ゴールデンウイークに大阪から北海道に永住されたご夫婦が遊びに来てくれました.
その人達と出会ったのは2003年の夏,とら母と寅次郎とで北海道ツーリングに出かけたときのことでした.
当時,思いも寄らない故障で,とら母の刀が動かなくなり立ち往生していたときに声を掛けてくださったのが始まりでした.
そのときの事を思い出しながら当時の事を少し書きたいと思います.
2003年8月16日
北海道最北の町,稚内のノシャップ岬のライダーハウス『サガレン』を朝8時過ぎに出発した私たちは今日の目的地である釧路のライダーハウスを
目指し500Kmの道のりを走る予定でした.

この日,私たちの他,一緒にサガレンに泊まっていたサガレン仲間である“じじい”が途中まで一緒でした.

凜々しいときのじじい.(現在のじじいの様子はこちら)

単調ながらも美しい海岸線がひたすら続くオホーツクライン.

北海道の東岸,オホーツクを南下し昼1時,途中のサロマ湖で名物の『 北勝水産のホタテバーガー(左)』を食べたりしながら
順調に旅を楽しんでいました.
(右のはサーモンバーガー.これもなかなか美味しい)

アホなときのじじい.

さらにアホ顔のじじい.(嫁さん募集中)

北勝水産でじじいと分かれた私たちは,美幌峠を越えて釧路に向かうルートをとっていました.
美幌の町を過ぎて道は徐々に登り始め,まさにこれから美幌峠にさしかかろうという所でした.
時刻は午後3時を回ったところ.
この先のルートを確認したり綺麗な景色をカメラに納めたりしていました.

残る距離は130Kmほど.

まだ少し距離はありますが北海道の100kmは一時間半ほどで走れる距離.
全道が高速道路みたいなものなので,ちょっとしんどいですが何とかなると思っていました.

さあこれから美幌峠を越えようとしていたとき,それは起きました.
先に発進した私に,とら母から「バイクが前に進まない」と奇妙な無線が入りました.
「ギアはちゃんと入れたか?」とか当たり前のことを聞いたりしましたが,さすがのとら母もそれぐらいは分かっていたようで
クラッチが滑っているのかな? なんて想像しながら,とら母の元に戻ってきました.
私がカタナにまたがって発進させようとクラッチをつないだものの気持ちだけ前に進んでバイクはピクリともしません.
アレレ・・な状況.
よくよく見てみると原因はもっと複雑で唖然とする状況でした.
原因はスプロケットのスプラインがすべて摩耗して完全に無くなってしまっていて,エンジンの回転が伝わらず空回りしているという
あり得ないトラブルが起きていました.
穴の真ん中には本来空回りしないように凹凸があるのですがそれが全部なくなって“まんまる”になってしまっていました.
(現物はガレージに飾っています.見たい人は是非おこしください)

こんな何も無いところでは正に何も出来ないため,とりあえず町に引き返すことにしたのですが,当然普通では走れません.
数キロの距離ですが何ともならない状況でした.
そんなとき思いついたのが“牽引”でした.
付近の農家の人に頼んでロープを借してもらおうと,とら母と寅次郎を残してバイクを走らせました.
そうはいっても農家もなく,そんなとき温泉施設の駐車場にトラ柵用にロープが張ってあったのを発見.それをしばし拝借して
それでなんとか町まで戻って来ることができました.

ロープはその後すぐにお返ししました.(これを書いとかないとまた『店長さんはロープ泥棒をしてないですよね』とか心ない
書き込みをする輩が現れそうなのでね)

なんとか美幌の町まで戻って来れた私たちは,ライダーハウスで待つツーリング仲間に連絡し今年は行けないと伝えたら,そのライダーハウスの
オーナーさんが親切にもハイエースで迎えに来てくれることになました.
取りあえずの安堵と,そして旅先での先が見えない不安が交錯するひとときでした.
2時間ほど掛かりそうなのでその場でボ~っとしなががら,この先の事を考えながら待つことにしました.
そんなとき,ある夫婦から声を掛けられました.
「 ***(民宿の名前)で見た写真の人じゃあないですか? 」
私がまだ独身のとき,中標津のガソリンスタンドで野宿させてもらおうと店の人に頼んでいたところ,そこに偶然居合わせた
民宿のオーナーさんが,見るに見かねて宿代も取らずに泊めてくれました.
大阪に戻って何かお礼にと思い,民宿の前で撮った写真を引き延ばしてパネルにしたものを贈ったのがその写真でした.
宿のオーナーも大阪出身のライダーで北海道に魅了し民宿を始めたと言っていました.
仲良くなってその後も北海道に行くたびに今度ちゃんと宿代を払って遊びに行ったりしました.
声を掛けてきたその夫婦もまたその民宿のオーナーと友達だったそうで,犬を連れて走っている私たちの事を聞いていたようでした.
偶然が重なって出会ったそのご夫婦.これもまた寅次郎がもたらしたご縁というわけです.
(写真:2003年8月16日)

