※今回記事に温泉は登場しません。あしからず。
拙ブログでは先日から連続してインドネシア・ジャワ島で巡った温泉を取り上げておりますが、私にとってジャワ島は今回が初めての訪問であり、ジャワ島最大の都市にしてインドネシアの首都でもあるジャカルタという都市が、どんな街なのか全く知らなかったので、温泉巡りの旅程のうち丸1日をジャカルタ観光に割いて、簡単に街中を散策してみました。
●ホテル
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/e0/9b7f6aeacc9861d1084c0a82e350422f.jpg)
今回のジャカルタ訪問で宿泊したホテルは、ジャカルタ市内南部のショッピングモール「fX Sudirman」(以下fX)に内包されている"Harris Suites fX Sudirman"です。このfXは、低層階にショッピングモールが、そして高層階にオフィスやホテルが入っている巨大な複合施設。空港で乗ったタクシーの運ちゃんに「fX」という2文字を伝えただけですんなり通じましたので、地元では相当有名な施設なのでしょう。周囲には緑豊かな公園やオフィス街が広がっており、比較的治安が良さそうな感じ。チェックインした日の翌朝には、目抜き通りでマラソン大会が開催されており、たくさんの出店も並んで大変賑やかでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/14/9eb224a0339ae3fe549dde59d5a481be.jpg)
ネットで予約した時の金額が比較的リーズナブルだったので、ある程度のことは覚悟していましたが、そんな不安は全くの杞憂。客室はとっても綺麗で居住性良好でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/cc/34cdc0390a4411d5b8fc0f0fa9ee403a.jpg)
今回の客室は46階だったか47階だったか、とにかく高層階なので、客室からの眺めは抜群。猿と何とかは高い所が好きと言いますが、後者に属する私はこうした高所からの眺望が大好きなので、滞在中は飽くことなく窓の前に立ち、あたかも自分がこの都市の支配者になったかのような気分で、街並みを「睥睨」させてもらいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/1d/682e476a9a287b768dadcf21c9e4764c.jpg)
fXは巨大なショッピングモールですから、館内ではいろんな店舗が営業しており、もちろん飲食店も多いので、食事に困る心配は皆無。特に2階には寿司・うどん・丼物など日本料理をローカライズさせたようなお店が並んでおり、近年の日本では鳴りを潜めつつあるペッパーランチも営業していました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/fb/d69d7914164ddef62c810b9fcdd6af53.jpg)
このfXの4階には、秋元康プロデュース超有名某アイドルグループの姉妹組織である"JKT48"劇場があることでも有名。冷やかしがてら、劇場の前に行ってみますと、ちょうど開演直前の時間だったらしく、現地のアイドルヲタ達が集まってテンションMAX状態。手元のスマホで調べてみたら、原則的にチケットは前売制らしいのですが、比較的容易に当日券も購入できるらしいので・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/89/3d46a1fae89e27c627639ea9467c6023.jpg)
旅の恥はかき捨てという日本の諺に従って、当日券を入手し、我が人生で初めてアイドルのライブに参加してみることにしました。会場内はほぼ満員。熱狂的なヲタ君たちの熱気でムンムンです。Google先生のご教示によれば、JKT48は日本の秋元康配下の各グループと同じ楽曲を、インドネシア語に翻訳して歌っているらしいので、本家の楽曲を知っていればインドネシア語がわからなくても盛り上がれるらしいのですが、アイドルにほとんど興味がない私はめちゃくちゃメジャーな曲以外全く知らず、彼女たちに関する基礎知識も無いので、正直なところ、どのように楽しんだら良いのか判らず仕舞いでした。でも、貴重な体験であったことには違いありません。
