温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

アイスランド レンタカーで一人ドライブ

2011年08月10日 | アイスランド
アイスランドを旅するならレンタカーを利用するのが一番。鉄道は皆無なので利用できませんし、バスも本数が少ないので利用しにくい。となれば、やっぱりレンタカーで自由気ままに行動したほうが便利です。でも海外でレンタカーを借りて運転するには何かと不安な点もあるでしょうから、ここでは私の経験談をお話しさせていただこうかと思います。

●予約
アイスランドには世界規模の大手企業から地元の中小企業まで多くのレンタカー会社があり、ネットで調べればゴロゴロ出てきます。どこが良いのかはわかりませんが、私は料金がちょっと高くても安心を得たかったので、大手のAVISを利用しました。大手ゆえの安心感、日本に窓口がある点、そして私が求めていた条件で比較したら大手の中では最も安かったからです。大手でしたら他にHERTZEUROPCARなどがあり、いずれも日本で予約可能です。なおAVISの場合、なぜか3日間以上の利用を求められました(つまり当日のみや1泊2日では借りられない)。なお料金は総じてかなり高めで設定されていますので、予算的にある程度の覚悟は必要。


●車種選択
レイキャヴィクから日帰りできるゴールデンサークルを周遊する程度なら、トヨタのヴィッツ(海外では「ヤリス Yaris」という名前)で問題ありませんが、長距離やちょっとでも内陸部を運転するなら、迷わずSUVタイプやジープのような4駆車を選んだほうが吉。なにしろ凸凹の未舗装路が多く、橋の架かっていない川では直接川に車を突っ込んで渡河しなきゃいけない箇所もあるので、普通の乗用車では通行不可な道もあります。
ちなみに今回私が借りたのは日産「キャシュカイ(日本名デュアリス)」でした。とっても良い走りをしてくれましたよ。さすが日本車です。


この国で面白いのが、日本車の圧倒的な多さ。アメリカと違って欧州はそんなに日本車は多くありませんが(シェアはせいぜい1割強程度)、この国は例外でして、私の実感では見かけた車の約5~6割を日本車が占め、残りをVW等のドイツ車・ルノー・現代・起亜・フォードが埋めているような状況でした。とりわけ内陸部で必須な4駆車はスズキのグランドビターラ(日本名エスクード)が多く、この国におけるスズキ車シェアは、インドやハンガリー程ではないにせよ、それに近いものがあるのではないかと思われるほどです(SUVに限定した話ですが)。頑丈さ、燃費の良さなどで評価されているのかもしれませんね。

また欧州らしくない点として、意外とAT車が多いことが挙げられるかもしれません。欧州の車はほとんどMTですから、レンタカーでATを確保するのは結構大変ですが、この国はアメリカ人旅行者が多いからか、他の欧州各国と比べてAT車率が高く、事前予約時に確保さえしておけばあっさりとAT車をゲットすることができるようです。私が借りた車もATでした。また欧州の他国でATを借りるとかなり高額な料金を請求されますが、この国では若干高い程度で、MT車と著しく違うようなこともないようです(当然ながら会社によって異なるかと思いますが)。こうした点は日本人にとって嬉しいですね。


●ドライブ中に用意しておくと良いもの
人それぞれだと思いますが、私個人が用意していて「あぁよかった」と実感したものを列挙してみます。

【ガイドブックや地図】
この辺りは当然ですね。ガイドブックに関しては日本人が海外へ旅行する時につい頼ってしまう「地球の迷い方歩き方」はなぜかアイスランドを取り上げておらず、同社によるグラビア中心の「アイスランド 地球の鼓動が聞こえる…ヒーリングアイランドへ (地球の歩き方GEM STONE)」や日経BP企画の「旅名人ブックス59 アイスランド・フェロー諸島・グリーンランド第4版 (旅名人ブックス)」などがある程度です。いずれも旅情を誘う素晴らしい編集となっていますが、個人旅行に必要な細かい情報はあまり載っていません。そこでぜひ活用したいのが"Lonely Planet Iceland"、つまりロンプラです。ご存知の方には釈迦に説法ですが、海外ではおなじみのこのガイドブック、当然全編英語ですが情報量は半端じゃなく「地球の●き方」なんて目じゃありません。でもグラビアやカラーページがとっても少なく、どこに何が記してあるかわかりにくいので、事前に読みこんでおき、必要なページに付箋を貼っておくことをおすすめします。

