

鷹巣市街から大館能代空港へ向かう県道24号線が米代川を渡る西鷹巣大橋の南側に、2010年8月1日オープンした比較的新しい温泉入浴施設です。河原の傍に位置しているため、西鷹巣大橋の上からもよく見えます。縄文時代後期前半の遺跡で国の史跡にも指定された伊勢堂岱遺跡が付近にあるため、この遺跡にあやかって命名されたようです。民間により運営されており、いかにも地方の温浴施設らしく、広い駐車場の中に平屋の建物が建てられており、駐車場内には農産物直売所も設けられています。


農産物直売所の並びには源泉井と思しき施設を発見。またその背後には容量90tの源泉貯湯槽も。

タイルカーペット敷きの広々としたロビーには、籐の椅子が沢山用意されていました。休憩所はもちろん大広間や立派な食堂なども併設されています。玄関に置かれている券売機で料金を支払い、券をカウンターへ。訪問した時の受付の方はとっても綺麗なお姉さんでした。さすが秋田は美人どころですね。

ロビーの片隅にはコインランドリーがあるのですが、施設は開業してまだ1年あまりなのに、そこに設置されていた乾燥機がサンヨー製の相当古い機種だったので、思わず凝視してしまいました。どこから持ってきたのでしょうか。中古のわりには綺麗でよくメンテナンスされているみたいでした。


まだ新しい施設だけあって更衣室はとっても綺麗ですが、そんなに広いわけではないので、混雑時にはちょっとストレスをおぼえるかもしれません。とはいえ清掃はよく行き届いており、洗面台の数も多いので、混雑さえ避けられれば使い勝手には良いでしょうね。棚には籐の籠がスラリと並んでおり、これとは他にロッカーも用意されています。浴室入口のガラス戸に貼られた掲示には掛け流しの温泉である旨が明示されています。なお、この施設の売りでもある岩盤浴(別料金)はこの更衣室から出入りしますが、今回私は利用しませんでした。


内湯も広くて気持ち良いです。浴槽の側面や底はタイル貼りで、洗い場や浴槽縁は石材の化粧板が用いられています。浴槽は大小の2つに分かれており、手前の大きな浴槽は約12人サイズ(いや、それ以上か?)でややぬるめ、ジェットバスが設置されています。奥の小さな方は6~7人サイズで、ちょうど良い湯加減。後述する湯口のお湯の多くはまずこちらに注がれ、それから大きな槽へと流れていっているようでした。大小の浴槽の湯温差はこのようなお湯の投入方法によるものでしょう。当然ながら湯口からダイレクトに注がれる小さな浴槽の方がお湯の鮮度が格段に良いため、お客さんはこちらの浴槽に集中する傾向にあるようです。

湯口は小さな縄文土器(土偶)を模したような形状ですが、初見時は土器と気付かず、ハクション大魔王かプロレスラーのマスクではないのかと勘違いしてしまいました。


洗い場は更衣室傍と浴槽の向かいに分かれて配置され、シャワー付き混合栓が合計16基用意されています。浴槽向かいの洗い場には後ろに仕切りが立てられており、泡が浴槽へ飛ばないよう配慮されています。こうした細かな気遣いは嬉しいですね。この洗い場の並びにはサウナと水風呂があり、他の浴場と同様、人気を集めていました。


屋外の露天風呂浴槽は、内湯の2つの槽と並ぶような位置に配置されています。湯加減は内湯よりやや熱め
。冬季の雪対策なのか頭上は屋根で覆われており、駐車場に隣接した区画なので周りは塀に囲まれいるため、露天風呂に期待するような景色や開放感は得られませんが、塀自体はそれほど高い物ではなく、周囲に建造物があるわけでもないので、圧迫感や閉塞感で戸惑うようなこともないでしょうし、米代川からの風も問題なく入ってきます。
さてお湯に関してですが、やや黄色みを帯びたモスグリーンに濁っており、湯中には黄土色の沈澱や湯の華が無数に舞って、これがコロイドとなり混濁を発生されているようでした。特に露天は外気で冷やされるためかその量が多く、塊のサイズが内湯より大きめで、しかも色も濃く赤みを有していました。
掲示されている分析表には成分総計やpHなどの数値が記載されていないのでよくわかりませんが、Naイオン8728.0mgとCl14320mgという数を見れば、相当濃い食塩泉であろうことは容易に想像され、実際に口にしてみると案の定しょっぱい味が口の中に広がりました。ちょっと南に下ると強烈にしょっぱいさざなみ温泉がありますから、この地域には化石海水由来の強食塩泉が分布しているのでしょうが、さざなみ温泉よりは塩味が弱いように感じられ、他地域の化石海水性の温泉と比べてもしょっぱさのインパクトが弱いようでした。これは泉質に起因しているのか、あるいは加水していることが原因なのか、判断に迷いますが、けだし後者ではないかと勝手に想像しています。なお臭覚は微かに土気の匂いが確認できましたが、それ以上に塩素の臭いがはっきりしていたのが残念です。もっとも、こればかりは公衆浴場に対する行政からの締め付けが厳しい秋田県ですから、一民間施設がどうこうできる話ではないので、致し方ありませんが…。
濃い食塩泉ですから、湯あみ中の火照りや体力喪失はもちろんのこと、湯上りの温まりも強く、夏にはしっかり真湯で上がり湯をかけないとベタベタして不快なこと必定ですが、寒い冬には強力な保温効果を発揮してくれますから、秋田の冬にはもってこいの泉質といえそうです。空港から至近にあり、綺麗で設備も充実しており、使い勝手も良いですから、飛行機で帰る際、あるいは到着後、ひとっ風呂浴びるに便利な施設でしょうね。
ナトリウム-塩化物強塩温泉 54.0℃
Na:8728.0mg, Ca:871.8mg, Cl:14320mg, SO4:1084.9mg,
温度調整のため加水あり・塩素系消毒剤を使用
(でも浴室の戸には、水での温度調整は行っていない、と書かれている)
秋田県北秋田市脇神字平崎川戸沼86-2 地図
0186-63-2626
ホームページ
10:00~21:00
360円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★