温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

アイスランド 泊まって良かったホテル(その1) Vatnsholt

2011年08月17日 | アイスランド
旅行先のホテルの良し悪しは、その旅の印象を大きく左右するものですよね。観光立国アイスランドにはたくさんの宿泊施設があり、私も旅の計画を練っているときにはどこに泊まったら良いのかかなり悩んだのですが、実際に泊まってみて、あまりの良さに感激したホテルがあったので、当ブログの趣旨である温泉紹介からはかけ離れてしまいますが、感動を分かち合っていただきたく、ここで紹介させていただきます。皆様の旅行の参考となれば幸いです。
今回取り上げるのは、セルフォス(Selfoss)の郊外にある農家民宿"Vatnsholt"です。

 
セルフォルから1号線を東へ進み、途中で右折して305号線へ入り、しばらく南下してから砂利道の309号へ右折すると、まもなく到着です。
広大な牧草地が広がる丘の上にポツンと建つ、「大草原の小さな家」という表現がピッタリなホテル。チェックインの際には、オーナーの夫妻が握手で出迎えてくれます。

 
宿泊する客室は、本棟の向かいにある別棟にあります。玄関で靴を脱いでから建物内に入ると、そこには宿泊者用のリビングルームとダイニングルームが広がっていました。ホテルというより民家を訪問しているかのようです。調度品はおそらくIKEAで買い揃えたのではないかと思われますが、白と木目を基調にした落ち着いた内装で、明るく清潔感に溢れ、とても綺麗です。
話の時系列が前後しますが、夕食後にここで私が地図を広げて翌日の計画を練っていると、ニューヨークからハネムーンでやってきた新婚さん、フランス人夫婦、そしてドイツ人ファミリーが集まってきて、みなさんで酒を酌み交わしながら、夜が更けるまでアイスランドの景色を絶賛しあいました。一期一会の出会いとそこで繰り広げられた会話は永遠の想い出です。


ダイニングルームの隣はキッチンです。こちらも明るくて広くて使い勝手良好。自炊に必要なものは一式揃っています。リビングもダイニングもキッチンも、宿泊者は自由に使えます。客室内には冷蔵庫がないので、飲み物などはキッチンの冷蔵庫を使うとよいでしょう。


ゲストハウスとは思えないほど綺麗で広い共用トイレ。


これが私が泊まった部屋。階段を上がった二階の一室です。屋根の直下なので天井が思いっきり斜めですが、私は一人旅ですから、2つあるうち画像左側のベッドを使いました。室内には必要最低限のものしかありませんが、清掃がよく行き届いており、申し分ありません。なおタオル以外のアメニティー類の備え付けはありませんので、事前に自分で用意する必要あり。


階下には共用シャワーがあるのですが、これもまたゲストハウスらしくないバスタブを兼ねた立派な設備で、普通のシャワーの他、スチームバスやAVなど、いろんな機能が備わっていました。シャワー室はかなり広いので、共用シャワーにありがちな窮屈な思いをせず、のびのびと使うことができました。
なお別の場所にはホットタブ(温浴槽)もあるのですが、生憎この日は故障中とのことでした。


キッチンでの自炊も可能ですが、併設されたレストランでディナーすることも可能。農場直送の食材をいただけます。
なおこのホテルではWi-Fiが利用できますが、利用可能な場所はこのレストラン内だけです(レストラン内にラウンジあり)


このレストランはコース制で、メインディッシュを魚にするかラムにするか選択ができます。まずはワインを。


トマトとパプリカのスープ。美味い!


メインはラムのグリルを選びました。ボリューム満点。アイスランドのラムは全くクセがなく、本当に美味い。ラムが苦手な人も、こちらへ来れば克服できるかもしれませんよ。マッシュルーム入りのクリームソースもラムに合って美味かった。


食後はパンナコッタとカプチーノ。
給仕してくれたお姉さんとお兄さんは常に笑顔で、私のメチャクチャな英語にも苦い顔一つせず、爽やかに対応してくれました。家族経営ならではのアットホームな温かさや優しさって、ありがたいですね。


朝食はバッフェ式です。品揃えはパン・ハム・ソーセージ・チーズ・シリアルなど欧州の標準的な内容ですが、それぞれが実においしく、朝から何度もおかわりしちゃいました。画像には写っていませんが、セルフで作るワッフル焼き器もありますよ。

