温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

鳴子温泉 西多賀旅館

2010年12月16日 | 宮城県

前回は「東多賀の湯」を取り上げたので、今回は隣接する「西多賀旅館」です。
国道沿い、駅裏の階段を下りきった左側(右は東多賀の湯)。和室9室に広間1室という民宿を一回り大きくさせたような規模。

 
浴室は玄関を上がって廊下をまっすぐ進んだ右側にあります。中庭を挟んで女湯はその手前で、男湯はその奥。廊下の突き当たりには洗濯機など自炊や湯治(長期宿泊)もできる宿らしい設備が目に入りました。廊下の途中で中庭に目を遣ると、東北地方ではお馴染の「湯殿山」の碑が井戸端に据えられていました。


脱衣所は至って簡素。奥行の浅い本棚みたいな脱衣棚と洗面台しかありません。浴室も2人サイズのシンプルな浴槽とそのお湯を薄める水の蛇口以外には何もないといっても過言ではないほどサッパリしています。余計な設備や飾りっけが無く、まるで古いタイプの共同浴場のようです。こうしたシンプルな造りのお風呂は大抵お湯が良い例が多く、こちらもその例に漏れません。


お湯は白っぽい鶯色に濁っており、入浴剤を溶かしたかのような綺麗な濁り方をしています。硫黄味と口腔内に残る強い苦み、強い硫化水素臭とアブラ臭が感じられ、特に口に含むとアブラっぽい風味が口いっぱいに広がります。溶き卵のような白い細かい湯の花が沢山浮遊。浴槽の縁は析出で白っぽくコーティングされており、お湯の濃さを物語ってくれていました。濃いお湯ながら、重曹的なつるつるすべすべ浴感が実に心地よい。加温も加水も無いそうですが絶妙な湯加減で、つい長湯したくなるほど。
なおお湯の色は日によって変わるんだそうです。いろんな状態のお湯を堪能してみたいものです。
浴槽の湯面近くにいくつか丸い通気口が開いていますが、おそらく硫化水素ガスを逃がすためのものでしょう。

お隣の「東多賀の湯」と並んで多賀を名乗っていますが、東と西じゃ全然違うお湯が湧いているので、鳴子湯めぐりにおいて東か西かの片方だけ入って満足しちゃダメだと思います。両方甲乙つけ難い素晴らしいお湯。狭い範囲で異なる泉質のお湯が楽しめるって、鳴子は本当に面白い温泉郷ですね。


西多賀の湯1号
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉 50.1℃ pH6.4 溶存物質2748.8mg/kg

JR陸羽東線・鳴子温泉駅より徒歩6~7分(580m)
宮城県大崎市鳴子温泉新屋敷78-3  地図
0229-83-2117
ホームページ

日帰り入浴10:00~18:00
500円 鳴子湯めぐりチケット2枚

私の好み:★★★
コメント
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