西郷輝彦さん、豪州での日本未承認治療でがん消えるも腫瘍マーカー大幅増に首かしげていた
2/21(月) 14:56配信
西郷輝彦さん(2017年7月撮影)
歌手で俳優の西郷輝彦(さいごう・てるひこ)さん(本名・今川盛揮=いまがわ・せいき)が20日午前9時41分、前立腺がんのため都内の病院で亡くなった。75歳だった。所属事務所サンミュージックが21日、発表した。葬儀は近親者のみで営む。
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西郷さんは11年に前立腺がんと診断され、全摘出手術を受けたが17年に再発を告白。21年4月23日にはコロナ禍の中、腫瘍マーカーの数値PSAが上がったため主治医と話し合い、がんの最先端治療を行うためオーストラリアに渡った。放射性物質を使うため、日本では未承認の「PSMA標的内用療法」を受けるためだった。
西郷さんは、愛用する米アップルのパソコンを用いてYouTubeチャンネルを立ち上げ、自ら撮影、編集した映像で治療の報告を行った。21年8月22日には日本テレビ系「24時間テレビ」に中継で出演し「元気ですよ」と口にしていた。
同8月29日の動画「第4弾 がんが消えた編 衝撃の画像公開 完」では、治療経過が収められたDVDを見ながら、妻とともに「(がんが)消えてる…やった!」と喜び合った。一方で、基準値が0~4ナノグラム/ミリリットルとされる前立腺腫瘍マーカー(PSA)の値が、同7月29日に510、同8月16日には800と大幅に基準を超え「がんが消えて、PSA(前立腺腫瘍マーカー)が上がる?」と首をかしげた。
さらに動画の中で、オーストラリア側から「治療を中止して日本で調べたらどうか」と言われたこと、一方、日本側は「がんは消えている。あとはあなたの判断」と告げられたと画像で説明。その上で、海外に出て「PSMA治療を中止して、日本へ帰るなんて、とんでもない。こっちで調べて、調べて、検査して、検査して、必ず3回目の治療をやる。いいね!」と宣言していた。
動画の投稿は、それが最後となった。同9月7日にはTBS系「あさチャン!」に出演し「完全に治るわけじゃないと私も思っています」と語り、帰国する方向性も示していた。
ツイッターも、21年9月5日に「明後日7日(火)の『あさチャン!』にシドニーから中継で出演します。日本時間6:20ごろからの予定です。早いけど是非ご覧下さい」と投稿したのが、最後となった。
◆西郷輝彦(さいごう・てるひこ、本名・今川盛揮=いまがわ・せいき)1947年(昭22)2月5日、鹿児島県生まれ。64年に「君だけを」で歌手デビューし、同曲と「十七才のこの胸に」で日本レコード大賞新人賞を受賞。同名映画で銀幕デビュー。66年には「星のフラメンコ」がリリースから2カ月で50万枚を売り上げる大ヒット。73年のフジテレビ系ドラマ「どてらい男」に主演し、俳優業に挑戦。デビュー30周年を迎えた94年に「別れの条件」で歌手活動を本格再開。