地図に関しては現地のホテルや観光案内所、レンタカー営業所で無料の地図が入手できるので、それを活用するといいかと思いますが、私のような不安症の人間は事前に情報を仕入れて予習をしておきたいので、そんな場合は洋書取扱いの書店で地図を買っておくことをお勧めします。私はフライターク・ベルント社(オーストリア)のMap-Iceland (Country Road & Touring)を新宿の紀伊国屋で購入し、出発前に入念なルート確認を重ねました。この地図には観光地の他、宿泊施設やGSなど主要施設がマークで記されているため、現地運転中でもとても役立ちました。

【GPS(カーナビ)】
標識過剰な日本と違ってアイスランドは道路標識が必要最低限しかなく、行先表示(道しるべ)にしても交差点にいろい標識がちょこっと立っているだけなので、それを見逃しちゃうとたちまち道に迷ってしまいます。そこで役に立つのが自動車用のGPS、つまりカーナビです。AV機能と一体化したタイプが主流な日本と違って、海外では盗難防止のため持ち運びが可能な形状となっており、機能も地図表示も簡易なものですが、さすがに文明の利器だけあり、これがあるととっても便利。
今回私がレンタカー会社にて借りたのはGARMIN社のGPS。初期設定は当然ながら現地語ですが、設定変更によりあらゆる言語に対応でき、なんと日本語も可能。表示のみならず音声ガイドまで日本語です。ホテルなど対象を絞った検索や速度取り締まりの情報提供、目的地までの距離なども表示されるため、知らない土地を運転するに当たっては非常に重宝しました。


【FMトランスミッター】
今回も一人旅なので話し相手がいません。となれば、ドライブ中はどうしても音楽が恋しくなります。もちろんAMやFMのラジオを受信できますが、現地語は全くわかりませんし、音楽だって自分が好きな曲が流れるとは限りませんから、iPodのような携帯音楽プレイヤーは必須です。私が借りた車にはBluetooth機能がついていたのですが、持参した私の旧式iPodはBluetooth非対応…。そこで活躍したのがUSBポート付きのFMトランスミッター。FMトランスミッター自体は皆さんお馴染みかと思いますが、USBポート付きというのが肝心なところでして、これによってiPodはもちろん、スマートフォンもデジカメも、そして上記のGPSも充電できてしまうわけです(もちろん機器に応じたUSBケーブルも必要ですが)。かなり便利でした。
ちなみに一人で長距離運転すると、眠くなる、あるいは寂しくなる、なんて状態に陥りやすいので、アゲアゲのアップテンポな曲がおすすめ。また完全に個人的な趣味ですが、古典落語をiPodに入れておくと眠気知らずで運転できました。落語を聞くには想像力が必要ですから、自然と頭が働き、いつの間にか眠気も解消されるんでしょうね。


●運転実践
運転で注意することを列挙するとキリがありませんが、あえて言うなら…

・右側通行(はじめのうち気をつけておけば、意外にもすぐに慣れます)

・標識は欧州各国と共通。追越禁止、侵入禁止、自車or対向車優先、行き止まりなど、日本と図柄が異なるものは事前に予習を。欧州全般になってしまいますが、交通ルール等に関してはこちらをご参照あれ。