彼女達のステージを観ながら、ふと疑問に思ったのは、こうしたアイドルグループが宗教の原理主義的な人々から槍玉に挙げられないかという点。みんな難関オーディションを突破しただけあって可愛く粒揃いなのですが、日本から派遣された数名以外のグループメンバーは、現地採用のイスラム教徒が多いらしく(中にはヒンズーや仏教もいるのでしょうけど)、踊りながら、あるいはMC中、フリフリのミニスカートを履いてファンに投げキッスやウインクをしていました。あれ? ここってイスラム教の国だよなぁ。そんなことして大丈夫なの? ひとくちに世界最大のイスラム教徒人口を擁する国とはいえ、信仰の程度には人ぞれぞれ濃淡があり、敬虔な方もいれば取り敢えず程度の人もいるわけですから、十把一絡げにイスラム教と捉える私の考えが間違っているわけで、こうした彼女達のファンサービスを目にして、インドネシアの宗教事情は硬軟の幅が相当大きいことに気づかされたのですが、そうしたユルユルな状況が許されるということは、それを目にして反動的に憤慨する偏狭で原理主義的な輩も発生しかねないのですから、その運営にはいろいろと苦労が絶えないのではないかと、余計な心配を抱いてしまいました。いやいや、そんな屁理屈を考えながら腕組みをして難しい顔をしていたのは、劇場内で私一人だったに違いありません。相変わらず自分の面倒臭い思考回路に辟易してしまいました…。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/71/639c59bbe3e940cb2dc154116db99bb0.jpg)
さて話をfXのお店に戻しましょう。ホテルのフロントがある1階には、朝食営業を行っているレストランやスタバなどがあり、地下には大きなスーパーマーケットなど各種店舗が並んでいました。とにかく店舗の数も種類も多いので、ここで滞在すればビルの外に出ることなく、すべて館内であらゆる用事が済んでしまうので、大変便利でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/3a/b43ffb1d81a89c7879154a349af7344a.jpg)
スーパーには生鮮食料品や日用雑貨など品揃えが実に豊富。明るくて物に溢れた店内にいると、インドネシアで中産階級が確実に増加していることを実感します。店の奥にはお菓子が陳列されており、日本ではおなじみのポッキーの現地版が売られていました。パッケージには「いちご」「チョコレート」など日本語も併記されており、日本メーカーの製品であることをアピールしていました。
またこの店内の日用品売り場では、日本にまつわる変な商品のを発見。いわゆるビーサンで、タグには「konnichiwa まいにちハッピー」と書かれており、明らかに日本を意識しているのですが、驚いたのはビーサン自体に東京の地下鉄路線図がプリントされていること。このビーサンのデザイナーにとって、複雑に入り組んだ東京の地下鉄路線図は、摩訶不思議な幾何学模様に映ったのかもしれません。それにしてもシュールなデザインですね。
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宿泊中の夕食や朝食は、fX内の店舗を利用しました(素泊まりだったので、朝食もレストランを利用)。2泊目の夕食はインドネシア料理のお店で揚げ物のセットメニューを、翌朝は中華系のお店で炒めビーフンをいただきました。両者とも値段は場所柄、日本とほとんど変わりません。fXはたしかに便利ですが、物価が日本と変わらないので、気をつけないとお金があっという間に減っちゃいます。
●バスウェイに乗ってMONASへ
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館内ですべての用事が済ませられるのですが、それではちっとも観光にならないので、市街地の超有名な観光地へ出かけてみることに。
ジャカルタは東南アジア屈指のメガシティーであるにもかかわらず、公共交通機関が非常に脆弱で、特に大量輸送機関の整備が遅れており、都市には必須の地下鉄がありません。しかも世界最悪と言われる慢性的な道路渋滞もあいまって、慣れない観光客にとっては移動がとっても面倒で厄介です。地下鉄が無いこの街において、それに近い役割を果たしているのが、バスウェイと呼ばれる路線バス。日本のBRTとほぼ同じシステムで、本数が多い上にバス専用レーンを走るため、渋滞に巻き込まれにくいらしいのです。そこで、このバスウェイに乗って、fXがある市内南部から中央部、そして北部へと北上してみることにしました。
