ヒスイ原石の石目や「部分的に堅さに極端な差異のあるヒスイ」を欠点とせず、唯一無の個性として活かすには?
その対策として線刻をしてきたが、ヒスイは堅牢だから苦労は並大抵ではないし、欠点を補うレベルにとどまっていたと思う。
ヒスイより硬い(ハードネス)モース硬度7のメノウの方がもはるかに線刻しやすく、ヒスイは硬いだけでなく堅い(タフネス)石材でもあるから、線刻は厄介なのだ。
この春、ついに硬くて堅いヒスイでも野太く深い線刻ができる技法をみつけた。ショッカーの怪人のようだ(笑)
縄文デザインの石笛ですな。奇をてらった意匠だではなく、プロ演奏家が楽器として認めるオクターブ超えの石笛!吹けばピーと音が鳴るだけで、楽曲演奏もできない粗製石笛とは違うのだよ!
そしてデッドストックになっていた「部分的に堅さに極端な差異のあるヒスイ」の活用法に光明がみえて、石笛つくりがたのしくて仕方ない。
「部分的に堅さに極端な差異のあるヒスイ」は、おもったカタチに成形しにくく、また研磨しても平滑になってくれないので、作品化しにくい訳ですナ。
ところが、恣意的にヒスイがなりたいカタチに成形・研磨してから、野太く深い線刻を施せば、最後までどうなるか私もわからず、予定調和の領域から外れた縄文チックな石笛になってくれるではないか。これぞヒスイとワタシの共同作業。
もっと野太く大胆に!肝に銘じて縄文人が喜んでくれる作品を目指す。