温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

川渡温泉 旅館中鉢温泉

2010年12月09日 | 宮城県
 
川渡と東鳴子の中間に位置する温泉旅館で、他の温泉施設とは独立していますが、一応川渡温泉に組み込まれているようです。国道47号沿いに立地し、看板も出ているので、とてもわかりやすい。新築された農家のお屋敷みたいな佇まい。

 
玄関までのアプローチには小さなお湯のせせらぎが流れています。新しい和風建築で、どこも明るく清潔。作務衣を着た宿の方が対応してくださいました。

 
脱衣所も木材を多用した落ち着いた雰囲気。広いので着替えにストレスを感じずに済みました。

 
浴室は右手にシャワー付混合栓が5つ並び、左側が湯船。民宿っぽい外観から受ける想像を裏切る立派な造りです。
内湯の浴槽は白基調でワイン色を帯びた石板が貼られたもので、お湯が静かにかけ流されています。コーヒーのような濃い琥珀色で透明なお湯ですが、色が濃くて底が見えないほど。重曹味+微甘味+ほろ苦さ、はっきりとしたモール臭が香ってきます。ツルツルスベスベ良い浴感。何度も肌をさすりたくなっちゃいます。直径1mmにも満たない小さな濃いグレーの湯の華がたくさん浮遊しています。

 
こちらは露天。四阿に覆われた石造りの浴槽です。同じ内湯と源泉を使っていますが、外気による冷却の影響か湯の華が多く、底にたくさん沈殿していました。湯口にもびっしり沈殿・堆積してグレーに染めています(指でさすると剥がれます)。また内湯では少なかった泡付きも露天では薄っすらながら確認できました。

重曹効果で湯上りもスベスベで爽快。分析表には純重曹泉と書かれていますが、純重曹泉って有りそうで意外と出会えないんですよね。貴重な存在です。

こちらに近い泉質のお湯としては、他に近所の馬場温泉が挙げられるかと思います。鶯色で硫黄感が明瞭な川渡と、強い油臭でファンを虜にする東鳴子という、押しの強い個性的な温泉地に挟まれながら、とても優しく穏やかなお湯を湧出し続けている、立派な温泉だと思います。使い勝手も良く綺麗で手入れが行き届いているので、女性にもおすすめ。


石割の梅源泉
ナトリウム-炭酸水素塩泉 50.3℃ pH7.1 62.8L/min(掘削自噴) 溶存物質1130.4mg/kg 成分総計1265.4mg/kg 

JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅より徒歩25分(2.0km)(川渡温泉駅から3.0km)
宮城県大崎市鳴子温泉字要害38-5   地図
0229-84-7951

10:00~21:00
400円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
鳴子湯めぐりチケット適用外

私の好み:★★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

川渡温泉 隆陽館

2010年12月09日 | 宮城県
※残念ながら2014年3月を以て閉館しました。


川渡温泉の中心に位置する温泉旅館。きっと昭和40年代頃はおしゃれだったんだろうなと思わせる外観。日帰り入浴をお願いすると、女将さんが出迎えて快く受け入れてくださいました。

 
熊の湯と称されるお風呂は貸切風呂が2室あって、そのうち1室を1人で独占させていただくことに。ドアに「入浴中」(裏は「あき」)の札を提げます。浴室手前の洗面台の水栓は黒く変色していました。硫黄で硫化しちゃったのかしら。

 
貸切って使うお風呂なので、浴室も浴槽も小さいものです。カランは無く、ケロリン桶が2つあるだけ。浴槽は単に小さくしているのではなく、これにはちゃんとした温泉哲学とも言うべき宿側の姿勢を反映したもので、要するに源泉を掛け流しで加温加水せずにそのまま浴用に供するには、源泉温度や湧出量から考えるとこれ位がちょうど良いという判断なのであります。女将さん曰く、もし熱ければ1分程水で薄めてください、それ以上薄めるとお湯が薄くなっちゃいます、とのこと。変な虚飾で誤魔化さず、シンプルな設備で温泉のありのままの姿をお客さんに感じ取ってほしいという、このお宿の姿勢は立派だと思います。


お湯はバスクリンを溶かしたような鮮やかな鶯色で弱く濁っています。透明度は60cmほどでしょうか。お湯の中で対流が発生し、たくさんの湯の花がゆらゆら動いています。硫黄臭と焦げたような臭いにアブラ臭、硫黄味+苦味+重曹味+甘味。重曹のおかげでツルツルスベスベ感が強く、とっても気持ちよい浴感。小さな綿状の黄色を帯びた白色の湯の華が無数に舞い、たまに灰色の塊も混じっています。
湯船に体を沈めると一気に浴槽からお湯が溢れ出し、排水が追いつかずに洗い場が洪水状態になるほどです。無論人が入らない時でもオーバーフローしており、洗い場のオーバーフロー流路は黄色く染まっていました。湯上りは重曹のクレンジング効果でさっぱり爽快、ホコホコ湯冷めもしません。

退出する際も、わざわざ女将が見送ってくださいました。たかが数百円の一人客なのにご丁寧な対応を受け、恐縮してしまいます。素晴らしいお湯にあたたかな接客、ありがとうございました。

川渡は基本的に鶯色で硫黄感の強いお湯が多いのですが、一見すると皆同じかと思いきや、いざ湯浴みするとそれぞれ個性が際立ち、けっして一様でないことがよくわかるので、湯巡りするには本当に楽しいところです。


川渡支所前源泉
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉 52.6℃ pH7.6 107.7L/min(掘削自噴) 溶存物質1128.3mg/kg 成分総計1155.8mg/kg

JR陸羽東線・川渡温泉駅より徒歩20分(1.8km)
宮城県大崎市鳴子温泉川渡117  地図
0229-84-7207
川渡温泉旅館組合ホームページ

※2014年3月を以て閉館。
10:00~20:00
500円
ボディーソープあり(他の備品はなし)
鳴子湯めぐりチケット適用外

私の好み:★★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする