温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

三沢中央温泉 スパハウスかわむら

2012年10月16日 | 青森県
 
日米安保に関しては締結から50年以上が経った現在でもその賛否や意義を巡って喧々諤々の議論が交わされていますが、少なくとも三沢基地を擁する三沢市においては街おこしという側面から米軍の存在をポジティヴに捉えているようであり、中心部の再開発に際してはアメリカ色を全面に押し出した「アメリカ村」計画が進められ、その中核となるスカイプラザ(旧MGプラザ)の1階に設けられた市の観光案内所ではスタッフがAir Forceの軍服を模した制服を身に纏っているほどその方針が徹底されています。某日私が訪れた時には、スカイプラザ前に改造されたアメ車がたくさん展示されており、ブラックカルチャーに影響されていると思しきお兄ちゃんやお姉ちゃんがその前でタムロしていたのですが、日本離れした露出度の高いセクシーな服を着た巨乳のお姉ちゃんの口からは、私が聞き取れないほどの強烈な訛りが発せられており、それを耳にした私は外見と方言とのあまりのギャップに膝からガクガクッと一気に力が抜け、その衝撃で持病の腰痛が再発してしまいました。

ま、そんなことはともかく、そのスカイプラザの裏手に位置し、三沢基地に隣接して建つ黄色と緑の塗装がよく目立った温泉入浴施設「スパハウスかわむら」でひとっ風呂浴びてきました。玄関の脇には「天然温泉 かけ流しの湯」と大きく書かれた看板が掲示されており、腰痛で苦しむ私を恰もその看板が手まねきしているようでした。



外観こそ塗装で何とか日本色を払拭しようと試みていますが、一歩中に入ると青森県の公衆浴場そのもののレイアウトが広がっており、その普遍性に心の半分で安心しつつ、意外性に欠ける保守的な内装に心の残り半分では軽く裏切られたような残念な気持ちに覆われました。とはいえ2007年4月にオープンしたこちらの施設は、開業からまださほど年月が経っていないからか、受付を含めどこもかしこも綺麗で清潔感が漲っています。券売機で料金を支払って中へと入ります。


 
脱衣室も非常に清潔な状態が維持されており、棚やロッカーもたくさん用意されていて、使い勝手は至って良好です。扉に貼られた注意書きが英語表記になっているところは、いかにもご当地らしいですね。


 
浴室入ってすぐのところには小さな掛け湯があり、それに並んで、取ってつけたような簡易的な水風呂も用意されていました。私の勝手な推測ですが、水風呂は設計段階では無かったものの、営業開始後に利用者などの要望に応じて急遽追加されたのかもしれませんね。水風呂というよりペット風呂みたい…。


 
洗い場には、青森県の銭湯ではおなじみの古典的な押しバネ式カランと固定式シャワーが計22組設置されており、お湯の水栓からは源泉が勢いよくドバーっと出てきます。津軽や南部を問わず、青森県の銭湯って新しい施設であってもシャワー付き混合水栓ではなく、昔ながらのスタイルの水栓にこだわるところが多いですね。


  
こちらは主浴槽。大きさは8人サイズといったところでしょうか。横に細長い湯口から源泉がドバドバ吐き出されており、湯船は実にちょうど良い湯加減となっていました。



浴槽の縁からはお湯が惜しみなく贅沢にオーバーフローしています。おそらく湯使いは完全掛け流しと思われます(気温の高い時期に加水することがあるそうです)。床を流れるお湯は洗い場手前のグレーチングで排水溝へ落ちるため、洗い場まで達することはありません。


 
主浴槽の他に、室内には画像左(上)の座湯や画像右(下)の小浴槽もありました。小浴槽ではドーム状の石の湯口から源泉が投入されており、湯船が小さいからか主浴槽よりも熱めの温度になっていました。


 
公衆浴場なのに露天風呂まで利用できちゃうのが、こちらの浴場の素晴らしい点。露天といっても四方を高いコンクリの塀や天井で囲まれており、隙間からちょびっと空が覗ける程度なので、屋外らしい開放感は殆ど感じられませんが、それなりに外気は流れてきますから、その温度差を体感しながら湯浴みしたり、あるいはお湯で火照った体をクールダウンさせることは十分可能です。お風呂は岩風呂で、岩組みの湯口から源泉が滝のように落とされ、浴槽縁の隙間の穴から排湯されています。内湯同様、こちらの湯使いも掛け流しでしょう。

さて肝心のお湯に関してですが、ごく薄い褐色を帯びた透明で、重曹味と微々たる塩味、弱めのモール的な匂いがそれぞれ感じられました。味・匂いとも薄いのですが、さすがに食塩泉だけあって湯上りの温まりはしっかりしており、お風呂から上がってしばらくは汗がなかなか引きませんでした。綺麗で使い勝手がよく、しかも湯量豊富な掛け流しのお湯が楽しめる、付近にお住まいの方が羨ましくなるような温泉銭湯でした。


三沢中央源泉2号泉
ナトリウム-塩化物泉 46.1℃ pH不明 溶存物質1.504g/kg 成分総計1.504g/kg
Na+:464.20mg(94.08mval%),
Cl-:624.70mg(81.12mval%), SO4--:80.60mg(7.74mval%), HCO3-:90.60mg(6.81mval%),
H2SiO3:176.70mg,

青森県三沢市中央町2丁目4-27  地図
0176-53-2244

10:00~24:00 第一月曜定休
350円
ロッカー(100円リターン式)・ドライヤーあり、石鹸・シャンプーなどは販売

私の好み:★★★
コメント
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