まずは窓口でICチケット購入します。いわゆる一回券は販売されていないので、たとえ1回しか乗車しなくても東京のSuicaみたいなものを購入する必要があります。1枚Rp40,000で、うちRp20,000がデポジット、残りRp20,000が運賃として利用可能なんだとか。購入したばかりのカードを自動改札機の読み取り部分にかざしてゲートを通過します。この読み取り部分の反応が鈍く、2秒弱タッチさせたままにしてようやく反応するような有様なので、ゲートの前には行列ができていました。なお1回あたりの運賃はRp3,500らしいので、単純計算すれば初回購入時のチャージで5回乗車できますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/ae/4af6463201d46cfb75ebd4eb0ef822e4.jpg)
車内はこんな感じ。私が乗ったブロックM〜コタの1系統は(おそらく中国製の)連接バス。車掌が乗車しており、ドアが開くと、行き先が書かれた札を見せて乗客を案内していました。また車両の前方は女性専用ゾーンとなっているらしく、これに関しても車掌が注意を払っていました。
乗り始めた頃はまだ車内を撮る余裕がありましたが、中心部へ近づくにつれて混雑が増し、やがて東京のラッシュ時を思わせるようなギューギュー詰めの大混雑に。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/db/ee9b97e56ebbb96a4257d4b86181fc47.jpg)
混雑がひどくなってきたところで下車。上画像がそのバスウェイの外観。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/70/5dd83df3645268082770314608ee7bec.jpg)
バスウェイを降りて向かったのは、ジャカルタきっての観光名所である「独立記念塔」。インドネシア語では"Monumen Nasional"という名称なのですが、それでは長いので、略して"MONAS"と呼んでいるんだとか。だだっ広い公園のど真ん中に天に向かって高い塔が屹立しており、エレベーターで塔の上に登ることもできるらしいのですが、乗車を待つ長蛇の列ができていたため、ここでは塔を眺めるだけにしておきました。
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"MONAS"が立つ公園「ムルデカ広場」の北側にどっしりと構える白亜の宮殿は大統領官邸。ということは、麻布出身のあのおばさまも、政変で追い出されるまではここで暮らしていらしたのかしら。大統領官邸と公園のエントランスに挟まれたロータリーの一角では人集りができており、なにかの集会が行われている様子。軍服姿でスカイブルーのベレー帽をかぶっているということは、国連軍関係なのかな?
●コタ
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"MONAS"から再びバスウェイに乗り込み、さらに北上して終点のコタで下車。バスウェイの停留所はちょっとした噴水広場になっていました。渋滞にはまっている車の間をすり抜けながら、他の人達が進む方へ一緒に歩いて行きます。
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オランダ植民地時代の面影が残る旧市街地コタ。コロニアル様式の建築物が両側に構える広い歩道では、スタチュー(銅像芸)の大道芸人たちが何人も並び、体は微動だにさせないものの目玉だけを微妙に動かして通行人にチップをせがんでいました。またその手前ではいろんな屋台が所狭しと犇いており、東南アジアではおなじみのバッタモンのぬいぐるみが売られていたのですが、どれも微妙に可愛くなくて残念な感じ。
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やがてファタヒラ広場に到着。ジャカルタがヴァタビアと呼ばれていたオランダ植民地時代、この広場がヴァタビアの中心だったんだとか。なるほど、広場の四方はいかにもな感じのコロニアル建築で囲まれています。そんな中でも、中央に聳える塔が印象的で抜群の存在感を放っている建物「ジャカルタ歴史博物館」は、1627年に市庁舎として建てられたんだそうで、館内では各種展示品を見学できるそうです(あまり関心が持てなかったので、今回は見学しておりません)。
この広場ではつばの広い帽子をかぶった観光客が、カラフルな自転車にまたがって縦横に走り回っているのですが、かつてのヴァタビア時代にはこのような格好で自転車に乗る光景が見られたらしく、ジャカルタ版レトロを体験してみましょうということで、当地を訪れる観光客に人気なんだとか。でも自転車に乗りながらスマホで自撮りするもんだから危ないのなんの。しかもポップカラーの自転車も、そのペイントがあまりに雑で、塗ったというよりイタズラされたという表現の方がしっくり来る感じ。もっとも、こうしたユルさこそ東南アジアの良いところでもあります。
