電気系が故障したヴェクスター125の原因調査と修理の続きです.
キーがONであろうとなかろうと一切電気が流れない症状のヴェクスター125の今回のトラブル.
バッテリーが生きているのに常時通電しているメットインスペースの照明が点かない現象から
イグニッションキーの接点不良やジェネレーター(発電機),レギュレートレクチファイヤの異常は考えにくい.
いや,それらにも異常があるのかもしれないが,その前にまずデバイスや素子がどうのこうのではない
不具合が潜んでいる事は間違いない.
症状を踏まえて配線図をもう一度追いかける.
夕刻,ガレージで一人頭を抱えて考える.
ふとガレージにガラス戸にほんのり光るヴェクスターのテールランプが目に入った.
ありゃりゃ,復活してるやん.
ブレーキを握るとブレーキランプが点灯する.
コレはと思いセルのボタンを押してみる.
一瞬カチッと言う音がしてマグネットスイッチが入るが,次の瞬間また電気が全て消える.
もう何をしても復活しない.
バッテリーの端子に接続したテスターの電圧を確認すると“0ボルト”を表示している.
“嘘でしょ?”
そう思いながらも,こんなに電圧がドロップしたらバッテリーが破裂してしまうかもと,ちょっと焦りました.
臭いや煙,発熱がないか確認するが至って普通にしているバッテリー.
さて困った.
ここまでが前回のお話.
ここからが後編のスタートです.
メットインスペースの照明ランプが点かない事からバッテリーそのものの不具合を疑う.
バッテリーの放電容量も十分あるのに電圧が0ボルトになるということは,中身は生きていて,端子に不具合が
あるという可能性が考えられる.
ひょっとして振動か何かで端子にクラックが入って・・・・何てことを考えながらバッテリーの端子を
マジマジと確認する.
お,ぐらついてるんと違うか?
端子を揺るって見るとぐらついているように見えた.
おおっ.
・・・・ん?
・・・・・ありゃ?
目の錯覚でした.46才,老眼が来てます.
でもそんな雰囲気の故障に思える.
しかし困まりました.
ウンともスンとも言わないので手がかりを見つける事ができません.
症状は
『一瞬マグネットスイッチが入る(音がする)けど,そのあとウンともスンともいわなくなる.』だけである.
バッテリーの端子を緩めてみようとした瞬間,端子にパチパチと青い小さな火花が見えた.
またキーをONにしたままにしていたようで,少しスパークしたようだった.
するとフロントカバー内でリレーの接点がONするかすかな音が聞こえた.
サイドスタンドが出ているとセルが回らなくするためのサイドスタンドリレーの音だった.
テールランプの明りがガラス窓に反射しているのが見えた.
おや,おや.
おや,おや,おや.
ちょっと希望の光が見えた.
セルボタンを押すと.やはりマグネットスイッチが一瞬入ってすぐに全部の電気が落ちてウンともスンとも言わなくなる.
不具合が再現した.
またバッテリー端子を少し緩めてみる.
端子でパチパチと火花が光り,電気が復活する.
『おおっ』
端子の接触状態が変ると電気系統が復活するようである.
セルボタンを押しとカチッというマグネットスイッチの音と共に電気が全部落ちる.
まさにこのトラブルの症状そのものが再現してくれている.
すぐに端子のネジを緩めて表面状態を確認する.
バッテリーの端子も配線の端子も汚い.
まだコレが不具合の原因かは確証がないが,ここの接触不良が原因になっていそうに思える.
バッテリーの端子はその構造上,鉛で出来ている(らしい).
鉛は腐食に強いですが,配線側の端子にはサビが見える事から鉄に(錫?)メッキが施した端子が
使われているように思われる.
一般的な圧着端子は銅に錫メッキだがバイクなどは振動で破損するためからか,そうなっているみたい.
それにしてもどちらの接触面が汚い.
端子のネジを観察するとこれまた不思議な事がおきている.
汚いのはマイナス側だけである.
