※残念ながら閉館しました。
七味温泉の旅館「渓山亭」が運営する2009年にオープンしたばかりの新しい入浴施設です。一応「渓山亭」の別館的な位置づけのようですが、日帰り入浴施設としての機能も大いに有しており、週末はこの施設を目当てに七味を訪れるお客さんも多いんだとか。
七味温泉の旅館はみな松川の橋を越えたところに位置していますが、この「恵の湯」は橋の手前を右に曲がり、閉館してしまった牧泉館の方へ向かう道の途中にあります。特に大きな看板などはありませんが、広い駐車場や新しめの木造建築が目立つのですぐにわかるはず。受付(料金支払い用の小窓あり)のある棟には休憩室を兼ねた食堂が設けられています。この日はなぜかお客さんの姿が無く、係のおじさんが私の方へやってきたので、私はこのおじさんに直接料金を手渡しました。初めての訪問である旨を告げるとおじさんは「必ず足やお尻に硫化鉄が付着して黒くなりますけど、洗えば落ちますから心配しないでください」と説明するや否や、「ちょっと待ってて」と口にして小走りにお風呂の方へ向かい、お風呂のコンディションをチェックしてから戻ってきて、「外気温の関係で今日はもしかしたらちょっと熱く感じるかもしれないけど、その時は言ってください」と教えてくれました。
その後入浴中にわかったのですが、このおじさんは実にこまめに湯加減をチェックし、その都度バルブの開き具合を調整して、お客さんに常にベストコンディションのお湯を提供しようと心掛けているのです。おじさんの努力に感謝しながら男湯の暖簾が掛かっている小屋へと向かいます。
脱衣小屋へと向かう途中で、さっそくこれから入る露天風呂が姿を見せてくれました。いい雰囲気ですね。期待が持てます。
簡素ながらもシックで落ち着いた色調にまとめられた脱衣室。畳敷きなので素足でも快適です。また室内には温泉を利用した床暖房が設置されています。天井が低いため、吊ってあるぼんぼりのような照明器具に頭をぶつけがちで、実際に一部が丸く凹んでいました。
脱衣小屋の建物には内湯が付帯しています。オープン当初は無かったそうですが、後から増設したんだとか。石造りの四角い浴槽には白濁したお湯が張られています。夏など屋外の方が快適な時季だとあまり利用機会は無いかもしれませんが、冬の厳寒期にはこの内湯が大活躍しそうですね。なお洗い場にはシャワー付き混合栓が3基(2基だったかな?記憶が曖昧…)。
脱衣所へ入る前にもちょこっと拝見しましたが、露天風呂は実に爽快な雰囲気です。お風呂は松川に向かって開けており、開放的な空間の中で白樺や楓の木がいい塩梅の間隔で植えられ、また対岸の山を借景することによって、全体的に爽やかな景観を作り出しています。夏は木々の緑、お湯の白、そして空の青がトリコロールを為し、また秋にはその3色のうち緑が紅葉の赤へ、冬には真っ白なモノトーンへとそれぞれ変化し、四季折々の美しさが楽しめることでしょう。
湯口は竹筒と岩の2か所があり、竹筒から出てくるものは素手で触れるとやけどするほどの激熱で、一方の岩から流されるものは44~5℃まで下がっていましたが、おじさん曰く、岩からのお湯は床暖房で熱交換されて(つまり冷まされて)いるから、その温度になっているんだよ、とのこと。加温加水循環消毒は無く、投入されて浴槽に張られたお湯は、湯口と反対側にある湯面スレスレの位置に口をあけた塩ビ管から排湯されていきます。
やや灰色がかった乳白色に濁るお湯は、この日の青い空を映していたためか青みも帯びていて、とっても綺麗な色合いです。砂消しゴムのような匂いと、硫化水素から刺激を除いたようなマイルドな硫黄臭、そして砂消しゴム的な硫黄味+石膏味+口腔内に残るハッキリとした苦み・渋みが感じられます。強めのギシギシ浴感の中に弱いスベスベ感も含んでいるようでした。そしておじさんが言っていたように、本当にお尻や足の裏が真っ黒に染まります。私の足の裏をお見せして大変恐縮ですが、ご覧のとおり真っ黒です。白濁のお湯と足裏の黒というギャップが面白いですね。
露天風呂の傍には熱湯が注がれている鉢が置かれています。何に用いるのかよくわかりませんが、おじさん曰く、このお湯も床暖房と同じ源泉を引いていて、こちらは屋外の敷石を暖めているんだけれども、距離が短いから熱いままなんだそうです。同じ源泉だというのに、こちらのお湯は白濁しておらず、寧ろ黒っぽいですね。館内に掲示されている分析表にも記されていますが、このお湯ははじめのうちは無色透明なのですが、外気に触れたり冷めたりすると白濁するようです(全国の白濁する温泉も大抵の場合は同様です…)。
雰囲気といい、お湯の質といい、おじさんの温泉に対する愛着といい、実にすばらしい露天風呂でした。温泉ファンのみならず、白濁な温泉をご希望の女性にもおすすめです。なお真っ黒に染まった足裏は、ボディーソープでゴシゴシ洗えば大体落とせます(若干残りますが、数日で消えちゃいます)。今度は紅葉の時期に再訪したいなぁ。
七味温泉第2号井戸
単純温泉 62.5℃ pH6.6 150L/min(動力揚湯) 溶存物質826.4mg/kg 成分総計852.4mg/kg
長野県上高井郡高山村七味 地図
026-242-2921(渓山亭)
ホームページ
※残念ながら閉館しました。
10:00~17:00
500円
シャンプー類あり、他の備品類は無し
私の好み:★★★
