温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

森田温泉

2009年06月16日 | 青森県


青森県つがる市森田の国道101号の旧道(県道267号)に沿った目立たない立地にありながら、温泉ファンの間では評判になっている浴場です。ひっそりと佇んでいるので見逃しやすいのですが、五能線の陸奥森田駅から至近にあり、また「薬湯・森田温泉」という看板も立っているので、注意深く探していれば迷うこと無いでしょう。

訪問時はちょうど端午の節句間近とあって、民宿風の森田温泉には鯉幟がたなびき、受付も坊や(オーナーのお孫さんでしょうか)が料金を収受してくれました。
民宿のような外観とマッチするかのように、脱衣所や浴室も民宿並みに小さなもので、浴槽も内湯が男女別でひとつしかなく3~4人も入れば窮屈感を覚えるほどですが、塩ビのパイプから浴槽へ投入されたお湯が赤く染まった床へ存分にオーバーフローしており、この様を見ただけでもお湯への期待が高まります。

無色透明なお湯からは金気の匂いが感じられ、これが床を赤く染めていた原因かと思われます。また口に含むとおいしい塩味に炭酸味、そして金気味に重曹味が混じりあった複合的な味覚が感じられました。炭酸味からもわかるように、お湯に浸かると体に炭酸ガスの気泡が付着します。また重曹分の影響か、入浴中はお肌がツルツルスベスベしてとても気持ちよく湯浴みできます。訪問時は先客がいらっしゃいましたが、お湯の気持ちよさゆえか、若干ぬるい長湯仕様の湯加減ゆえか、私が出た後もひたすらお湯に浸かっていました。その気持ち、とてもよくわかります。

これといった備品は何も無く、カランも壊れれていて使い物になりませんが、お湯の良さは折り紙つきですので、泉質重視で湯巡りを楽しむ方には是非お勧めのお湯です。


ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
41℃ pH6.6 75L/min 成分総計6165mg

JR五能線・陸奥森田駅 徒歩3分(250m)
青森県つがる市森田町森田月見野110-2 地図
0173-26-2211

12:00~21:30
240円

私の好み:★★★
コメント (2)
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高増温泉 不動の湯

2009年06月12日 | 青森県


津軽平野には鄙びた温泉の公衆浴場が多く存在していますが、今回紹介する高増温泉「不動の湯」もそのひとつです。周りをリンゴ畑で囲まれた集落の中にあり、簡素な外観で一見すると温泉ではなくリンゴの集荷施設ではないかと思ってしまうかもしれません。その施設の事務所へお邪魔するかのような感覚で中に入ると、訪問時は日暮れ後でしたが多くのお客さんで賑わっていました。受付のおじさんはお客さん達と話に花を咲かせ、客さん同士も盛り上がっており実に賑やか。失礼ですが辺鄙なところにありながらこんなに人気があるその訳は、お湯の良さではないでしょうか。

P字形の浴槽に注がれるお湯は薄い茶褐色透明のもので、塩味にほんのり甘味もあり、また鉱物油のような匂いも感じられました。ここのお湯の特徴は軽い浴感で、つるつるすべすべ感が強く、またお湯の中に入ると忽ち気泡が体を覆ってフワフワとした気持ちよい感触が得られました。気泡が多くて浴槽のお湯が白濁して見えるほどです。とても上質なお湯で泡付きの気持ちよさが癖になり、いつまでも浸かっていたくなります。なおカランのお湯も源泉です。
浴室の奥には剣を携えた不動明王が鎮座し、湯浴みする私たちを見守ってくれています。古びた建物で気の利いた設備は一切ありませんが、津軽地方で湯巡りをする際には、是非ルートのひとつに組み込んでみていただきたい隠れた名湯ではないかと思われます。




ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
43.3℃ pH8.4 360L/min 成分総計1.058g/kg 

青森県北津軽郡板柳町大字大俵字和田422-3 地図
0172-77-2155

7:00~21:00
300円

私の好み:★★★
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咲花温泉 柳水園

2009年06月11日 | 新潟県


引き続き今回も新潟県の咲花温泉です。今回ご紹介するのは前回の「湯元館」よりも駅に近いところにある旅館「柳水園」です。駅側から行くと右斜めに上がってゆく道があって、そのアプローチを登ればたどり着けます。他の旅館より駐車スペースは広いものの、建物自体はどこか古びているような気がします。

