温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

然別湖コタン 2012年

2012年02月13日 | 北海道
前回に引き続き、今回も先日訪れた「然別湖コタン」を取り上げます。このイベントの目玉のひとつである氷上露天風呂については前回の記事をご覧ください。今回は露天風呂以外について私が体験したことを中心に書き綴ってみます。



まずはアクセス面から。現地へは車でも行けますが、なんと帯広や新得(鹿追で乗り換え)から然別湖へ向かう路線バスは期間中無料なのです(ただし前途下車の場合は通常料金)。1日数本しかありませんが、往復で3~4000円も浮くので、かなり経済的。詳しくは北海道拓殖バスのホームページをご参照あれ。



この小さな小屋(ネイチャーセンター)では、当地における各種体験プログラムの受付業務を行っています。私は事前にホームページの申込フォームから、スノーモービル・スノーシュートレッキング・ナイトウォッチングを予約しておき、当日ここで支払いを済ませました。支払いにクレジットカードが使えるのが便利です。



 
こちらは入口ゲート。普段ならこの辺りは湖岸ですが、湖面は分厚く全面結氷しているので、境なくそのまま歩いて行けちゃいます。



イベント会場には氷雪の家「イグルー」がいくつも建てられており、可愛らしく幻想的な世界をつくりだしています。
湖畔にはアイスバー(カフェ)があり、中を見学する分には無料、もちろん飲み物もいただけます(各ドリンクはおおよそ500円で設定)。



イグルーに掲示された温度計は、この日午後3時でマイナス5℃を指していました。氷点下ですが、然別湖にしては暖かな陽気なんだとか。風もあまり吹いていないので、たしかにあまり寒く感じませんでした。


 
イグルーに嵌められた氷の丸窓にハマっているお魚は、雪まつりのすすきの会場のように本物を凍らせたのではなく、魚の形に削った氷に雪を詰めてつくったんだそうです。スウェーデンのアイスホテルに携わった職人の手によるものなんだとか。そのことを知らなければ本物かと見まがってしまうほどの完成度でした。



湖上に浮かぶイグルー群。シャーベットを固めたブロックを積み重ねて造られています。かわいらしいですね。



こちらは露天風呂の脱衣所。露天風呂については前回記事にて取り上げていますが、訪問中、私は3回もこの露天風呂に入ってしまいました。


 
イグルーのいくつかは宿泊体験ができるアイスロッジになっていました。氷で覆われているのに、風はシャットアウトされるので、内部はそんなに寒くありません。風が体感温度に与える影響って大きいのですね。また、氷を透過した外の光がイグルー内に放たれており、蒼い光線で満たされた室内は非常に幻想的です。


 
こちらのアイスロッジにはシュラフが用意されていました。私は申し込みませんでしたが、これから宿泊体験が行われるのでしょうね(事前予約必要、有料)。


 
こちらの小さなイグルーは電話ボックス。中には今時珍しいダイヤル式の黒電話が置かれており、なんと国内通話なら無料で利用できるのです。また、この電話の電話番号も表示されているので、先方に発信してもらうと、懐かしいジリリリリンというベルの音が鳴り響きます。
なお、湖畔では携帯電話の電波もきっちり飛んでおり、私のauのスマホでも3Gの電波がばっちり使えました。



