オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

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ヴェクスター125のリフレッシュ 一般整備と外装リフレッシュ(白化した樹脂の塗装) 

2021-07-29 02:08:53 | ヴェクスター125

見た目も随分くたびれてきたヴェクスター125。

15万キロを超えたのを機に少し見た目も改善してあげようと前回はシートの張り替えをした話を書きましたが、今回はその続きになります。

 

未塗装の樹脂製部品って紫外線や熱、風雨による劣化で白っぽくなってしまいます。

白化を防ぐために如何にコストを掛けるか。メーカーの品質設計が伺える一面だったりします。

ヴェクスターの後に出たアドレスV125なんかは、何処で生産したの?って思うほどその真っ白ケッケでひどいなと思ったりしました。

 

 

 

 

 

先ずはオイルやプラグ、駆動系のベルトやウエイトローラーの交換など基本的な整備から。

プラグキャップの接点部分がちびって緩々になるのもよくある話。プラグ交換と併せて接点部分を補修しておいたものと交換。

 

 

 

 

恐らく5万キロくらい交換していなかったプラグ。

中心電極が丸まってます。

意外と普通に走ってくれるので交換をさぼってましたが、次からはベルト交換のタイミングで交換していこうかと反省。

 

 

 

駆動系のメインテナンス。

ウエイトローラーを見たら芯の真鍮まで削れてました。ここまでチビッたのは初めて。

これでも調子良く変速してくれてたのでちょっとびっくり。

 

 

 

プーリーはKN企画のハイスピードプーリーをずっと使ってますが、割と問題なく使えてます。

ウエイトローラーは超軽量の6グラム。

軽量ウエイトローラーって薄っぺらいのでプーリーの溝へのアタックもきつく、赤い矢印部分の摩耗が激しいです。

今回はフェイスの段付き摩耗もなく再使用しました。

 

 

 

 

 

前回ベルトを交換したのが2019年2月

約15000キロの使用で0.7mmほど摩耗していました。2万キロくらいはもちそうな気がします。

これもKN企画の強化ベルトで一応国産のベルト。値段は3000円と純正の半値ほど。

 

 

 

 

 

 

純正はもっと持ちが良いですが、それとていつかは交換が必要。

長い間交換せずに走っていても寿命後半は切れないか不安になるので、自分で交換する人ならこれでもいいかと思います。

 

 

 

 

次はくたびれた外装のリフレッシュ。

 

 

 

 

シートカウル? それともテールカウルとでも言うのでしょうか。

転倒などで傷や割れが多かったので部品取り車から剥ぎ取ったものと交換。

でも割れているところがあるので修理が必要。

 

 

 

 

ABS樹脂なので溶着して修理。

先ずは裏側から点付けでそれから、本溶着。

でもなぜか上手く付かず、ポロっと取れてしまう。

時々こんな感じで付きが悪いABS樹脂に出会います。理由を知っている人がいたら是非教えてください。

 

 

 

 

プラリペアって付くときは付くんですが、これもABS樹脂だからって全て付くってわけでもなく、上手く付かないものに出会うときがあります。

裏側は開先をできるだけ大きく取って接着面積を広げてプラリペアで修理しました。

 

 

 

 

こちらが表側。

溶着で付かないものに限ってプラリペアが付くってのもあって不思議です。

 

 

 

白化した樹脂パーツの修復方法についてですが、クレポリメイトやアーマオールといった保護艶出し剤や似たような成分で安価なシリコンスプレーで代用するという

ベタな方法から、火で焙るって表面をダレさす(溶かす)ってのも割と有名なんですが、これが通用するのもある程度まで。

樹脂が劣化して表面がざらついてきたやつって火で焙っても効果はイマイチ。艶が出ないと焙ってると火が付くだけで終わってしまいます。

ヴェクスターもそうですが、あまりに長期間使っていたものって、素材の劣化が進み、もはや炭化してるに近い感じになってしまっています。

炭化するともうその先の化学変化はなくて半ば「炭」状態。

土に埋めても生分解しないバーベキューの炭と同じです。(なので河原とかでバーベキューやった後、土に還るだろって炭を埋めて帰っちゃだめですよ。)

 

で、塗装することにしました。

Youtube見てたら樹脂が復元するってやってので、それを買ってみました。

P.P. MATE(PPメイト) アストロプロダクツで1870円。割と高い塗料です。

 

 

 

 

ウインカーや尾灯がある部分です。

フィンが破損していたので部品取り車のものと交換したのですが、これも白化してます。

洗剤で洗ったあとシリコンオフで脱脂。

 

 

 

 

プライマー不要で、黒色の未塗装樹脂パーツが自然な感じに仕上がります。

 

 

 

 

取り付け部分が欠けているのに後から気づきました。

このまま使えそうでしたが、せっかくなので修理してあげることにしました。

 

 

 

 

使わなくなった方から欠けた部分を切り取って移植する方法です。

 

 

 

 

このABS樹脂はよく付きました。

 

 

 

 

ベルトグラインダーで整形。

 

 

 

 

ハンドル周りの部品の塗装前後の比較。

 

 

 

 

割と自然な仕上がり。

普段目に付くところだけに、塗り直し効果は大きいです。

ですがその後、裏側のメーター取り付け部に欠損があることが分かり使用中止。

 

 

 

元付いていたやつを別の缶スプレーで塗りなおしたのがこちら。詳細は後述。

艶が少しあって黒さが際立っています。

 

 

 

で、その缶スプレーの話。

ステップやメーター周りの樹脂を塗ったらPPメイトが無くなったので、今度は普通の艶消し黒を塗ってみることにしました。

 

 

 

 

ビバホームで買ってきた「カラースプレープレミアム」という缶スプレー。

"プレミアム"って名前が付くくらいなので普通のよりも良いのでしょう?ってくらいのノリで買ってみました。

メーカー(ニッペ)の説明には「【特長】シリコン配合により、耐候性・耐久性に優れたプロ仕様の塗料です。」って書いてあるのですが

この「シリコン」っていったい何者なんですか?

 

 

 

 

知り合いに頂いたミッチャクロンが何本もあるので下塗りに吹いておきました。

PPメイトより少し艶っぽいですが、それでもそんなに違和感はなく、ミッチャクロンがある身としては、これでもええやんって感じです。

 

 

 

 

経時劣化の比較。

左が自分のヴェクスターのモノ。割れているので交換。

右がオークションで見つけた小奇麗なモノ。コーションラベルが奇麗だったので買ってみました。

どんだけ白くなるんやって分かるかと思います。

 

 

 

細かな話ですが錆付いたクリップナットとネジ類も新品と交換しました。

クリップナットは純正品を買った後、社外品を見つけたのでそちらで揃えました。ヴェクスターはこの三種類でほぼいけると思います。

 

 

 

 

純正のネジは鉄にメッキで、錆びると錆び汁が糸を引いて見すぼらしくなるのでステンレスに換えました。

ただ磁石につかないので整備する際にドライバーにくっ付かず不便に感じます。

裏側の部品のネジもステンレスに換えました。

普段見えないところですが、ふと整備しようと見たときにそれがきれいだとやる気が全然違ってきます。

 

 

長くなったので、続きはまた今度書きます。

では