七味温泉の旅館「渓山亭」が運営する2009年にオープンしたばかりの新しい入浴施設です。一応「渓山亭」の別館的な位置づけのようですが、日帰り入浴施設としての機能も大いに有しており、週末はこの施設を目当てに七味を訪れるお客さんも多いんだとか。
七味温泉の旅館はみな松川の橋を越えたところに位置していますが、この「恵の湯」は橋の手前を右に曲がり、閉館してしまった牧泉館の方へ向かう道の途中にあります。特に大きな看板などはありませんが、広い駐車場や新しめの木造建築が目立つのですぐにわかるはず。受付(料金支払い用の小窓あり)のある棟には休憩室を兼ねた食堂が設けられています。この日はなぜかお客さんの姿が無く、係のおじさんが私の方へやってきたので、私はこのおじさんに直接料金を手渡しました。初めての訪問である旨を告げるとおじさんは「必ず足やお尻に硫化鉄が付着して黒くなりますけど、洗えば落ちますから心配しないでください」と説明するや否や、「ちょっと待ってて」と口にして小走りにお風呂の方へ向かい、お風呂のコンディションをチェックしてから戻ってきて、「外気温の関係で今日はもしかしたらちょっと熱く感じるかもしれないけど、その時は言ってください」と教えてくれました。
その後入浴中にわかったのですが、このおじさんは実にこまめに湯加減をチェックし、その都度バルブの開き具合を調整して、お客さんに常にベストコンディションのお湯を提供しようと心掛けているのです。おじさんの努力に感謝しながら男湯の暖簾が掛かっている小屋へと向かいます。
脱衣小屋へと向かう途中で、さっそくこれから入る露天風呂が姿を見せてくれました。いい雰囲気ですね。期待が持てます。
簡素ながらもシックで落ち着いた色調にまとめられた脱衣室。畳敷きなので素足でも快適です。また室内には温泉を利用した床暖房が設置されています。天井が低いため、吊ってあるぼんぼりのような照明器具に頭をぶつけがちで、実際に一部が丸く凹んでいました。
脱衣小屋の建物には内湯が付帯しています。オープン当初は無かったそうですが、後から増設したんだとか。石造りの四角い浴槽には白濁したお湯が張られています。夏など屋外の方が快適な時季だとあまり利用機会は無いかもしれませんが、冬の厳寒期にはこの内湯が大活躍しそうですね。なお洗い場にはシャワー付き混合栓が3基(2基だったかな?記憶が曖昧…)。
脱衣所へ入る前にもちょこっと拝見しましたが、露天風呂は実に爽快な雰囲気です。お風呂は松川に向かって開けており、開放的な空間の中で白樺や楓の木がいい塩梅の間隔で植えられ、また対岸の山を借景することによって、全体的に爽やかな景観を作り出しています。夏は木々の緑、お湯の白、そして空の青がトリコロールを為し、また秋にはその3色のうち緑が紅葉の赤へ、冬には真っ白なモノトーンへとそれぞれ変化し、四季折々の美しさが楽しめることでしょう。
湯口は竹筒と岩の2か所があり、竹筒から出てくるものは素手で触れるとやけどするほどの激熱で、一方の岩から流されるものは44~5℃まで下がっていましたが、おじさん曰く、岩からのお湯は床暖房で熱交換されて(つまり冷まされて)いるから、その温度になっているんだよ、とのこと。加温加水循環消毒は無く、投入されて浴槽に張られたお湯は、湯口と反対側にある湯面スレスレの位置に口をあけた塩ビ管から排湯されていきます。
やや灰色がかった乳白色に濁るお湯は、この日の青い空を映していたためか青みも帯びていて、とっても綺麗な色合いです。砂消しゴムのような匂いと、硫化水素から刺激を除いたようなマイルドな硫黄臭、そして砂消しゴム的な硫黄味+石膏味+口腔内に残るハッキリとした苦み・渋みが感じられます。強めのギシギシ浴感の中に弱いスベスベ感も含んでいるようでした。そしておじさんが言っていたように、本当にお尻や足の裏が真っ黒に染まります。私の足の裏をお見せして大変恐縮ですが、ご覧のとおり真っ黒です。白濁のお湯と足裏の黒というギャップが面白いですね。
露天風呂の傍には熱湯が注がれている鉢が置かれています。何に用いるのかよくわかりませんが、おじさん曰く、このお湯も床暖房と同じ源泉を引いていて、こちらは屋外の敷石を暖めているんだけれども、距離が短いから熱いままなんだそうです。同じ源泉だというのに、こちらのお湯は白濁しておらず、寧ろ黒っぽいですね。館内に掲示されている分析表にも記されていますが、このお湯ははじめのうちは無色透明なのですが、外気に触れたり冷めたりすると白濁するようです(全国の白濁する温泉も大抵の場合は同様です…)。
雰囲気といい、お湯の質といい、おじさんの温泉に対する愛着といい、実にすばらしい露天風呂でした。温泉ファンのみならず、白濁な温泉をご希望の女性にもおすすめです。なお真っ黒に染まった足裏は、ボディーソープでゴシゴシ洗えば大体落とせます(若干残りますが、数日で消えちゃいます)。今度は紅葉の時期に再訪したいなぁ。
七味温泉第2号井戸
単純温泉 62.5℃ pH6.6 150L/min(動力揚湯) 溶存物質826.4mg/kg 成分総計852.4mg/kg
カルシウムイオン131.0mg/kg(59.08mval%)、硫酸イオン446.0mg/kg(84.45mval%)
長野県上高井郡高山村七味 地図
026-242-2921(渓山亭)
ホームページ
※残念ながら閉館しました。
10:00~17:00
500円
シャンプー類あり、他の備品類は無し
私の好み:★★★