温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

下風呂温泉 坪田旅館

2014年01月04日 | 青森県

前回に引き続き下風呂温泉のお宿を取り上げてまいります。宿泊先である「さつき荘」にて「湯めぐり手形」を入手にし、津軽海峡の潮騒を耳にしながら夜の帳が下りた温泉街をふらふらとそぞろ歩きして、各宿のお風呂を巡りました。1軒目は「新湯公衆浴場」の目の前にある「坪田旅館」です。玄関にて声をかけますと奥から女将さんが現れ、手形での入浴をお願いしますと女将さんは快く受け入れてくださいました。



元気いっぱいの女将さんは、明るく朗らかにお風呂へと案内して下さいました。拙ブログをご覧になっている皆様には釈迦に説法ですが、下風呂温泉の各施設に引かれているお湯には大きく分けて新湯系・大湯系・浜湯系の3種類があり、上述のように目の前が「新湯」という立地の「坪田旅館」に引かれているのは新湯系のお湯であります。浴室手前の壁には、青いアクリル板に手書きされた温泉分析表が掲示されていますが、その内容は「新湯公衆浴場」の脱衣室に掲示されている木板の分析表の数値とほぼ同じでして、数値に関しては完全に一致しています。


 
下風呂の各旅館は、旅館と称していても実質的には民宿に近い規模である場合が多く、こちらのお宿もその典型でして、脱衣室は2~3人入ればいっぱいになりそうなキャパなのですが、大きさも造りも、他のお宿と似たような感じですので、こちらには初訪問であるにもかかわらず軽いデジャヴに陥り、「あれ、ここって再訪問?」と勘違いしてしまいました。


 
浴室は男女別の内湯のみで、壁は白色の防滴壁材(化成品)、床は石板敷き、そして浴槽は立派なヒバ造りです。その浴槽はお宿の規模に対して余裕のある容量があり、8人同時に余裕で入れそうな大きさでした。
浴槽の左側に積まれた石の中から湯口が突き出ており、その傍らにはかき混ぜ棒も用意されています。源泉を問わず下風呂のお湯はどこでも熱いことが多いので、入浴前に撹拌棒で湯船を掻き混ぜる行為は欠かせません。


 
洗い場は浴室の左右に分かれて配置されており、左側にはシャワー付き混合水栓が2基、右側にはシャワー無しの混合水栓が2基、それぞれ取り付けられています。下風呂温泉ならではの特徴ですが、水栓金具は硫化して黒く変色していました。


 
湯口には湯の華キャッチャーの役割を果たすストッキングが被せられていました。このデローンと垂れ下がった湯口のストッキングは、下風呂温泉ではおなじみの光景ですね。源泉の温度が篦棒に熱いためか、温度調整を図るべく源泉投入量は若干絞り気味となっており、そのおかげで湯船は加水無しでも43~44℃くらいの湯加減が保たれていました。上述のようにこちらでは新湯系のお湯を引いており、その新湯系はあまり濁りが強くなく透明に近いことで知られていますが、この時の湯船は明るい灰白色に濁っており、口に含むと甘塩味と出汁味に(タマゴ味と似て非なる)硫黄味が感じられ、軽く燻されているようなイオウ臭が漂っていました。当然ながら完全掛け流しでして、投入量こそ絞り気味ですが、ヒバの縁からは静々とオーバーフローしており、お湯の鮮度感もなかなか良好でした。


新湯
含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型) 95℃ pH6.92 蒸発残留物5286mg
Na+:1134mg,
Cl-:2593mg, SO4--:386mg,
H2SiO3:102mg, HBO2:358mg, CO2:122mg, H2S:46mg,

青森県下北郡風間浦村下風呂字家の尻11  地図
0175-36-2456

湯めぐり手形使用可
日帰り入浴の料金や時間については要問い合わせ
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (2)
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