温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

小国温泉 小国町会保養所

2011年12月05日 | 青森県

青森県平川市の小国集落にある地元住民専用(いわゆるジモ専)の温泉共同浴場です。小国川に架かる国道454号線の第一小国橋の袂に位置しています。画像をご覧のとおり、近年新しい湯屋へ建て替えられて、湯あみする猿の可愛らしいイラストが描かれた比較的新しく目立つ建物になりましたが、最近まではいかにもジモ専らしい地味で目立ちにくい小屋でした。その時代は確か部外者の利用を謝絶する札がさがっていたように記憶しているのですが(このため私も訪問を遠慮していました)、新しくなってからそのような注意書きは姿を消したようで、訪問時も見当たりませんでした。



湯小屋に隣接して源泉井戸らしきものがあり、絶えずお湯が流れ出るお湯汲み場が設けられています。この画像を撮った直後に軽トラに乗ったおばちゃんがここへ車を横付けし、荷台にギッシリ詰まれたポリタンクへお湯を汲んでいました。


 
入口は男女別に分かれており、引き戸を開けると、すぐ目の前に料金箱が設置されていました。料金箱があるってことは、一応ジモ専ながら来る者拒まず的なスタンスってことなんでしょうね。
内部はコンクリ打ちっぱなしで、地域の共同浴場らしくない小洒落た印象を受けました。脱衣室内はよく手入れがされていて、棚の上には寄付者(あるいはお風呂を利用する組合員)の一覧が掲示されていました。


 
全面タイル貼りのシンプルな浴室。洗い場にはシャワー付き混合栓が2基。浴槽は3~4人サイズで、小さな岩の湯口から源泉が投入され、浴槽の縁の全辺から静かにオーバーフローしています。訪問時は地元の先客が2人いらっしゃり「熱ければ水でうすめて」と声をかけてくださいました。


 
湯口から注がれるお湯はかなり熱いのですが、湯船自体は加水しないでも問題なく入浴できました。お湯は無色透明ですが、完全に澄み切っておらず微かに白く濁っているように見えます。弱い芒硝の味と匂いが感じられます。分析表には硫化水素臭があると記されていますが、その匂いがわかりませんでした。鮮度感の溢れるスベスベとした浴感で、湯上りもさっぱり爽快でした。

ちなみに、外壁のお猿さんのイラストは県立黒石商業高校デザイン科の学生のみなさんによって描かれたものなんだそうです(詳しくはこちらをご覧ください)。構図も良いし、施設の用途を的確に表現しているし、絵力もあるので、私はてっきりプロの仕事かと思っていましたが、まさか高校生の作品だったとは驚きです。実用本位で無味乾燥になりがちな湯屋をキャンバスとして提供した地元と、その厚意をしっかり汲んで利用者を笑顔にさせてくれる溌剌で愛らしい作品を仕上げた高校生の関係は、何ともほほえましいですね。


単純温泉 52℃ pH8.6 126L/min 成分総計597.083mg/kg
(昭和44年)

青森県平川市某所
基本的に地元専用の浴場ですので、場所の特定は控えさせていただきます

入浴可能時間不明
100円
備品類なし

私の好み:★★★
コメント
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