プラス側はきれいなことから電気的な要因で表面が酸化してしまったようである.
ということで真鍮ブラシで端子を掃除してあげる.
腐食防止のためにグリスをたっぷり塗って端子を取り付けてあげる.
テスターでバッテリーの電圧を測定すると,それまで12.24ボルトだった電圧が12.32ボルトと若干改善されている.
念のためマイナス側のボディーアースポイントを見るが腐食は見られない.
念の為ここも磨いてからグリスを塗ってあげておいた.
早速キーをONして見る.
カチッとかすかなリレー音がしてテールランプが点灯する.
セルのボタンを押すと何事もなかったようにセルが回りエンジンが掛かった.
何回か繰り返すが異常は起きない.
バッテリー端子部,それもマイナス側での接触不良がこのトラブルの原因・・・.
なぜセルを回すなど大電流が流れると抵抗がふえるのか,
なぜちょっと触ると接触不良が戻るのかはうまい説明が思いつかない.
何とか復活してくれたのでついでにブレーキパッドの交換をすることにした.
パッドを外してピストンを押し出してシリコングリスを塗って汚れを取ってあげる.
ピストンをグリグリ回すツール.
このツールがあるとピストンを回せるので裏側の隠れたところまできれいにお掃除ができます.
硬くて手では押し戻せなかったピストンの作動も良くなってバッチリOK.
ブレーキレバーを握るとピストンが出てきて,放すとOリングの反力で元の位置に戻ってくれます.
う~ん,気持ちイイ.
片押しのピンスライド・キャリパーなのでスライドの軸にもグリスを塗りますが,雨の水で流れないように
シリコングリスを塗ってあげます.
信頼の信越シリコーン製です.
パッドも限界でした.
試乗しましたがエンジンもごく普通に始動してくれて快調になってくれました.
ヴェクスターも10年選手で9万キロ越え.
人間同様年を取るとあちこち厄介なトラブルが出てきます.
もう少しがんばってもらいます.
90817キロになったヴェクスターと戯れた日記でした.
ではまた
ふう~~
キーがONであろうとなかろうと一切電気が流れない症状のヴェクスター125の今回のトラブル.
バッテリーが生きているのに常時通電しているメットインスペースの照明が点かない現象から
イグニッションキーの接点不良やジェネレーター(発電機),レギュレートレクチファイヤの異常は考えにくい.
いや,それらにも異常があるのかもしれないが,その前にまずデバイスや素子がどうのこうのではない
不具合が潜んでいる事は間違いない.
症状を踏まえて配線図をもう一度追いかける.
夕刻,ガレージで一人頭を抱えて考える.
ふとガレージにガラス戸にほんのり光るヴェクスターのテールランプが目に入った.
ありゃりゃ,復活してるやん.
ブレーキを握るとブレーキランプが点灯する.
コレはと思いセルのボタンを押してみる.
一瞬カチッと言う音がしてマグネットスイッチが入るが,次の瞬間また電気が全て消える.
もう何をしても復活しない.
バッテリーの端子に接続したテスターの電圧を確認すると“0ボルト”を表示している.
“嘘でしょ?”
そう思いながらも,こんなに電圧がドロップしたらバッテリーが破裂してしまうかもと,ちょっと焦りました.
臭いや煙,発熱がないか確認するが至って普通にしているバッテリー.
さて困った.
ここまでが前回のお話.
ここからが後編のスタートです.
メットインスペースの照明ランプが点かない事からバッテリーそのものの不具合を疑う.
バッテリーの放電容量も十分あるのに電圧が0ボルトになるということは,中身は生きていて,端子に不具合が
あるという可能性が考えられる.
ひょっとして振動か何かで端子にクラックが入って・・・・何てことを考えながらバッテリーの端子を
マジマジと確認する.
お,ぐらついてるんと違うか?
端子を揺るって見るとぐらついているように見えた.
おおっ.
・・・・ん?
・・・・・ありゃ?
目の錯覚でした.46才,老眼が来てます.
