温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

瀬美温泉

2011年12月02日 | 岩手県
 
夏油温泉の手前にある実質的な一軒宿「瀬美温泉」には、いままで2度ほど日帰り入浴で利用させていただいています。2回も立ち寄っているなら、そろそろ宿泊してじっくりお湯を堪能しなきゃいけないような気もしますが、予定が合わない上に5桁の宿泊費を敬遠する私の貧乏根性が加味されて、なかなか宿泊できないでおります…。


瀬美温泉には日帰り入浴を受け付けている本館の他、新館「桐の花」も隣接していますが、こちらは宿泊専用なんですね。新館っていつ竣工したんでしょうか、数年前に訪問した時には無かったように記憶しています(単に忘却しているだけかもしれませんが)。写真などを拝見するとこの新館はかなり魅力的ですので、一度は泊まってみたいものです。


本館では日帰り入浴を積極的に受け入れており、帳場の前に専用の券売機も設置されているほどです。なお休憩室利用は要別途料金。お風呂へは帳場から左手へまわって通路を進んでゆきます。
館内には男女別の内湯「夢の湯」「長寿の湯」、男性専用露天「四季の湯」、女性専用露天「せせらぎの湯」、そして混浴の「大露天風呂」の5エリアに分かれており、料金内ですべて利用できます。この5エリアには計3つの源泉が引かれているのですが、それぞれの分配先は以下の通りです。
・夢の湯源泉を使用している浴室:「夢の湯」「長寿の湯」
・美人の湯源泉を使用している浴室:「大露天風呂」「美人の湯」「四季の湯(男性専用露天)」
・長寿の湯源泉を使用している浴室:「せせらぎの湯(女性専用露天)」「打たせ湯(夢の湯内)」
源泉名と浴場名が一致していないのがヤヤッコシイのですが、源泉湧出量と各浴槽の容量を勘案した結果、このような配分になっているのではないかと推測されます。

帳場から浴場への通路を歩いて突き当りの丁字路を左に曲がると「夢の湯」「長寿の湯」「四季の湯」「せせらぎの湯」、右へ曲がると「美人の湯」「大露天風呂」です。お風呂が沢山あってどこから巡って良いか迷ってしまいますが、ますは左に曲がってみましょう。



丁字路を左に曲がって間もなく、自販機が置かれてるこじんまりとした休憩スペースがあり、その先の通路左側に暖簾がかかっているのが「夢の湯」の入口。


建物自体が新しいのか、室内はとっても綺麗で清潔。3つある洗面台は小洒落た陶器製。陶器の洗面ボールはここ数年で改築・新築された旅館ではよくみられるものですが、下世話な興味ながら、お値段も高いんでしょうしメンテも大変そうです。


川に面した内湯で、窓からせせらぎが望める良い雰囲気。浴槽は3~4人サイズ、浴槽の端っこには「長寿の湯」源泉を落としている「打たせ湯」が設置されています。洗い場のカランはシャワー付き混合栓が4基。
お湯は浴室名の通り「夢の湯」源泉を使用しており、浴槽の底に湯口があり、縁から静かにオーバーフローしています。見た目は無色澄明。微かにタマゴ臭&味を有しているようですが、かなり弱い知覚なので、鈍感な私の鼻や舌でははっきり確認はできません。でも、ヌルヌルを帯びたツルツルスベスベ浴感がとっても気持ち良く、なるほど源泉名の通りに夢の世界に引き込まれそうになってしまいます。



次に「長寿の湯」へ。「夢の湯」から更に奥に位置しています。
「長寿の湯」は内湯ですが、男湯側には露天の「四季の湯」、女湯側には「せせらぎの湯」という露天風呂がそれぞれ付帯しており、内湯から直接屋外へ出られます。



全体的な造りは「夢の湯」より古さを感じさせますが、脱衣所・浴室とも広さはこちらの方が勝っています。元々はこのお風呂が主浴室だったのでしょうね。


浴槽全体を映した画像が見当たらず、湯口だけを写したものでご勘弁を。
浴槽は10人ほど同時に入れそうな立派なもので、巨大な岩の上から浴槽へ源泉を落としており、そのお湯は洗い場に向かってなみなみとオーバーフローしており、まるで洗い場の床全体を洗い流しているかのようです。洗い場のカランはシャワー付き混合栓が7基。
浴室名に反してこちらに引いている源泉も「夢の湯」ですが、知覚としては無色澄明無味無臭、ヌルヌル感が強いので、その気持ち良さが心地よく、反射神経的に入浴中は肌を何度もさすってしまいました。


