温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

吉岡温泉 そぞろ歩き

2011年02月15日 | 鳥取県

吉岡温泉では吉岡温泉館(上湯)で入浴したものの、時間の関係で他では湯浴みすることが出来ませんでした。そのかわり、鳥取駅へ戻るバスを待つ間に散策して見つけた温泉に関係するものをいくつか取り上げてみます。


・株湯  地図
 
温泉街の上湯と薬師跡の間に位置するモニュメント。こんな感じでお湯が噴き上げています。小さくて周囲がビショビショなので、足湯には向かないかも。株湯というからには、元々ここが温泉の中心だったのでしょうね。お湯を手にとって、肌にさすってみたり口に含んでみたりしましたが、上湯で入浴したときよりもお湯の質感がよかった(鮮度を感じた)ように思います。


・足湯「やすらぎ湯」  地図
 
道が二又に分かれる間の小さなスペースに設けられた可愛らしい足湯。目の前に建つ旅館の女将がお手入れしていました。


辺りはなかなか趣のある佇まいです。


・下湯

吉岡温泉にあるもう一軒の共同浴場。こちらは午後からの営業です。午前中に当地を訪問した私は、お昼前に鳥取駅へ戻りたかったので、残念ながらこのときは入浴を断念しました。
 鳥取県鳥取市吉岡温泉町142-1  地図
 0857-57-0800
 13:00~22:00 無休 200円     


・温泉循環システム  地図
 
温泉街からバス停へ戻ろうと小さな路地を歩いていたとき、たまたま見つけた施設です。柵に囲まれた敷地の中にはタンクと管理小屋が建てられ、その片隅には「温泉循環システム完成記念」と彫られた石碑がありました。
吉岡温泉では源泉の集中管理が行われていたんですね。鄙びた温泉地だから大規模なシステムなんて無いだろうと侮っていた私、大いに反省しました。なお竣工は平成11年。ということはシステムが稼働してもう10年は経っているわけです。



(↑画像クリックで拡大)
管理小屋前に立てられた看板によれば、当温泉には源泉が3つあり、それらから湧出する温泉をひとつのタンクに集めた上で、2つの系統に分けて旅館・共同浴場・住宅などに分配し、そこで使われなかったお湯は再びタンクへ戻ってくる仕組みになっているそうです。分配系統は2つあるものの、タンクは1つなので、どこで入っても同じお湯になるはずですが、それぞれにおける湯使いの違いのよって、泉質に微妙な差異がもたらされるんでしょう。上湯より株湯の方がお湯の質感が良かったのも、施設内で循環しているかしていないかの違いによるものかと思われます。都合130軒の住宅に配湯されているなんて、当地の住民が羨ましいです。
一応参考のため、各源泉や分配状況に関するデータを、看板からこちらへ書き写しておきます。

・3つの源泉
 宮町源泉:温度48.0℃ 湧出量167L/min 
 妙見口源泉:温度55.2℃ 湧出量348L/min
 株湯源泉:温度50.7℃ 湧出量341L/min
・貯湯槽:200立米
・1地区配湯管:平均管口径66mm、配管長3170m、供給量800L/min(循環ポンプ15kW)
・2地区配湯管:平均管口径90mm、配管長2380m、供給量900L/min(循環ポンプ15kW)
・配湯先:旅館:21軒(おそらく1軒で2系統使っている宿もあるはず。このためダブってカウントされているのでは)、住宅:130軒、共同浴場2軒

源泉の集中管理は各地で採用されているので珍しいものではなく、個性ある各源泉がすべて混合されて没個性になってしまう上に鮮度が落ちてしまうことから、温泉ファンの間ではその評価がわかれるところですが、限られた資源を有効に活用するためには、こうした手段を採るのもやむを得ないのかなと思います。

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吉岡温泉 吉岡温泉館(上湯)

2011年02月15日 | 鳥取県

鳥取の市街地からバスで約30分のところにある吉岡温泉。開湯は1000年以上も前に遡れる歴史ある温泉地ですが、いまではすっかり鄙びてしまい、数軒の旅館が一本の道沿いに静かに並んでいるだけです。私の訪問時も人影が少なく、この温泉地は人々からすっかり忘れ去られてしまったのではないかと、聊か心配したくなるほど寂しい空気に包まれていました。
そんな温泉郷ですが、外湯が2軒存在しており、このうち午前中から営業している吉岡温泉館に行ってみました。この吉岡温泉館は上湯とも呼ばれており、これに対する下湯は午後からの営業です。

