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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)3月28日(水曜日)
通巻第5648号
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米中貿易戦争勃発、日本円が上昇、豪ドルは下落
低金利の通貨が、なぜ高くなるかの不思議なメカニズム
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トランプ政権が鉄鋼に制裁関税を課すと発表したとき、なぜか主敵の中国より、世界で一番下落した株式市場は日本だった。
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なぜなら米国へ輸出されている高級鋼板、自動車鋼板は中国では作れない。日本製である。
およそ1500品目の中国製品に最大600億ドルの知的財産権の損害を回収するための報復関税を米国は用意したとするや、上海株式は激しく下落した。米中貿易戦争が本格化すれば、通貨で影響が出るのは日本円と豪ドルだろう、と市場関係者は見ている。
為替相場は、通常の場合、金利と経常収支で決まるが、政治相場となると、経済原則と激しく乖離した、不思議な為替レートに変化する。そもそも金利が世界一低い日本の通貨が買われる筋合いはないが、経済が世界的規模でリスクに遭遇すると、金利状況を無視して、もっとも安全な通貨に逃げ込む。
今回も世界の投機集団は、日本に照準を当てて、日本円への投機を行ったフシが濃厚にある。
他方、石炭と鉄鉱石を中国に輸出して潤ってきたオーストラリアは、全輸出の30%が、じつは中国向けであり、この方面での暗転が予測されるため、豪ドルが売られ続けている。
豪ドル相場は過去一年で1豪ドル90・27円から80・46円へ、逆に日本円は1ドル=118・54円から104・64円に(27日午後三時比較)
この面妖な為替相場はしばし継続されるだろう。