 
果てしなく広い牧場には牛や馬が放牧されていました。

 
ここではワンコも馬も仔牛も子供たちもみんな仲良し。


特にジャージー種のこの仔牛はとっても人懐っこく、体を私に密着させて離れようとしませんでした。めちゃくちゃかわいいです。

 
子供用遊具もあり、客の子供たちが歓声をあげながら遊んでいました。動物に触れあったり、雄大な景色を眺めたり、遊具で遊べたりと、ファミリーにとっては至れり尽くせりですね。

壮大な景色、おいしい料理、清潔で綺麗な館内、アットホームな雰囲気、そして笑顔が素敵な従業員家族のみなさん、その全てが強く印象に残った素晴らしいホテルでした。日本にもこんな宿泊施設があったらいいなぁ。次回アイスランドへ旅行した際にも是非こちらでお世話になりたいと思っています。


所在地:Vatnsholt 2, Selfoss 801  地図
"farmholidays"内の紹介ページ(←ここに詳細が記されています)

Hotels.comBooking.comなどから予約可能


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アイスランド ブルーラグーン(Blue Lagoon)

2011年08月17日 | アイスランド
今回のアイスランド旅行の実質的な最終日は、世界最大の露天風呂にしてアイスランド屈指の観光名所である「ブルーラグーン」で入浴し、以て当地における温泉巡りの締めとすることにしました。以前に書籍のグラビアやテレビで、広大な敷地に青白い神秘的なお湯が湛えられているブルーラグーンを見て以来、一度でいいから行ってみたいという強い憧憬を抱いていたのですが、ついにその願いを叶える日がやってきたのです。私は食事の際に好物を残しておいて一番後にいただく性格なので、温泉巡りに関しても同じような予定の組み方にしてしまいました。こういう性格の人間は『若きウェルテルの悩み』の主人公ウェルテルみたいに、シャルロッテへの想いに煩悶しつづけるものの、いろんな事情が重なった挙句、結局願い叶わずバッドエンドを迎えることが多いわけでして、今回もブルーラグーンを一番最後に回して、もし当日天気が荒れたらどうするんだ、予定がメチャクチャになって立ち寄れない事態になるかもしれないのに、などと心配していたのですが、雨男の私の来訪にもかかわらず、車を駐車場に止めると、それまで降っていた霧雨がピタっと止んで、何らの支障なく入浴できるコンディションとなってくれました。

 
ブルーラグーンは現地語では"Bláa lónið"と表記するんだそうでして、道路標識もこの現地語表記でした。
訪問時には駐車場にはたくさんの車がとまっており、人気の程がうかがえます。溶岩で覆われた土地を切り拓いたアプローチを進んで本館へ。駐車場の前に建物がいきなり建っているのではなく、あえて溶岩に挟まれた通路を歩かせる演出は、まるでテーマパークのアトラクションに入場するかのような高揚感をもたらせてくれます。


エントランスは意外と小さいんですね。観光客がひっきりなしに出たり入ったりしています。


北欧らしいガラスを多用した明るい館内は、奥に長い構造をしており、エントランスの小ささとは裏腹に、内部はかなり広い空間。さすがは世界に名の知れた施設だけありますね。レセプションの奥はカフェテリア、その手前はお土産売り場。


レセプションは個人客用と団体客用に分かれていました。一人旅の私はもちろん個人客用の窓口へ。料金は4800kr(この日のレートでは日本円で約3200円)という観光客の足元を見ているようなバカ高い設定。ユーロ支払いも可能で、その場合は30ユーロなんですが、ケチ臭くレートを計算したらアイスランドクローネで支払った方が若干安いことがわかったので、現地通貨で支払いました。なおレンタルタオルは800kr。
入場料の支払いを済ませると、このようなリストバンドが手渡されます。これは入退場の管理の他、ロッカーの施錠開錠、また場内における飲食などの精算に使用します。まずこのバンドの白い部分(チップが埋め込まれている)をゲートの受信部に当てて改札を通過し、ロッカールーム(更衣室)へ。大勢の客を捌くべく、ロッカールームは男性の場合A・B・Cの3室に分かれており、好きなところが使えたので、私は空いていそうなCを利用しました(女性もほぼ同様)。