・最高速度は、舗装路90、未舗装路80、街や集落との緩衝区間70、街や集落50or30です。その他場所による制限もあり。特に街中での制限速度は厳守(これは欧州共通ですね。街や集落に入ったら、きっちりと制限速度まで落としましょう)。舗装路については、多くの人が100前後で巡航しているみたいでした。かく言う私も100でクルーズをセットした区間が多かったのですが、それでも後ろから抜かされることがしばしば…。

・ネズミ捕りやオービスに注意。ネズミ捕りはレイキャヴィク~ケフラヴィーク空港間で実際の現場を目撃しました。またオービスに関しては設置個所の前に…

↑このマークがプリントされた看板が立っているので、それに気をつけていればよいのですが、迂闊にも私は見落としてしまい、制限速度70のところを90で走り、見事に赤いフラッシュが焚かれて「記念撮影」されてしまいました。ちなみにその場所はここのトンネル内です。まだ「請求書」は届いていませんが、いずれ払わなきゃなぁ…。皆さんもご注意を。

現場のトンネル入口でこんな画像を撮影しておきながら、すっかりオービスの標識を見落としていましたんです。本当にマヌケな私…。

・道路状況の情報は常に最新のものを! 未舗装路が多く、また自然災害もよく発生する土地柄なので、いつ道路が通行止になるかわかったもんじゃありません。最新のロードコンディション情報を提供するサイトがありますから、ネットに接続できる環境があれば、頻繁に確認することをおすすめします。
なお↑リンク先のマップにて「4x4」と表示されている道は、車高の高いオフロード対応の4駆車でないと走っちゃダメよ、という意味です。

4駆車でないと通行できない道については、こんな案内板が立っていることもあります。看板の左側では、轍が消えて道が消失している状況や、思いっきりえぐれた轍が写っている画像が紹介されており、右側では普通乗用車に×がつけられています。

・ヨーロッパではどこにでもありますが、交差点はラウンドアバウト(ロータリー)になっている箇所が多く存在しています。信号要らずで交差点の交通を捌ける合理性が個人的には大好きなのですが、日本では滅多にお目にかかれないので、慣れないとどのように運転してよいかわからないかもしれません。ま、北海道民でしたら、旭川の常盤ロータリーや釧路の幣舞橋などのロータリーがあるので本土の人間より慣れやすいかと思いますが、具体的にどのようなものかはwikipediaの記事をご覧いただくとして、大原則としては、ロータリーを廻っている車が優先、そしてロータリーから出るときはウインカーを出して進みたい道へとそれていきます。


●給油方法
車で旅行するなら必ずお世話になるのがGS。アイスランドのGSは24時間営業あるいは無人営業のところも多く、有人のGSは日本のコンビニみたいな機能も有しているためとっても便利です。基本的にはセルフです。ただし地方部へ行くと給油したくても100km以上離れないとGSが無いという場所もありますから、余裕をもって給油しておくことをおすすめします。以下、アイスランドで一番多い"N1"というGSにおける給油方法を箇条書きにしてみます。他社もほぼ同様。
1:まず支払機にクレジットカードを挿入(挿入の向きなどは機械にイラストあり。アイスランド以外で発行したカードならば自動的に英語表記に切り替わります)
2:カードの暗証番号(PIN)4桁を入力し、"Lagi"ボタン(緑色)を押す
3:給油希望金額を入力し、"Lagi"ボタン(緑色)を押す。ここでの数値は事前に購入量を決めておきたい方のためのものですから、満タン希望でしたら20000など、思いっきりデカい数値を入れておけばOK。多く入力しても実際に請求されるのは給油した量だけですので心配無用。
4:もし1台の支払機で複数のポンプを管理している場合は、ポンプ番号を入力
5:支払機から一旦カードを取り出す
6:"READY"と表示されたらノズルを手にとって給油開始(くれぐれもガソリン車にディーゼル(軽油)を入れないでくださいね。ノズルは日本のセルフと同じくオートストップです)
7:給油終わったら再び支払機にカードを挿入して清算。レシートが出てきます。

さぁ、安全運転でレッツゴー!!






コメント (9)
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