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広場を抜けてさらに北へ向かうと、安っぽいテント屋台街や貧民窟一歩手前のような薄汚い街並みとなり、視界から一気に観光色が失われました。海洋博物館と称するものや、何かの跡の前を歩いたのですが、すでに暑さに体が参っており、何が何だかほとんど記憶しておりません。
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海岸に近い住宅地は下町風情たっぷり。暑くなければもう少し歩いていたいのですが、頭上から照らされる鋭い陽射しが辛く、また車やバイクが通り過ぎるたびに舞い上がる砂埃にも参ってしまったので、適当なところで広場の方へ戻ることに。
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汚いドブ川に架かっていた跳ね橋。これもヴァタビア時代の遺構らしく、いまでは観光名所として保存されているようですが、保存のためなのか、無骨な構造物で囲まれており、せっかくの美観が台無しになっていました。
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慣れない土地で灼熱の太陽に照らされ、ヘトヘトに疲れてしまったので、散策はこれまでにして、ファタヒラ広場に戻り、広場に面する「カフェ・バタビア」でちょっと遅めのランチをとることに。このカフェも植民地時代の1805年に建てられたコロニアル様式。オランダ東インド会社(VOC)の関係者になった気分で入店しました。優雅な佇まいの店内にいる客は、欧米豪か中華系の旅行者ばかり。値段設定、高いんだろうなぁ…。
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何を注文しようか迷った挙句、テーブルの上に置かれていた写真付きのおすすめメニューをオーダー。のんびり待った後に提供されたものは、半分に割ったパイナップルの中身を刳り抜いてフライドライスを詰め込み、その上に揚げ物を盛り合わせたもの。かなりオイリーなので、胃弱な私にはちょっとヘビー。しかも、これはジャワの料理ではなく、どうやらタイの料理みたい。選択を誤ったかな? フルーツはマンゴー。このほかドリンクを含めて、お値段はRp250,000(約2,200円)。結構なお値段だこと。
さて、胃袋を満たした後は、鉄ちゃんとしての目的を果たすべく、コタの駅へと向かいました。
次回記事に続く。
拙ブログでは先日から連続してインドネシア・ジャワ島で巡った温泉を取り上げておりますが、私にとってジャワ島は今回が初めての訪問であり、ジャワ島最大の都市にしてインドネシアの首都でもあるジャカルタという都市が、どんな街なのか全く知らなかったので、温泉巡りの旅程のうち丸1日をジャカルタ観光に割いて、簡単に街中を散策してみました。
●ホテル
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/e0/9b7f6aeacc9861d1084c0a82e350422f.jpg)
今回のジャカルタ訪問で宿泊したホテルは、ジャカルタ市内南部のショッピングモール「fX Sudirman」(以下fX)に内包されている"Harris Suites fX Sudirman"です。このfXは、低層階にショッピングモールが、そして高層階にオフィスやホテルが入っている巨大な複合施設。空港で乗ったタクシーの運ちゃんに「fX」という2文字を伝えただけですんなり通じましたので、地元では相当有名な施設なのでしょう。周囲には緑豊かな公園やオフィス街が広がっており、比較的治安が良さそうな感じ。チェックインした日の翌朝には、目抜き通りでマラソン大会が開催されており、たくさんの出店も並んで大変賑やかでした。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/14/9eb224a0339ae3fe549dde59d5a481be.jpg)
ネットで予約した時の金額が比較的リーズナブルだったので、ある程度のことは覚悟していましたが、そんな不安は全くの杞憂。客室はとっても綺麗で居住性良好でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/cc/34cdc0390a4411d5b8fc0f0fa9ee403a.jpg)