お風呂は玄関から入った一番奥にありました。脱衣所も隅々には埃が溜まっていたりと手入れの不十分さが感じられ、浴室もシャンプーなどが雑然と置かれており、古びた外観から受ける印象を悪い意味で裏切らず、整頓の方もいまいちでした。偶々私の訪れたタイミングが悪かったのでしょうか。
肝心のお湯ですが、「湯元館」と同じ源泉(6号井)を使用しているようで、透明ながら鮮やかな黄緑色を帯び、黒い湯の花が浮遊しています。硫黄の匂いも漂い、舌に軽い刺激を伴った苦味とタマゴ味・塩味が感じられましたが、「湯元館」よりタマゴ味が薄く苦味が強調されているようでした。湯使いは全く問題なく、新鮮なお湯が楽しめました。また、ここの浴室はものすごい湯気が充満していましたが、「湯元館」のように嵌め殺しのガラス窓ではなく、窓が開けられるので外気の涼しい風を感じることが出来ました。ただし川沿いではないので窓からの眺望は期待できません。
でも訪問時には私のほかにもお客さんが多く訪れており、他の旅館よりも敷居が低く気軽に入れるところがお客さんに受けているのでしょう。




含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
50.2℃ 成分総計1163mg/kg 

JR磐越西線・咲花駅 徒歩3分(270m)
新潟県五泉市大字佐取7241 地図
0250-47-2121

入浴時間要問い合わせ
600円

私の好み:★★
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咲花温泉 湯元館

2009年06月10日 | 新潟県
※残念ながら閉館してしまいました。



新潟県の咲花温泉は、阿賀野川と磐越西線に挟まれた咲花駅前の河畔に、10軒程の宿によって温泉街が細長く形成されています。全ての宿が日帰り入浴を受け付けているわけではないようで、私は2軒から断られました。今回紹介する「湯元館」は表立って募ってはいないものの比較的日帰り客の受け入れには寛大のようで、私の訪問時にも他に数人の日帰り客が入ってきました。

「湯元館」は駅から歩くと温泉街の奥の方に位置しています。お風呂に関しては、露天はなく内湯のみですが、阿賀野川に面した浴室には大きな窓ガラスが嵌められており、お湯に入りながら悠然と流れる川面や対岸の山々を望むことができます。咲花温泉はお湯が特徴的で、見た目は透明ながらまるでバスクリンを溶かしたかののような鮮やかな黄緑色を帯びています。湯口に枡が置いてあるので口にしてみると、ます舌に軽い刺激を伴った苦味があり、その後から塩味も感じられました。湯面からは焦げたような硫黄の匂いも漂います。また量は少ないものの黒い湯の花が浮遊しています。
駅から余裕の徒歩圏内にあるので、途中下車して特徴あるお湯を味わってみるのもいいかと思います。




含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
50.2℃ 成分総計1163mg/kg 

JR磐越西線・咲花駅 徒歩6分(550m)
新潟県五泉市佐取3049-1 地図
0250-47-2131
ホームページ

9:00~21:00(要確認)
600円

私の好み:★★
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草津温泉 凪の湯

2009年06月08日 | 群馬県


前回に引き続き、今回も草津です。「地蔵の湯」など皆さんにお馴染みの有名な外湯は他サイトにお任せするとして、当ブログでは前回同様マイナーなお湯に光を当ててみたいと思います。
今回ご紹介する「凪の湯」は、お土産屋さんが建ち並ぶ湯滝通りからちょっと入った所で隠れるように佇む草津温泉の共同浴場の一つです。初めてだと場所がわかりにくいのですが、湯畑から西の河原へ向かって歩き、お饅頭屋さん「長寿店」の手前の路地を右に入ればきっと見つかるはずです。通りの喧騒が嘘のように静かな穴場的お風呂です。

前回の「長寿の湯」でも記述しましたが、草津温泉の共同浴場は「湯畑」か「万代鉱」のいずれかの源泉から引湯している場合が多いのですが、ここ「凪の湯」は共同浴場で唯一「西の河原」源泉を使っている貴重な浴場です。そもそも独自の「凪の湯」源泉を用いていたのだそうですが、湧出量が減って「西の河原」源泉に切り替えたそうです。

入り口から階段を下りて半地下にある浴室へ向かいます。脱衣所も浴室も薄暗く小さめ。浴槽は木製で、無色透明で薄い硫黄の匂いが漂う熱い熱いお湯が掛け流されています。掛け湯をして体を慣らせつつホースで水を入れ薄めて、ようやく入湯。熱さとお湯の酸性で肌がピリピリします。草津のお湯はどこも熱いものですが、ここはとりわけ熱いような気がします。
立地も目立ちにくければ、お湯の方もなかなか余所者を寄せ付けないつわものであるようですが、話題づくりのひとつとして入ってみるのも一興かと思います。




(西の河原源泉)酸性-含硫黄-Al-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)
49.5℃ pH2.0

JR吾妻線・長野原草津口駅より草津温泉行バスで約30分
草津温泉バスターミナルから湯畑経由で徒歩約10~15分
群馬県吾妻郡草津町草津 地図

列車とバスの接続時刻表

24時間可
無料

私の好み:★★
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