 
外観は趣のある外湯かと思いきや、内部は典型的な昭和40~59年代のお役所建築で、狭い上にかなり味気なく、学校や保健所を連想させる内装です。殊に浴室の入口周りなんて、扉の造りといい室名の札といい、もう学校の教室そのものですよ。


男女別の浴室には窓際に浴槽がひとつ、反対側に押しバネ式カランが3基と混合栓式シャワーが2基設置されています。浴槽は相撲の行司が持つ軍配を半分にしたような形状をしており、3~4人サイズといったところで、そのタイルは目が覚めるような鮮やかで強いコバルトブルーです。

お湯は無色澄明、微かに芒硝の味や匂いが感じられましたが、これは泉質が単純温泉ながら芒硝型を示しているからでしょう(ナトリウムイオンが85.59ミリバル%、硫酸イオンが35.55ミリバル%)。
湯温はやや熱め。芒硝のためかやや引っかかりのある硬めのお湯でした。


岩のオブジェの湯口から温泉が投入されているのですが、量は少なめで、この湯口の他にも浴槽中央の底からお湯が供給されていました。人が入るとザバーっとオーバーフローするものの、そうではない時は浴槽の縁ギリギリの水位を保って溢れ出る事が無かったので、源泉を常時投入しながらも循環させているのかと思われます(浴槽内には吸引口らしき穴も確認できました)。
お湯の毛色としては福島県の飯坂温泉に似ているような気もしますが、飯坂よりはお湯に精彩さが欠けているように思われました。なぜなんだろう…。このお風呂に入っているときは気づかなかったのですは、湯上りに温泉街を逍遥していると、この吉岡温泉の湯使いにちょっとしたカラクリがあることに気づきました。それについては、また改めてご紹介します。


新設集湯槽
単純温泉 50.5℃ pH7.9 300L/min(使用量) 溶存物質0.531g/kg 成分総計0.538g/kg

鳥取駅バスターミナル6番のりばから日の丸バスの吉岡線(吉岡行または矢矯(ヤハズ)行)で30分弱(湖山経由は約45分)、吉岡中央または吉岡温泉下車、徒歩2~3分
鳥取県鳥取市吉岡温泉町749-1  地図
0857-57-0555

8:00~22:00
200円
100円リターン式ロッカーあり、その他の備品は無し

私の好み:★★
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東郷温泉 そぞろ歩き

2011年02月15日 | 鳥取県
鳥取県の東郷温泉では、ここで紹介した寿湯東湖園の他にも養生館国民宿舎水明荘などの宿泊施設で入浴することができますが、今回は敢えて入浴できない温泉施設を、私が散策した範囲内で取り上げてみます。


・旭東温泉組合  地図
 
寿湯のすぐそばにある建物。屋根に湯気抜きがあるのでおそらく地元住民専用の浴場があるのでしょうね。とっても入ってみたい湯屋です。外壁には蛇口が設けられており、栓を捻るとお湯が出てきました。


・湯の華慈母観音  地図
 
(↑右側の画像はクリックで拡大)
松崎駅前からまっすぐ伸びる通りを進んで国道と突き当たったところに建つ観音立像です。地元出身の彫刻家が作ったそうでして、像の周りは足湯になっています。
説明看板によれば、夫婦円満や子宝などにご利益があるらしく、向かって右側から願いをかければ男児が、左側から願いをかければ女児が生まれるんだとか。


・東郷湖畔公園  地図
 
国民宿舎水明荘の隣、東郷湖の南湖畔にある公園です。この公園のまさに湖岸に、鯉が滝登りをしていそうな格好の像が建っており、その周りが足湯になっています。なお東郷湖の温泉は鯉が見つけ出したという言い伝えがあるために、鯉が像になっているんでしょう。

 
またその隣には温泉卵をつくる桝も設置されていました。源泉温度が高いからこそできる業ですね。
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