今回の客室は46階だったか47階だったか、とにかく高層階なので、客室からの眺めは抜群。猿と何とかは高い所が好きと言いますが、後者に属する私はこうした高所からの眺望が大好きなので、滞在中は飽くことなく窓の前に立ち、あたかも自分がこの都市の支配者になったかのような気分で、街並みを「睥睨」させてもらいました。
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fXは巨大なショッピングモールですから、館内ではいろんな店舗が営業しており、もちろん飲食店も多いので、食事に困る心配は皆無。特に2階には寿司・うどん・丼物など日本料理をローカライズさせたようなお店が並んでおり、近年の日本では鳴りを潜めつつあるペッパーランチも営業していました。
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このfXの4階には、秋元康プロデュース超有名某アイドルグループの姉妹組織である"JKT48"劇場があることでも有名。冷やかしがてら、劇場の前に行ってみますと、ちょうど開演直前の時間だったらしく、現地のアイドルヲタ達が集まってテンションMAX状態。手元のスマホで調べてみたら、原則的にチケットは前売制らしいのですが、比較的容易に当日券も購入できるらしいので・・・
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旅の恥はかき捨てという日本の諺に従って、当日券を入手し、我が人生で初めてアイドルのライブに参加してみることにしました。会場内はほぼ満員。熱狂的なヲタ君たちの熱気でムンムンです。Google先生のご教示によれば、JKT48は日本の秋元康配下の各グループと同じ楽曲を、インドネシア語に翻訳して歌っているらしいので、本家の楽曲を知っていればインドネシア語がわからなくても盛り上がれるらしいのですが、アイドルにほとんど興味がない私はめちゃくちゃメジャーな曲以外全く知らず、彼女たちに関する基礎知識も無いので、正直なところ、どのように楽しんだら良いのか判らず仕舞いでした。でも、貴重な体験であったことには違いありません。
彼女達のステージを観ながら、ふと疑問に思ったのは、こうしたアイドルグループが宗教の原理主義的な人々から槍玉に挙げられないかという点。みんな難関オーディションを突破しただけあって可愛く粒揃いなのですが、日本から派遣された数名以外のグループメンバーは、現地採用のイスラム教徒が多いらしく(中にはヒンズーや仏教もいるのでしょうけど)、踊りながら、あるいはMC中、フリフリのミニスカートを履いてファンに投げキッスやウインクをしていました。あれ? ここってイスラム教の国だよなぁ。そんなことして大丈夫なの? ひとくちに世界最大のイスラム教徒人口を擁する国とはいえ、信仰の程度には人ぞれぞれ濃淡があり、敬虔な方もいれば取り敢えず程度の人もいるわけですから、十把一絡げにイスラム教と捉える私の考えが間違っているわけで、こうした彼女達のファンサービスを目にして、インドネシアの宗教事情は硬軟の幅が相当大きいことに気づかされたのですが、そうしたユルユルな状況が許されるということは、それを目にして反動的に憤慨する偏狭で原理主義的な輩も発生しかねないのですから、その運営にはいろいろと苦労が絶えないのではないかと、余計な心配を抱いてしまいました。いやいや、そんな屁理屈を考えながら腕組みをして難しい顔をしていたのは、劇場内で私一人だったに違いありません。相変わらず自分の面倒臭い思考回路に辟易してしまいました…。
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さて話をfXのお店に戻しましょう。ホテルのフロントがある1階には、朝食営業を行っているレストランやスタバなどがあり、地下には大きなスーパーマーケットなど各種店舗が並んでいました。とにかく店舗の数も種類も多いので、ここで滞在すればビルの外に出ることなく、すべて館内であらゆる用事が済んでしまうので、大変便利でした。
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スーパーには生鮮食料品や日用雑貨など品揃えが実に豊富。明るくて物に溢れた店内にいると、インドネシアで中産階級が確実に増加していることを実感します。店の奥にはお菓子が陳列されており、日本ではおなじみのポッキーの現地版が売られていました。パッケージには「いちご」「チョコレート」など日本語も併記されており、日本メーカーの製品であることをアピールしていました。