待ち時間の間,近所のお知り合いの家に招いてくれて夕食までごちそうしてくれたりと本当にうれしい出来事でした.
前置きが長くなってしまいましたがお二人との出会いはそんな状況でした.
お二人とも出身は大阪.
北海道に魅了され美幌に移住され暮らしています.
その出会いをきっかけに北海道に行った時にはお邪魔するようになりました.
(写真:2009年夏)

数年前まで“くまちゃん”という犬がいて,年に一回会えるかどうかなのに寅次郎はそのくまちゃんが大好きでした.
(写真:2009年夏)

そのご夫婦がこのゴールデンウイークに帰省されることになり,新しく家族になった愛犬を連れて遊びにきてくれました.
名前は“エルちゃん”シュッとした顔立ちの美人顔です.

娘が生まれて北海道ともご無沙汰なので4年ぶりの再会.娘とも初顔合わせになります.

今回,新日本海フェリーで帰省されたのですが,これまで犬は狭いペットルームから出すことができず窮屈な思いをさせていたのですが
苫小牧-敦賀航路の新造船「すいせん」には犬が遊べるスペースが出来たというので,それに乗ってこられました.
詳しくは“エルパパ”のブログのこちらで
エルパパのブログ: PicturesTopix2015

旅の話や最近の話,この年齢にありがちな『 自分が思っているほど動けなくなってきている現実に憂慮していること 』なんて話を
しながら短い時間でしたが楽しいひとときを過ごしました.
今年夏に行けたら車で北海道に行こうかと思っています.
そのときは娘共々宜しくお願いいたします.

かなり長い話になりましたが,旅先で出会った人との思い出を少し書かせて頂きました.
ではまた
その人達と出会ったのは2003年の夏,とら母と寅次郎とで北海道ツーリングに出かけたときのことでした.
当時,思いも寄らない故障で,とら母の刀が動かなくなり立ち往生していたときに声を掛けてくださったのが始まりでした.
そのときの事を思い出しながら当時の事を少し書きたいと思います.
2003年8月16日
北海道最北の町,稚内のノシャップ岬のライダーハウス『サガレン』を朝8時過ぎに出発した私たちは今日の目的地である釧路のライダーハウスを
目指し500Kmの道のりを走る予定でした.

この日,私たちの他,一緒にサガレンに泊まっていたサガレン仲間である“じじい”が途中まで一緒でした.

凜々しいときのじじい.(現在のじじいの様子はこちら)

単調ながらも美しい海岸線がひたすら続くオホーツクライン.

北海道の東岸,オホーツクを南下し昼1時,途中のサロマ湖で名物の『 北勝水産のホタテバーガー(左)』を食べたりしながら
順調に旅を楽しんでいました.
(右のはサーモンバーガー.これもなかなか美味しい)

アホなときのじじい.

さらにアホ顔のじじい.(嫁さん募集中)

北勝水産でじじいと分かれた私たちは,美幌峠を越えて釧路に向かうルートをとっていました.
美幌の町を過ぎて道は徐々に登り始め,まさにこれから美幌峠にさしかかろうという所でした.
時刻は午後3時を回ったところ.
この先のルートを確認したり綺麗な景色をカメラに納めたりしていました.

残る距離は130Kmほど.

まだ少し距離はありますが北海道の100kmは一時間半ほどで走れる距離.
全道が高速道路みたいなものなので,ちょっとしんどいですが何とかなると思っていました.

