温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

鳴子温泉 東多賀の湯

2010年12月15日 | 宮城県
鳴子の名湯のひとつ。宿泊の予約がなかなか取れなかったので、日帰り入浴で2度ほどお世話になっています。私のような文才の欠片も無い人間が余計なことを書くことによって、かえってこの温泉の素晴らしさが伝わらなくなる恐れが多分にあるので、ここでは少しの写真やそのキャプションとともに「あぁ良かった」という感想を付け加えるだけにとどめておきたいと思います。詳しい情報は他のサイトをご覧ください。多くの温泉ファンが絶賛していらっしゃいますので、そちらをご覧になった方がよろしいかと…。

 
駅の裏の階段を下りきって右手(左は西多賀)。スーパーすぐ隣なので、いろいろと便利。国道沿いに看板も立っているのでわかり易い。皮膚病の湯治目的に来るお客さんが多いようですが、宿泊棟は湯治宿らしからぬ小奇麗な建物。

 
1階廊下突き当たりにある湯屋は、母屋とつながっているものの別棟で木造。昔ながらのこじんまりとした浴室は羽目板貼り(屋根などはトタンでカバーされています)。もちろん浴槽も木製でスノコ敷き。オーバーフローの排水と硫化水素の換気を兼ねてか、壁下部には丸い穴がいくつもあけられています。
綺麗な乳白色に濁るお湯。キシキシした浴感。石膏甘味+粉っぽい味+苦味、脱衣所まで届く強い硫黄臭。熱からずぬるからず丁度良い絶妙な湯加減で、肌への当たりも実に優しく、いつまでも長湯していたくなります。入浴中は本当に夢見心地でした。


ケロリン桶には温泉成分が析出して白くコーティングされています。こういうグッズって温泉ファンにはたまりませんね。


カランは無く、掛け湯専用の樋からドボドボとお湯が注がれるのみです。ペットボトルを持参してお湯を汲むお客さんもいらっしゃいました。浴室に向かう廊下の途中には空のペットボトルも用意されていました。

鳴子の他の宿が比較的空いている時でも、こちらは宿泊・日帰りともにお客さんがいつも多く、それだけ評判が高いことがわかります。それも一度入浴すれば誰しもが納得することでしょう。
あぁ良かった。


東多賀の湯 1号泉
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉 45.0℃ pH5.4 溶存物質1215.8mg/kg


宮城県大崎市鳴子温泉字新屋敷160  地図
0229-83-3133
ホームページ

日帰り入浴11:00~14:00
500円
鳴子湯めぐりチケット2枚
シャンプーあり

私の好み:★★★
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北原尾温泉 孝の湯

2010年12月15日 | 宮城県
※現在休業中です(2012年5月22日、当ページ下部に加筆)

 
国道457号線沿い、蔵王町と白石市の境界近くにある1軒だけの温泉入浴施設。周辺は高原の開拓農地で広大な畑や家畜舎、山林と僅かに点在する農家しかありません。温泉とは無縁の土地のように思われますが、エリア的には遠刈田温泉に含まれるようです。屋根に大きく「孝の湯温泉」と書かれており、しかも周囲には他に建造物が殆ど無いので、国道を走っていたら否が応でも見つけられるはず。

簡素な造りながら破風っぽい玄関を有する湯屋と、その隣に「お休処」と書かれていながら実質的には温泉管理者の待機室になっているプレハブ小屋が建っており、料金はそのプレハブ小屋で支払います。愛想の良い奥さんが対応してくださいました(「お休処」の内部は雑然としていて、とても休めるような状況ではありませんでした)。小屋の裏には貯湯タンクが設置されています。


いかにも地域の共同浴場といった趣の質素な湯屋で、必要最低限のものしか用意されていません。タオルや石鹸などは持参しましょう。


浴室にはシャワー付混合栓(カラン)が2ヵ所あり、ブーメランのような形をした浴槽はコンクリート造で縁は木製、浴槽周りの内壁も羽目板を並べて貼っています。湯口からはちょっと熱めの源泉が掛け流し。やや黄色みを帯びているがほぼ無色で透明、石膏味+土気味+弱芒硝味、石膏臭+芒硝臭+弱土気臭。分析表には「硫化水素臭」と書かれていましたが、それは(この時は)感じられませんでした。

綿埃に似た浮遊物(湯の華)が沢山お湯の中でフワフワしていました。いかにも硫酸塩泉っぽいキシキシとした浴感。上州の水上や湯宿ほどではありませんが、硫酸塩泉の特徴がしっかり出ているお湯です。シンプルな造りながら、加温加水循環消毒など一切していない源泉そのままの状態を味わえる素朴な浴場です。


カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 53.2℃ pH8.2 溶存物質1301.4mg/kg


宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉北原尾1-563  地図
0224-34-1119

平日・土曜・祝日9:00~18:00、日曜7:30~18:00(17:30で受付終了。お客さんがいなければ17:30で閉めることもあるようです)
300円
備品類なし

私の好み:★★


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【2012年5月中旬の様子】

「北原尾温泉 孝の湯」は2010年の後半(10月以降?)に残念ながら休業となってしまったそうなのですが、その後の状況はどうなっているのか、たまたま現地の前を通りかかったので、簡単に様子をうかがってきました。

 
パッと見は営業していそうな感じですが、戸は閉ざされており、営業案内のプレートには一部に目隠しテープが貼られ、受付小屋の窓もブラインドが下ろされて中が見えないようになっていました。でもなぜか格子が嵌められている窓は開いており、男湯の脱衣室が覗ける状態でした(不気味なので覗きませんでしたけど)。長い間この状態のままでしょうから、室内は荒れているものと思われます。



女湯側の外壁は崩れており、ブルーシートで塞がれているものの、直下には破片が散乱していました。おそらく1年半近くこの状態で放置されているのでしょうね。このまま廃墟になってしまうんでしょうか。
コメント (1)
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