ヌナカワ姫は水の神・田の神として、稚児ケ池の小字の柳形神と呼ばれて崇敬されたという仮説をたて、文献を読み込みこんでは稚児ケ池周辺を歩きまわっている。
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大正時代に編纂された「西頸城郡誌」によると稚児ケ池の昔の所在地は、西頸城郡平牛村山崎柳形であったらしい。現在の奴奈川神社は明治のころまで柳形神社と呼ばれていたともあるが、柳形は稚児ケ池の小字だったのだ。
国土地理院の地形図アプリで確認しながら踏査したら、京ヶ峰主峰のピークは標高158m、稚児ケ池は標高126mで、緯度経度もばっちりおさえることができた。
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見通しのわるい主峰西側の木立から黒姫山も目視できた。ヌナカワ彦・ヌナカワ姫・黒姫の三座が鎮座する信仰の対象が、稚児ケ池に遷宮した旨の口碑があるので、これは大事。
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おおむね標高80mくらいからブナ林が点在していた。杉林は暗いがブナ林は明るいので気持ちがいい。
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植物図鑑アプリがおもうように起動してくれなかったけど、ブナですよね?W
今回の成果は、海側の糸魚川市街地から、稚児ケ池に至る古道を見つけたことだ。
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これは寺町区の人々が、稚児ケ池で稚児の舞いを奉納していたという口碑を元に、正装した幼児や大人が徒歩で稚児ケ池に到達できる地形をグーグルアースで探した結果である。
この古道だと拙宅のある笛吹田遺跡から、ゆるやかな登りの山道を徒歩20~30分で稚児ケ池に到達できる。それと「山崎三十三塚」が点在するルートらしく、こちらは50年前の発掘報告書を確認中。
京ヶ峰の主峰越えルートもあったようだが、ながらく人が通らない踏み分け道なので、倒木や土砂崩れでルートがはっきりせず、登山レベルの登坂道だから正装した集団が越えられる道ではなく、私も歩くたびに迷子になっている。これが愉しいのだけどネ。
それと今回の踏査の目的のひとつ、論文「ヌナカワ祭祀圏のランドマーク」の検証に関する成果もあった。これは次回