会場の一番先の沖合にあるのはアイスチャペル。この時はまだ製作中でしたが、現在は既に完成しており、先日アイスウェディングが挙行されたんだそうです。


 
翻って会場の手前側にはスノーモービルの体験会場が用意されていました。初心者向けの小さなタイプでして、ド素人でも運転できちゃいます。私もここで生まれて初めてスノーモービルを運転してみました。その時の写真はありませんが、文章のみで簡単に説明しますと、まず最初に操作に関する簡単な説明が行われ、次に1kmの周回コースを2周します。レクチャーを含め、所要時間は20分程度です。
ちなみにここで体験できる機種は、右のレバーがスロットルで左がブレーキ。雪の上なのに惰性がかなり少なく、スロットルを離すと簡単に減速してしまいます。カーブ時には遠心力でシューが浮きやすいので、曲がるときは曲がりたい方向の斜め前方へ体重を移動すると曲がりやすいのですが、ここのコースはしっかり固められているので、初心者でも安心して運転できました。1周1kmのコースを2周。1周目は感覚をつかむべくあまりスピードは出さなかったものの、2周目はフルスロットルでかっ飛ばしました。といっても40km/hも出ませんが、意外にも体感速度はかなり速く、いい歳こいたオッサンが童心に帰って楽しんでしまいました。


 
次にアイスバーへ入ってみましょう。夕方5時まではカフェとして、夜8時以降はバーとして営業しています。上述のように中を見学する分には無料。



入口脇には氷の板が立てかけてありました。氷は湖面から切り出したもので、厚さ約60cm。ちなみに切り出したあとの穴は再び凍っていくわけですが、そのスピードは一日で3~4cmほどなんだそうです。



アイスバー内にもダイヤル式の電話機が置かれていました。こちらの電話機はベージュ色ですね。もちろん通話可能。


 
館内には然別湖に生息する3種類の動物(の造形)が隠れています。ここには何が隠れているのかしら…


 
バーカウンターです。うわぁ、おしゃれじゃないですか!
壁はシャーベットのブロックですが、直射日光が当たらない室内の柱などには然別湖の氷が用いられていました(氷は日光を受けると溶けやすいので、このように用途を限定しているんだそうです)。湖水が凍ったこの氷には透明度がとても高く、それでいてたくさんの気泡を含んでおり、よく観察すると浮遊しながら凍ってしまったミジンコの姿を見つけることもできました。


 
客席だって氷雪。このテーブルはリーフの形ですね。腰かける部分にはマットが置かれているので、普通の服装でも心配不要。



隣のお部屋はイベントホール。週末を中心にライブなどが行われるみたいです。ちなみにこの日は特に開催されませんでした。



カフェでは昼にココアを・・・


 
そして夜にはカクテルをいただきました。
自分で氷のグラスをつくる体験コースもあるみたいですが、図工が苦手な私は遠慮させてもらいました。


 
何もない白銀の世界



全体が蒼い色に包まれる薄暮の時間帯がとっても幻想的


 

夜はLED照明に照らされ、昼とは別の顔を見せてくれます。この晩は満月が煌々と足元を照らしていました。雪明りと月光のおかげで、周辺はかなり明るく、19:30から参加したナイトウォッチングでは、人工の光が全く届かない湖の奥の方へ行っても、ライト無しで十分に湖面を歩くことができました。


 
翌朝も朝一番で露天風呂へ入るためにコタンへ。まだ誰もいません。


 
この朝も気温は2けたまで下がらず、当地にしては比較的温暖かと思われます。風呂上りのタオルを振り回したら、一応凍ってはくれましたが、寒さが足りないためにいまいちカチッと固まりません。


 
早起きは三文の徳って本当にあるんですね。露天風呂へ向かう途中、湖岸にあたる場所の木立からトントントンと大きな音があたりに響いていたので、もしかしたらと思って耳を傾けながらよく木を眺めていたら、そこには一羽のクマゲラが木をつついていました。人生初のクマゲラとの遭遇に大興奮。
安物のデジカメではズームに限界があり、その姿を大きく捉えることはできませんでしたが、なんとかカメラにクマゲラの雄姿を収めることができました。



アイヌ語ではクマゲラを船を彫る鳥という意味で「チプタ・チカップ」と称するんだそうですが、たしかに木を木を刳りぬいている様は舟を作っているかのようです。


動画も撮ってみました。前半でクマゲラの啼き声も記録されています


然別湖コタンの開催期間:2012年は3月31日まで。
委細は下記サイトをご参照ください
然別湖ネイチャーセンターのホームページ


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