またこの店内の日用品売り場では、日本にまつわる変な商品のを発見。いわゆるビーサンで、タグには「konnichiwa まいにちハッピー」と書かれており、明らかに日本を意識しているのですが、驚いたのはビーサン自体に東京の地下鉄路線図がプリントされていること。このビーサンのデザイナーにとって、複雑に入り組んだ東京の地下鉄路線図は、摩訶不思議な幾何学模様に映ったのかもしれません。それにしてもシュールなデザインですね。
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宿泊中の夕食や朝食は、fX内の店舗を利用しました(素泊まりだったので、朝食もレストランを利用)。2泊目の夕食はインドネシア料理のお店で揚げ物のセットメニューを、翌朝は中華系のお店で炒めビーフンをいただきました。両者とも値段は場所柄、日本とほとんど変わりません。fXはたしかに便利ですが、物価が日本と変わらないので、気をつけないとお金があっという間に減っちゃいます。
●バスウェイに乗ってMONASへ
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館内ですべての用事が済ませられるのですが、それではちっとも観光にならないので、市街地の超有名な観光地へ出かけてみることに。
ジャカルタは東南アジア屈指のメガシティーであるにもかかわらず、公共交通機関が非常に脆弱で、特に大量輸送機関の整備が遅れており、都市には必須の地下鉄がありません。しかも世界最悪と言われる慢性的な道路渋滞もあいまって、慣れない観光客にとっては移動がとっても面倒で厄介です。地下鉄が無いこの街において、それに近い役割を果たしているのが、バスウェイと呼ばれる路線バス。日本のBRTとほぼ同じシステムで、本数が多い上にバス専用レーンを走るため、渋滞に巻き込まれにくいらしいのです。そこで、このバスウェイに乗って、fXがある市内南部から中央部、そして北部へと北上してみることにしました。
まずは窓口でICチケット購入します。いわゆる一回券は販売されていないので、たとえ1回しか乗車しなくても東京のSuicaみたいなものを購入する必要があります。1枚Rp40,000で、うちRp20,000がデポジット、残りRp20,000が運賃として利用可能なんだとか。購入したばかりのカードを自動改札機の読み取り部分にかざしてゲートを通過します。この読み取り部分の反応が鈍く、2秒弱タッチさせたままにしてようやく反応するような有様なので、ゲートの前には行列ができていました。なお1回あたりの運賃はRp3,500らしいので、単純計算すれば初回購入時のチャージで5回乗車できますね。
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車内はこんな感じ。私が乗ったブロックM〜コタの1系統は(おそらく中国製の)連接バス。車掌が乗車しており、ドアが開くと、行き先が書かれた札を見せて乗客を案内していました。また車両の前方は女性専用ゾーンとなっているらしく、これに関しても車掌が注意を払っていました。
乗り始めた頃はまだ車内を撮る余裕がありましたが、中心部へ近づくにつれて混雑が増し、やがて東京のラッシュ時を思わせるようなギューギュー詰めの大混雑に。
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混雑がひどくなってきたところで下車。上画像がそのバスウェイの外観。
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バスウェイを降りて向かったのは、ジャカルタきっての観光名所である「独立記念塔」。インドネシア語では"Monumen Nasional"という名称なのですが、それでは長いので、略して"MONAS"と呼んでいるんだとか。だだっ広い公園のど真ん中に天に向かって高い塔が屹立しており、エレベーターで塔の上に登ることもできるらしいのですが、乗車を待つ長蛇の列ができていたため、ここでは塔を眺めるだけにしておきました。
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"MONAS"が立つ公園「ムルデカ広場」の北側にどっしりと構える白亜の宮殿は大統領官邸。ということは、麻布出身のあのおばさまも、政変で追い出されるまではここで暮らしていらしたのかしら。大統領官邸と公園のエントランスに挟まれたロータリーの一角では人集りができており、なにかの集会が行われている様子。軍服姿でスカイブルーのベレー帽をかぶっているということは、国連軍関係なのかな?
