to be with my dogs

犬と私と羊...合言葉は「自然体」

道具は、使いよう

2011年05月20日 | Obedience

犬のしつけの道具は多々あるけれど、私自身は、何を使っても一緒だと思っています。

逆に言えば、何も使わなくてもできる。

「チョークじゃなきゃ、犬は言うことを聞かないでしょ~」と、思わないし、

「ジェントルリーダーが良い」とも思わないし、

「ハーネスなら犬の身体に負担が無いから良い」とも思わないし、

「おやつを使わなきゃしつけができない」とも思わないし、

「モチベーションは、おやつだと依存し過ぎるから、オモチャじゃなければ」とも思わない。

ましてや、しつけで電気ショックや、マズルカバーを奨めるなんて私の中では

「NO~~!!」と言いたい。

しつけは、生活の基礎です。訓練は、学習です。

たとえば、ウチの例だと、

「排せつのマナー、食事のマナー、吠えない、暴れない、咬まない」は、基本的なしつけ。

「十分な運動と思考させる」ここは、訓練にあたります。

 

先日、とあるボーダーコリーが集まる場所で、8か月くらいのボーダー数頭にお会いしました。

皆さん、口をそろえて、「どうしたら落ち着いて伏せてられるんですか??」

「落ち着きが無くって、困ってるんです」「バイクとかも追いかけちゃうし。。。」

 

そんなときに、巷で、良く見かけるのは、自信たっぷりにやってきて、

リードを取り上げると、力任せに思いっきり引っ張って、犬がひっくり返った瞬間に、

ビックリしてその人を見上げる。。。そして、「ほらね!」って顔で、

「こうするんだよ」と犬をやりこめる人がいます。

それを見た飼い主さんが、同じように真似をしてみる。

だけど、なかなかできないですよ。。。

チョコチョコ、首を絞められるもんだから、犬に逆切れされるか、

犬がこんな生活もういやだって、ぐったりするか。。。

飼い主も効果テキメンだったはずなのに、まるで効果が無い。。。そんな状況に、

「こんな風に痛めつけて、何になるんだろう。。。気分的にも楽しくないし。。。」

ってなっていくんですね。

これは、必要のない見せしめ的パフォーマンスですよ。

もう一つ言わせていただければ、人の犬にカウンセリング無しに、

いきなりそんなことをして、してやったりの顔をする人は、

犬を全くわかってないことが多いです。

それを真似したところで、上手くいくわけがないんです。

 

じゃぁ、優しく、おやつを使ってなだめたところで、おやつなんかそっちのけで暴れる。

おやつの入った袋をガサガサ鳴らしてみたところで、眼中にないし。

落ち着かせようと、犬の身体をホールドしたところで、ニュルニュルと暴れて、

終いには、イラついた犬が吠えるか犬に噛みつかれるか。

 

8か月の犬なんて、落ち着きが無いのが普通だし、この時点で、分別があったら、

それはそれで、つまんないんじゃないかな。

 

落ち着かせたかったら、犬に普段の生活の中で、「ON」「OFF」を教えていくことです。

その行動を止めさせたいからって、道具を駆使したところで、何の解決にもならないんです。

お散歩の時の持ちモノが増えるだけです。

腰にはウエストポーチ、そこにジャラジャラといろんなものがぶら下がり、背中にはリュック。。。

 

しつけは、「普段の生活の中で、」と言うのが重要です。

大体の方は、犬が興奮してから、行動を起こします。

大きな音が出る缶を投げるとか、首をとっ捕まえて、目を見つめて「NO!!」と言うとか。

 

例えば、「吠えた」から怒った、「吠えた」からなだめた。ここが間違いのドツボ。

犬が落ち着いて、リラックスしている状態の時に、充分に褒めて、ゆっくりと撫でて、

コミュニケーションを取るように、優しく話しかけ、こちらを見たら、愛おしいと思ってる表情を

顔に表して、応えてあげてください。

「こういう状態が私の思ってるあなたとの生活なのよ。」と落ち着きをイメージして

犬に伝えてみてください。

 

犬が遊びたそうにあなたを見たら、その時は一緒に遊んであげてください。

オモチャを出して、与えてあげるんじゃなくて、引っ張りっこしたりして、

唸っても、力強く引っ張れたら、「凄いね~」「力強いね~」などと声をかけて、

褒めてあげてください。

オモチャの取りだしは、「OFF」などと言って、無理やり口をこじ開けて教えるんじゃなくて、

犬が疲れたり、噛む場所を変えたりする瞬間に、取りだします。

偶然、取り出しに成功した時にこそ、「偉いね~、OFFできたね~」「OFFだね~」って、

充分にゆっくりと褒めながら、首から背中にかけて、ゆっくりと撫でてあげてください。

まだ、遊びたいと言うのであれば、少しじらしながら(興奮症の犬なら、一瞬見させて)

「OK」などの言葉で、遊びを開始します。

 

一緒に遊ぶ時は、アグレッシブで良いんです。「OFF」の時は、飼い主もスイッチOFF。

ほとんどの人が、犬は一人でアグレッシブに遊んでいるのに、飼い主はスイッチOFF。

一人遊びしてくれてるからお利口さん、私はその間にゆっくりお茶でも。。。

外では、犬同士勝手に遊んでくれるから、私はその間に、おしゃべり。。。

犬が興奮しすぎて、喧嘩が始まったころに、「NO~~!!」と言ったって、

犬にしたら止められまへん。。。

そして、勝手に興奮して、勝手に走り回る犬が出来上がっちゃうんです。

 

いろんなしつけ方法や、道具があって、どれを使ったら一番効果的なのか?

ウチは、チョークチェーンも使いますが、犬にとってわかりやすい合図として

使いこなせないのであれば、効果は無いと思います。

リードにしたって、長くして、呼び戻しの練習をしようと思っても、

戻ってくるどころか、更なる自由を得た犬は、より前へ進もうとします。

リードの長さが、しつけに有効なら、その犬はリードなしでもお散歩できるくらい、

優秀なハズです。

短いとストレス、長いとリラックス?長さなんて、飼い主の気持ちの問題なんですよ。

おやつだって、「何が一番言うことを聞くおやつですか?」なんて聞かれると、トホホ。。。

究極のおやつなんて、犬自身が、「私ってスゴイ!!」って思った時にタイミングよく

「本当にすごいね~良くできたね~」ってもらったご褒美こそ究極なのであって、

種類じゃないし。。。

 

道具にこだわるんじゃなくて、犬をよく見る。

それには、飼い主自身の生活も見直してみる必要があると思います。 


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