 
男湯側の「長寿の湯」から屋外へ出ると男性専用露天風呂「四季の湯」。夏油川に沿った爽快なロケーションで、余計なものが無く開放的ですね。女湯側にも露天があるようですが、そちらはどうなっているのかしら。

 
岩をモルタルで固めたような作りのお風呂。竹の筒から「美人の湯」源泉が投入され、湯面すれすれに下から突き出たパイプより排湯されています。お湯は僅かに黄色みがかっているように見えますが、ほとんど無色透明無味無臭、湯口で金気と土気の味と匂いがそれぞれ微かに感じられました。また他の浴槽同様にツルスベ感を有する気持ち良い浴感なのですが、「夢の湯」源泉よりメタケイ酸も重炭酸イオンも多いのに、pH値が若干中性よりであるためか(夢の湯:pH8.9, 美人の湯:pH7.9)、お湯のヌルヌルツルツル感はこの露天のお湯よりも「夢の湯」の方が強いような実感を受けました。



さて、一旦通路を受付近くまで戻ってから、階段を上がって「美人の湯」浴室へ。
他の画像とともにお風呂の様子を紹介したいのですが、なぜか画像が無い…。仕方ないので文章でお茶を濁させていただきますと、浴室は全面タイル貼りで、浴槽はガラス窓に面しており、採光が良くて明るい室内です。湯船は長方形の5~6人サイズ、湯加減はやや熱めかもしれませんが、無色透明無味無臭の優しいお湯で、ツルスベ浴感もしっかり感じられました。


「美人の湯」の脱衣所から見える大露天風呂。混浴です。こちらもなぜか画像がなく、4年前に撮ったこの1枚しかご紹介できません…。基本的に私は混浴のお風呂については撮影を遠慮するので、ここもその方針に基づいて画像が無い…のかもしれませんが、この1枚は残っているので、単に管理不十分で消えちゃったのかも。なお11月下旬から4月中旬までこの大露天風呂は閉鎖となり、雪に埋もれてしまいます。

この他にも貸切の家族風呂が2室ほど設けられており、新館まで含めるとこの宿には一体いくつのお風呂があるんでしょう。一か所でいくつものお風呂をハシゴしたい方にはもってこいのお宿ですね。3つある源泉のお湯もそれぞれ少しずつ異なった個性を有しつつ、無色透明で質感が優しくてヌルツルスベ感も得られますから、女性の方にはウケがよいのではないでしょうか。なお館内表示では各浴室のお湯に関して塩素消毒されていると明記されていますが、ほとんど気になりませんでした。立ち寄り入浴で全てのお風呂を巡ろうとすると、体力的にも感覚的にもかなり無理が生じてしまいますので、やはり宿泊してゆっくりするか、何回かに分けて訪れたりした方がよいのかもしれません。私のような一度で回ろうとする野郎は愚の骨頂ですね。


夢の湯(使用施設:夢の湯, 長寿の湯(内湯))
アリカリ性単純温泉 42.2℃ pH8.9 溶存物質0.4274g/kg 成分総計0.4277g/kg
Na:104.0mg(96.38mval%), Cl:33.1mg(20.22mval%), HCO3:153.8mg(54.78mval%), H2SiO3:86.9mg
冬期は適温に保つため加温、塩素系薬剤を使用

長寿の湯(使用施設:打たせ湯)
単純温泉 35.8℃(打たせ湯では35.5℃で使用) pH8.1 溶存物質0.3141g/kg 成分総計0.3159g/kg
Na:62.2mg(90.03mval%), HCO3:132.1mg(73.97mval%), H2SiO3:82.1mg
塩素系薬剤を使用

美人の湯(使用施設:四季の湯(露天))
単純温泉 45.1℃ pH7.9 溶存物質0.6049g/kg 成分総計0.6165g/kg
Na:99.7mg(83.62mval%), HCO3:271.5mg(86.07mval%), H2SiO3:183.1mg,
塩素系薬剤を使用

北上駅より岩手県交通バス・瀬美温泉行(夏季は夏油温泉行)で瀬美温泉下車
岩手県北上市和賀町岩崎新田1-128-2  地図
0197-73-7294
ホームページ

7:00~21:00
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★


コメント
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