仕事はじめにつくった作品は、厚目の勾玉を半分に割った「better falf」勾玉。
別々につくったペアでなく、ひとつを二つに割って作った勾玉をカップルで分け合うというコンセプトがミソで、夫婦そろって88歳を迎える両親の結婚記念日に、サプライズプレゼントしたい息子さんからのご注文だ。
親父の享年が88歳だったので、親孝行は生きているうち、と反省しきり。
ところが仕事はじめでつくった勾玉は、88歳の老夫妻の勾玉としてはカタチ・サイズ・色などがしっくりこず、納得のいくように再挑戦して作った。二つの「better falf」勾玉の、ピンとくる方を選んでもらえればいい。
ヒスイだから長寿の祝いに相応しいんじゃない。
「ヒスイで作った勾玉」であることが大事だし、子供が親孝行したいという想いから贈るからこそのヒスイ勾玉。だから作り手は注文主の想いに共感して、我がことのように作品つくりする姿勢が問われる。
しかし作り手は「想いを籠める」などという暑苦しい熱気を持ってはならない。また「真心をこめてつくりました!」なんて自分で言ってはならない。「親孝行したい」という息子さんの想いに応えるには、余計なことを考えずに誠実に仕事するしかない。
これぞ万葉歌人が、大事な人の不老長寿をヒスイに託して詠んだ和歌と同じ「ヒトとヒスイの物語」
ヒスイは希少鉱物だと評価するのもヒト。ヒトあればこそヒスイとの物語がうまれる。「ヒスイ海岸で一攫千金お宝ゲット!」なんて軽いノリはヒスイに相応しくないヨ。
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