済、欧州金融機関のクレジットなどに対するリスクが台頭し急反落。節目として意識された115.00円も割り込むと、2月11日には110.99円まで下落した。
筆者は、1月末の欧州中央銀行(ECB)による3月の追加緩和予告や前述した日銀の行動などによって、市場の焦点がリスクから金融政策やファンダメンタルズに回帰し、ドル円は120円近辺の推移となる展開を想定していた。しかし、わずか10営業日で昨年1年間の値幅を超える投機的な急変動の波に飲み込まれ、水準自体が下方シフトしてしまった。
前回1月22日のコラムで「テクニカル的には115円を下抜けると一気に110円近辺に急落する可能性を示唆している」として、実際そうなった通り、テクニカル的には比較的きれいな値動きとなっている。目先、ここからさらに下押しした場合のレジスタンスは心理的節目とされる110.00円だが、ヘッド・アンド・ショルダーやフィボナッチ級数などのテクニカル分析では106円近辺が次の下値の目標として意識される。
2014年終盤以降のドル円チャートは真ん中の大きな3つの山、いわゆるヘッド・アンド・ショルダーの形を描いており、このネックラインとされる115―116円の水準を下回ったことで下落バイアスを急激に強める動きとなった。この場合、教科書的にはいったん反発してネックラインをトライする展開となるが、これが抜け切れないと改めて下方トレンドを強める形となる。
直近では110.99円をつけた後に反発を見せ、2月16日に114.87円まで値を戻しながらも115―116円を抜け切れずにいることから再び下方バイアスが強まる可能性がある。改めて下落した場合の目標価格は、ネックラインからヘッド・アンド・ショルダーの高値までの値幅と同程度、ネックラインを下回った水準となる。数字を当てはめると、高値は昨年6月につけた125.86円(約126円)。ネックラインを約116円とするとその値幅は約10円程度となり、106円近辺が目標値となる。
また、過去の値動きを見るとドル円は11年10月31日に安値75.32円をつけた後、上述したように昨年の125.86円まで上昇しているが、フィボナッチ級数を使ったテクニカル分析では38.2%押しとなる106.55円近辺が1つの節となる。ここでも106円という数字が出てくる。テクニカル的な下値の目途としては、心理的節目110.00円および106円近辺が重要となろう。
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● 106円が耐えられるかどうかは、問題では有りません。4年前は、せめて100円/ドル
台であればと嘆いていたのですから、106円は全く問題にはなりません。
● それは円高の瞬間の底ですから、実態経済には余り影響ないでしょう。つまり、
それは同時に株価の底ですから、急激に上がる株価で、その後に、
円安の巨大な波が来るのですから・・。
● 去年の段階で私は、125円前後まで上がった為替は、株価の中暴落で105~110円と予想しました。
段々とそれに近づいています。もしもう一度調整があるとすれば、上記の様に、
円が105円前後/$まで下がれば、日経225は14000円前後が想定できます。
● その前に、少し上昇してからの調整が有りえます。上記のように、日経は17000円前後まで
上がり、円は115円前後まで上がり、それからの、10円前後の小暴落が有りえます。
● 3月5日、中共の全人代の後から、本格的な上昇が可能性としては大きいでしょう。
何しろ今回の中暴落の主役は中共ですし、ソロスを負かせる為にも、
株価の上昇は、至上命令でしょう。
● 2008年から中共の30年㌟の調整が始まったと書きました。つまり調整は2008年から
15年前後あると言う事です。その後に中共の回復が起こります。
● 日本の1990年から2008年までの大暴落と比較すれば、中共は良くやっていると言えます。
何せ2008年上海6000台からの大暴落後、2015年には5000台に回復させたのですから
少なくとも、1990~2011年までの日銀よりはずっとましです。
● 今回も3月5日の全人代で、世界の投資家を喜ばす、金融緩和策が出てくるでしょう。
しかし、それでも、やはり今年末の大暴落には付き合ってもらうのです。
● ご用心、短期の予測は揺らぎをもたらす、気まぐれが潜んでいます。投資は
自己責任で・・・。