●コタ
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"MONAS"から再びバスウェイに乗り込み、さらに北上して終点のコタで下車。バスウェイの停留所はちょっとした噴水広場になっていました。渋滞にはまっている車の間をすり抜けながら、他の人達が進む方へ一緒に歩いて行きます。
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オランダ植民地時代の面影が残る旧市街地コタ。コロニアル様式の建築物が両側に構える広い歩道では、スタチュー(銅像芸)の大道芸人たちが何人も並び、体は微動だにさせないものの目玉だけを微妙に動かして通行人にチップをせがんでいました。またその手前ではいろんな屋台が所狭しと犇いており、東南アジアではおなじみのバッタモンのぬいぐるみが売られていたのですが、どれも微妙に可愛くなくて残念な感じ。
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やがてファタヒラ広場に到着。ジャカルタがヴァタビアと呼ばれていたオランダ植民地時代、この広場がヴァタビアの中心だったんだとか。なるほど、広場の四方はいかにもな感じのコロニアル建築で囲まれています。そんな中でも、中央に聳える塔が印象的で抜群の存在感を放っている建物「ジャカルタ歴史博物館」は、1627年に市庁舎として建てられたんだそうで、館内では各種展示品を見学できるそうです(あまり関心が持てなかったので、今回は見学しておりません)。
この広場ではつばの広い帽子をかぶった観光客が、カラフルな自転車にまたがって縦横に走り回っているのですが、かつてのヴァタビア時代にはこのような格好で自転車に乗る光景が見られたらしく、ジャカルタ版レトロを体験してみましょうということで、当地を訪れる観光客に人気なんだとか。でも自転車に乗りながらスマホで自撮りするもんだから危ないのなんの。しかもポップカラーの自転車も、そのペイントがあまりに雑で、塗ったというよりイタズラされたという表現の方がしっくり来る感じ。もっとも、こうしたユルさこそ東南アジアの良いところでもあります。
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広場を抜けてさらに北へ向かうと、安っぽいテント屋台街や貧民窟一歩手前のような薄汚い街並みとなり、視界から一気に観光色が失われました。海洋博物館と称するものや、何かの跡の前を歩いたのですが、すでに暑さに体が参っており、何が何だかほとんど記憶しておりません。
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海岸に近い住宅地は下町風情たっぷり。暑くなければもう少し歩いていたいのですが、頭上から照らされる鋭い陽射しが辛く、また車やバイクが通り過ぎるたびに舞い上がる砂埃にも参ってしまったので、適当なところで広場の方へ戻ることに。
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汚いドブ川に架かっていた跳ね橋。これもヴァタビア時代の遺構らしく、いまでは観光名所として保存されているようですが、保存のためなのか、無骨な構造物で囲まれており、せっかくの美観が台無しになっていました。
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慣れない土地で灼熱の太陽に照らされ、ヘトヘトに疲れてしまったので、散策はこれまでにして、ファタヒラ広場に戻り、広場に面する「カフェ・バタビア」でちょっと遅めのランチをとることに。このカフェも植民地時代の1805年に建てられたコロニアル様式。オランダ東インド会社(VOC)の関係者になった気分で入店しました。優雅な佇まいの店内にいる客は、欧米豪か中華系の旅行者ばかり。値段設定、高いんだろうなぁ…。
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何を注文しようか迷った挙句、テーブルの上に置かれていた写真付きのおすすめメニューをオーダー。のんびり待った後に提供されたものは、半分に割ったパイナップルの中身を刳り抜いてフライドライスを詰め込み、その上に揚げ物を盛り合わせたもの。かなりオイリーなので、胃弱な私にはちょっとヘビー。しかも、これはジャワの料理ではなく、どうやらタイの料理みたい。選択を誤ったかな? フルーツはマンゴー。このほかドリンクを含めて、お値段はRp250,000(約2,200円)。結構なお値段だこと。
さて、胃袋を満たした後は、鉄ちゃんとしての目的を果たすべく、コタの駅へと向かいました。
次回記事に続く。