温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

東鳴子温泉 中鉢温泉 2016年4月再訪

2017年01月20日 | 宮城県
 
鳴子温泉郷では多様な泉質の温泉が湧出していますが、東鳴子温泉と川渡温泉の境界に当たるエリアは、私が大好きなモール泉系重曹泉の分布域であるため、鳴子の中でも特に贔屓にしたくなるエリアです。今回取り上げる「中鉢旅館」は、拙ブログで約6年前に取り上げたことがありますが(当時の記事はこちら)、久しぶりに飴色の重曹泉に入りたくなったので、立ち寄り入浴で再訪することにしました。余談ですが、中学と高校で私と同窓だった中鉢君は、お父さんが仙台出身だと言っていたのですが、全国的に見れば珍しい中鉢さんという姓は、旧仙台藩領に多い苗字なのでしょうか。
駐車場に車を止め、平屋の別棟を貫く通路を抜けて、母屋の玄関へと向かいます。


 
本館の玄関周りは前回取り上げた時とほとんど変わっておらず、その安定性にホッとします。でも玄関近くにある源泉前の蹲踞には、かつては筧からチョロチョロとお湯が注がれていましたが、今回訪問時はそれが止められていました。



帳場のカウンター脇に設置されている券売機で料金を支払い、廊下を進んで浴室へ。


 

総木造の浴室には太い柱が立ち、その柱に支えられた高い天井には立派な梁が組まれています。床には十和田石が敷かれているので、足から伝わる感触が良好です。静かで品の良い、落ち着いた趣きのあるお風呂です。浴室の片側には洗い場が配置されており、真湯の出るシャワー付きカランが5基一列に並んでいました。


 

内湯の浴槽は(目測で)2.5m×4mの大きな四角い石風呂。湯口から間断なくお湯が注がれており、浴槽縁に2ヶ所ある切り欠けからお湯が溢れ出ていました。そして湯口や切り欠けなどには薄っすらと白い湯の華が付着していました。完全放流式の湯使いですが、投入量をうまく塩梅することによって、湯船は42〜3℃という入り応えのある湯加減に調整されており、肩までお湯に浸かると思わず「ふぅ」と息を漏らしてしまいました。


 

露天風呂も以前訪問時と変わりありません。東屋で屋根掛けされた日本庭園に岩風呂が設えられ、石囲みの湯口からお湯がふんだんに供給されています。5〜6人サイズのこの露天風呂は、内湯同様に放流式の湯使いですが、外気の影響を受けるためか、内湯よりもぬるくなっていました(私の体感で40℃前後か)。内湯は少々熱めですから、長湯するには露天の方が良いかもしれません。温泉成分の付着により、湯口の流路は灰白色に染まっていました。

前回取り上げた馬場温泉の近所に位置しており、いずれも泉質名は純重曹泉で、お湯の特徴は総じて言えば似たような感じですが、細かく見てゆくといろんな違いに気付きます。まず見た目ですが、馬場温泉では濃い紅茶色であるのに対し、こちらは琥珀色あるいは飴色と表現すべき色合いに微濁しています。そして湯中では同色の細かな湯の華が浮遊しています。泡付きに関しては、馬場温泉の1号源泉(外の湯小屋)と2号源泉(内湯)の中間といった感じで、1分以上浸かっていると肌に気泡が少しずつ付いてきました。湯面からは油性インクのようなアブラ臭と木材臭をミックスしたような香りが漂い、お湯を口に含むと口腔粘膜がイガイガする焦げたような苦味、重曹的清涼感、そして少々の甘味が感じられました。湯に浸かるとツルツルスベスベの滑らかな浴感に包まれ、湯上がりは粗熱の抜けが良く、さっぱり爽快な気持ち良さが持続しました。立派な浴室と露天の両方に入れ、しかもツルスベの重曹泉で湯上がり爽快という、私の好みのストライクゾーンど真ん中に嵌る素晴らしいお湯でした。


石割の梅源泉
ナトリウム-炭酸水素塩温泉 50.3℃ pH7.1 62.8L/min(掘削自噴) 溶存物質1130.4mg/kg 成分総計1265.4mg/kg
Na+:215.8mg(80.67mval%), Ca++:18.8mg, Mg++:7.4mg, Fe++&Fe+++:1.0mg,
Cl-:16.7mg, HS-:0.2mg, S2O3--:0.2mg, SO4--:55.9mg(9.97mval%), HCO3-:589.5mg(83.06mval%),
H2SiO3:188.2mg, CO2:134.8mg, H2S:0.2mg,
(平成21年11月4日)

JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅より徒歩25分(2.0km)
宮城県大崎市鳴子温泉要害38−5  地図
0229-84-7951
ホームページ

立ち寄り入浴11:00〜17:00
500円(湯めぐりシール使用不可)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (4)
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