さあこれから美幌峠を越えようとしていたとき,それは起きました.
先に発進した私に,とら母から「バイクが前に進まない」と奇妙な無線が入りました.
「ギアはちゃんと入れたか?」とか当たり前のことを聞いたりしましたが,さすがのとら母もそれぐらいは分かっていたようで
クラッチが滑っているのかな? なんて想像しながら,とら母の元に戻ってきました.
私がカタナにまたがって発進させようとクラッチをつないだものの気持ちだけ前に進んでバイクはピクリともしません.
アレレ・・な状況.
よくよく見てみると原因はもっと複雑で唖然とする状況でした.
原因はスプロケットのスプラインがすべて摩耗して完全に無くなってしまっていて,エンジンの回転が伝わらず空回りしているという
あり得ないトラブルが起きていました.
穴の真ん中には本来空回りしないように凹凸があるのですがそれが全部なくなって“まんまる”になってしまっていました.
(現物はガレージに飾っています.見たい人は是非おこしください)

こんな何も無いところでは正に何も出来ないため,とりあえず町に引き返すことにしたのですが,当然普通では走れません.
数キロの距離ですが何ともならない状況でした.
そんなとき思いついたのが“牽引”でした.
付近の農家の人に頼んでロープを借してもらおうと,とら母と寅次郎を残してバイクを走らせました.
そうはいっても農家もなく,そんなとき温泉施設の駐車場にトラ柵用にロープが張ってあったのを発見.それをしばし拝借して
それでなんとか町まで戻って来ることができました.

ロープはその後すぐにお返ししました.(これを書いとかないとまた『店長さんはロープ泥棒をしてないですよね』とか心ない
書き込みをする輩が現れそうなのでね)

なんとか美幌の町まで戻って来れた私たちは,ライダーハウスで待つツーリング仲間に連絡し今年は行けないと伝えたら,そのライダーハウスの
オーナーさんが親切にもハイエースで迎えに来てくれることになました.
取りあえずの安堵と,そして旅先での先が見えない不安が交錯するひとときでした.
2時間ほど掛かりそうなのでその場でボ~っとしなががら,この先の事を考えながら待つことにしました.
そんなとき,ある夫婦から声を掛けられました.
「 ***(民宿の名前)で見た写真の人じゃあないですか? 」
私がまだ独身のとき,中標津のガソリンスタンドで野宿させてもらおうと店の人に頼んでいたところ,そこに偶然居合わせた
民宿のオーナーさんが,見るに見かねて宿代も取らずに泊めてくれました.
大阪に戻って何かお礼にと思い,民宿の前で撮った写真を引き延ばしてパネルにしたものを贈ったのがその写真でした.
宿のオーナーも大阪出身のライダーで北海道に魅了し民宿を始めたと言っていました.
仲良くなってその後も北海道に行くたびに今度ちゃんと宿代を払って遊びに行ったりしました.
声を掛けてきたその夫婦もまたその民宿のオーナーと友達だったそうで,犬を連れて走っている私たちの事を聞いていたようでした.
偶然が重なって出会ったそのご夫婦.これもまた寅次郎がもたらしたご縁というわけです.
(写真:2003年8月16日)

待ち時間の間,近所のお知り合いの家に招いてくれて夕食までごちそうしてくれたりと本当にうれしい出来事でした.
前置きが長くなってしまいましたがお二人との出会いはそんな状況でした.
お二人とも出身は大阪.
北海道に魅了され美幌に移住され暮らしています.
その出会いをきっかけに北海道に行った時にはお邪魔するようになりました.
(写真:2009年夏)

数年前まで“くまちゃん”という犬がいて,年に一回会えるかどうかなのに寅次郎はそのくまちゃんが大好きでした.
(写真:2009年夏)

そのご夫婦がこのゴールデンウイークに帰省されることになり,新しく家族になった愛犬を連れて遊びにきてくれました.
名前は“エルちゃん”シュッとした顔立ちの美人顔です.

娘が生まれて北海道ともご無沙汰なので4年ぶりの再会.娘とも初顔合わせになります.

今回,新日本海フェリーで帰省されたのですが,これまで犬は狭いペットルームから出すことができず窮屈な思いをさせていたのですが
苫小牧-敦賀航路の新造船「すいせん」には犬が遊べるスペースが出来たというので,それに乗ってこられました.
詳しくは“エルパパ”のブログのこちらで
エルパパのブログ: PicturesTopix2015

旅の話や最近の話,この年齢にありがちな『 自分が思っているほど動けなくなってきている現実に憂慮していること 』なんて話を
しながら短い時間でしたが楽しいひとときを過ごしました.
今年夏に行けたら車で北海道に行こうかと思っています.
そのときは娘共々宜しくお願いいたします.

かなり長い話になりましたが,旅先で出会った人との思い出を少し書かせて頂きました.
ではまた