ロッカーも空いている任意のところを利用します。ロッカーの施錠には先ほどのリストバンドを使用するのですが、その方法は…
(1)まず着替えを済ませて衣服や荷物をロッカーに入れる
(2)扉を閉めると、そこから最も近い読み取り機(↑画像下部に写っています)にその扉の番号が表示される
(3)番号に間違いなければ、読み取り部分にリストバンドをタッチ
(4)機械の読み取りから5秒後に施錠完了
という流れです。尤も、ロッカーにはちゃんと図示されていますから、その通りに操作すれば問題なし。開錠は同じ機器に再びリストバンドをタッチすればOK。ただし、施錠後の自分のロッカー番号はどこにも表示されませんから、番号やおおよその位置はきちんと記憶しておく必要があるかと思います。

このロッカールームは係員さんが床を清掃してくれているのですが、シャワーエリアとフラットになっている上に客が多いため、床がビショビショで着替えしづらかった…。着替え後はシャワーで全身をくまなく洗います。なおシャワーには「ブルーラグーン」ブランドのシャワージェルが備え付けられていました。買うと結構高いものですが、ここでは使い放題なので、嬉しいあまり、入浴前も後も、このジェルでこれでもかという程、徹底的に体を洗っちゃいました。またシャワーエリアには入浴後の水着を入れるビニール袋が用意されていました。

 

おお! これが夢にまで見たブルーラグーンか! めちゃくちゃデカイ! そしてお湯が神秘的な色だ!
このラグーンはなんと5000平米もあるんだとか。そのうち浴用に開放されているのは約半分の約2,400平米ですが、それでも十分に広いですよね。

 
巨大な露天風呂のみならず、打たせ湯があったり、サウナがあったり、よりどりみどり…


プールサイドには露天風呂に入りながら飲み物などを購入できるスタンドがあり、みなさんビールなどを買って、グビグビ飲みながら湯浴みを楽しんでいました。

 
ブルーラグーンといえば、温泉泥パックが有名なので、さっそく実践してみました。プールサイドには白い泥が入っている箱が何箇所か置かれているので、そこから金属のオタマで泥を掬いあげ、手で顔など好きなところに塗ります。泥はちゃんと箱に入っているものを塗ってくださいね。浴槽の底に沈殿しているものは汚いから使っちゃダメ。
顔面を白い泥で塗りたくっている東洋人は、まぎれもなく私です。気味悪い写真でゴメンなさい。

 
露天風呂の奥の方には、湯口が石灰華に覆われ山のようになっている箇所がありました。これに寄りかかると、いい具合に体にフィットするので、ここに腰かけながらじっくりのんびりお湯を堪能。
湯温は38℃前後なので、日本人には若干ぬるめですが、長湯するにはちょうど良い湯加減。いつまでもお湯に浸かっていられます。気持ちよくて出たくない…。


蒸気に隠れて見えにくいのですが、ラグーンの向こうに建っているのはスヴァルトセンギ地熱発電所です。ブルーラグーンのお湯はこの地熱発電所でタービンを回すために使われた地熱海水が二次利用されたもので、人工的に造られたお湯なんだそうですが、珪素をはじめとするミネラルを豊富に含み、特にアトピーや湿疹など皮膚疾患に効能があるんだとか。海水由来のお湯なので、口に含むと苦みとしょっぱさが感じられました。ツルスベ浴感も気持ち良く、何度も肌をさすりたくなります。このラグーンには常に600万リットルもの地熱海水が貯められており、40時間ですべての海水(温泉水)が交換されてゆくそうです。

広さ、湯加減、お湯の質、そして神秘的なお湯の濁り方など、感動する要素が満載で、料金の高さなんか忘れてしまうほど、非常に気持ちよい露天風呂でした。念願のブルーラグーンに入浴できて本当に幸せ…。
ここは露天風呂に浸かるだけでなく、エステやレストランなどいろんなサービスがあるのですが、それはまた次の機会にでも。
なお、帰りにはお土産コーナーへ立ち寄り、世界的に有名なブルーラグーンのスキンケア用品をしこたま購入。帰国後方々へ差し上げたのですが、特に女性陣からは大好評でした。


所在地:Blue Lagoon 240 Grindavík  地図
電話番号:+354-20-800
ホームページ

9月1日~5月31日→10:00~20:00
6月1日~8月31日→9:00~21:00
年中無休

大人4800kr(30ユーロ)、14~15歳1600kr(10ユーロ)、13歳以下無料
レンタルタオル・レンタル水着:各800kr(5ユーロ)
コメント (4)
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