でもそんな雰囲気の故障に思える.
しかし困まりました.
ウンともスンとも言わないので手がかりを見つける事ができません.
症状は
『一瞬マグネットスイッチが入る(音がする)けど,そのあとウンともスンともいわなくなる.』だけである.
バッテリーの端子を緩めてみようとした瞬間,端子にパチパチと青い小さな火花が見えた.
またキーをONにしたままにしていたようで,少しスパークしたようだった.
するとフロントカバー内でリレーの接点がONするかすかな音が聞こえた.
サイドスタンドが出ているとセルが回らなくするためのサイドスタンドリレーの音だった.
テールランプの明りがガラス窓に反射しているのが見えた.
おや,おや.
おや,おや,おや.
ちょっと希望の光が見えた.
セルボタンを押すと.やはりマグネットスイッチが一瞬入ってすぐに全部の電気が落ちてウンともスンとも言わなくなる.
不具合が再現した.
またバッテリー端子を少し緩めてみる.
端子でパチパチと火花が光り,電気が復活する.
『おおっ』
端子の接触状態が変ると電気系統が復活するようである.
セルボタンを押しとカチッというマグネットスイッチの音と共に電気が全部落ちる.
まさにこのトラブルの症状そのものが再現してくれている.
すぐに端子のネジを緩めて表面状態を確認する.
バッテリーの端子も配線の端子も汚い.
まだコレが不具合の原因かは確証がないが,ここの接触不良が原因になっていそうに思える.
バッテリーの端子はその構造上,鉛で出来ている(らしい).
鉛は腐食に強いですが,配線側の端子にはサビが見える事から鉄に(錫?)メッキが施した端子が
使われているように思われる.
一般的な圧着端子は銅に錫メッキだがバイクなどは振動で破損するためからか,そうなっているみたい.
それにしてもどちらの接触面が汚い.
端子のネジを観察するとこれまた不思議な事がおきている.
汚いのはマイナス側だけである.
プラス側はきれいなことから電気的な要因で表面が酸化してしまったようである.
ということで真鍮ブラシで端子を掃除してあげる.
腐食防止のためにグリスをたっぷり塗って端子を取り付けてあげる.
テスターでバッテリーの電圧を測定すると,それまで12.24ボルトだった電圧が12.32ボルトと若干改善されている.
念のためマイナス側のボディーアースポイントを見るが腐食は見られない.
念の為ここも磨いてからグリスを塗ってあげておいた.
早速キーをONして見る.
カチッとかすかなリレー音がしてテールランプが点灯する.
セルのボタンを押すと何事もなかったようにセルが回りエンジンが掛かった.
何回か繰り返すが異常は起きない.
バッテリー端子部,それもマイナス側での接触不良がこのトラブルの原因・・・.
なぜセルを回すなど大電流が流れると抵抗がふえるのか,
なぜちょっと触ると接触不良が戻るのかはうまい説明が思いつかない.
何とか復活してくれたのでついでにブレーキパッドの交換をすることにした.
パッドを外してピストンを押し出してシリコングリスを塗って汚れを取ってあげる.
ピストンをグリグリ回すツール.
このツールがあるとピストンを回せるので裏側の隠れたところまできれいにお掃除ができます.
硬くて手では押し戻せなかったピストンの作動も良くなってバッチリOK.
ブレーキレバーを握るとピストンが出てきて,放すとOリングの反力で元の位置に戻ってくれます.
う~ん,気持ちイイ.
片押しのピンスライド・キャリパーなのでスライドの軸にもグリスを塗りますが,雨の水で流れないように
シリコングリスを塗ってあげます.
信頼の信越シリコーン製です.
パッドも限界でした.
試乗しましたがエンジンもごく普通に始動してくれて快調になってくれました.
ヴェクスターも10年選手で9万キロ越え.
人間同様年を取るとあちこち厄介なトラブルが出てきます.
もう少しがんばってもらいます.
90817キロになったヴェクスターと戯れた日記でした.
ではまた
ふう~~