peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

一関市「釣山公園」のフキ(蕗)/フキノトウ(蕗の薹) 2013年4月5日(金)

2013年04月07日 | 植物図鑑

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欵冬(ふき):民間に云ふ わたぶき又山のふき 葉及び茎味甘く温(うん) 毒無し 花も糧(かて)とすべし 花は苦く辛し煠熟(ゆびき)て煮水に漬けさわし置て後 流水に一宿浸せば苦味を去る葉茎は煠熟(ゆびき)食すれば苦味なし 解毒(どくけし)の法前のごとし(「民間備荒録」より)

訳:一般に「わたぶき」または「山のふき」という。葉と茎の味は甘く、薬物としての性質は「温」。毒はない。花も食べられる。花は苦く、辛い。よく茹でて、その茹で汁に浸けておいた後流水へ一晩浸せば苦味がとれる。葉や茎はよく茹でて食べれば苦味はない。解毒の方法は前と同じ。(「飢饉を救った野草たち」より)

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2013年4月5日(金)、釣山公園(一関市釣山)に行ってきました。朝から暖かい日で、日中は上着がいらないほどでした。東側の正面出入り口から陣太鼓橋を渡って田村坂を上り、藩主の井戸・清庵ケ池から右側の方に進むと「備荒・清庵野草園」というのがあるのですが、草花は未だほとんど見当たらなかったのですが、植栽されたフキ(蕗)が花を沢山咲かせていました。

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(上)清庵野草園:は、釣山公園中腹に拠点園があります。この公園は一関青年会議所を中心とする市民の労力奉仕や善意の寄付で作られたそうで、植栽された植物は、昭和60年9月現在で約80種。その後、同園斜面や池などにも植栽されて約110種ほどもあったようです。

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(下)「飢饉を救った野草たち~清庵野草園の植物」:この清庵野草園については、昭和60年9月15日初版発行の「清庵野草園をつくる市民の会」(会長・八巻一雄)編集・発行の冊子に詳しく記載されていますが、江戸時代中期に一関藩医として活躍した建部清庵という人を顕彰してつくられたものです。

建部清庵という人は、当時、凶作飢饉が続き、多くの人々が餓死したそうですが、そのほとんどの人は五穀以外の植物の食べ方を知らなかったり、食料の代わりに有害な草木を食したためであったことから、これを憂い、人々の病気や飢饉の苦しみからいかに救うかという大きな課題に取り組み、研究努力された偉大な先覚者であります。

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(下)一関市博物館編集・発行の「民間備荒録~江戸時代の飢饉と救荒書」には、この建部清庵という人が著した食用植物と施薬調合の仕方などを紹介する「民j間備荒録」と、「備荒草木図」とが掲載されています。

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フキ(蕗) / フキノトウ キク科 フキ属 Petasites japonicus

山野に生える多年草。淡緑色の苞に包まれたつぼみ(蕾)がフキノトウで、ほろ苦い早春の味として人気がある。葉や葉柄も食べられる。葉は幅15~30cmのほぼ円形。花期は3~5月。雌雄別株。雄株の頭花は黄色っぽく、花が終わると枯れる。雌株の頭花は白っぽく、花の後高さ50cmほどになる。果期のフキは白い冠毛が目立つ。

北海道や東北地方に分布するアキタブキ(秋田蕗)var.giganteusは葉が直径1.5mと大きく、葉柄は長さ2mにもなる。しかし、アキタブキも本州の中部地方やより暖かい地方で栽培すると、自生地のものほど巨大にはならないとのこと。市販のフキはほとんどがアキタブキの栽培品。フキノトウは食用として賞味されるほか、昔から薬用としても利用されてきた。セキ止めやタン切りなどに効果があり、特有の苦味には消化および食欲促進作用がある。分布:本州~沖縄。[以上、山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑1・春の花」&同「山渓カラー名鑑・日本の野草」より]

https://app.blog.ocn.ne.jp/t/app/weblog/post?id=33600351&saved_changes=1&blog_id=82331

[peaの植物図鑑:一関市東山町「唐梅館森林公園」のフキ(蕗)/フキノトウ]

フキ キク科:雪解けとともに、あちらこちらで顔をのぞかせるフキノトウは、食卓に春の香りを運んでくれる。岩手では、フキノトウよりも「バッケ」の名でおなじみだ。

このフキノトウ、言うまでもなくフキの花である。運よく摘まれずに残ったものは、その後グングンと茎を伸ばし、下の写真のようになる。

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筆者にとっても耳の痛い話だが、年ごろを過ぎても結婚しない女性のことを「トウが立つ」と言うのは、このような様子を指しているのだろう。しかしフキのほうは、ちゃんと種子を実らせているのだから、立派なものである。

大きなフキの葉は、急な雨降りのときに傘がわりにしたり、お面を作ったりして遊ぶ。山間の湧き水を、フキの葉をクルリと丸めたコップで味わうのも、また格別である。[岩手日報社発行「岩手の野草百科(澤口たまみ・著)」より]

https://app.blog.ocn.ne.jp/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=39924937&blog_id=82331 [peaの植物図鑑:奥州市埋蔵文化財調査センターのフキノトウ(蕗の薹)]

https://app.blog.ocn.ne.jp/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=37121165&blog_id=82331 [peaの植物図鑑:岩手県立磐井病院のフキノトウ(蕗の薹)]


一関市東山町のアズマイチゲ(東一華)&キクザキイチゲ(菊咲一華) 2013年4月5日(金)

2013年04月07日 | 植物図鑑

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(下3つ)「アズマイチゲ(東一華)」に混じって花を咲かせていたキクザキイチゲ(菊咲一華)。紫色を帯びた花とギザギザが多い葉でアズマイチゲとは明らかに異なっています。

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2013年4月5日(金)、一関市東山町長坂字西本町の県道19号線(一関大東線)沿いにある広い斜面に、アズマイチゲ(東一華)キクザキイチゲ(菊咲一華)が花を咲かせていました。

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アズマイチゲ(東一華)キンポウゲ科 イチリンソウ属  Anemone raddeana
落葉樹林の縁や草原、山麓の土手などに生える多年草で、草丈は15~20cmになる。根茎は横に這い、所々に紡錘状の膨らみがある。根生葉は2回3出複葉で、小葉はさらに裂ける。茎葉は3出複葉で3枚が輪生する。 花はキクザキイチゲ(菊咲一華)に良く似ている。
「イチゲ(一華)」とは、「一輪」の意味。

茎に3出複葉が3個輪生するする点もキクザキイ チゲと同じであるが、小葉は粗い鋸歯がある程度で、キクザキイチゲのように深い切れ込みがない ので識別できる。また、葉が柔らかく、垂れ気味につくものが多いのも特徴。

花期は3~6月。花は直径3~4cmで、白い花弁のよ うに見える萼片が8~13個あり、裏側は淡紫色を帯びる。花の下につく3出複葉は、狭卵形で先端に浅い切れ込みがあり、だらりと垂れる。

品種によって、萼片の数や大きさ、葉の形、分布などが異なる。花柄は無毛。果実はコンペイトウ(金平糖)のような形をしている。 分布:北海道、本州、四国、九州。

https://app.blog.ocn.ne.jp/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=34184610&blog_id=82331 [peaの植物図鑑:一関市東山町のアズマイチゲ(東一華)]

http://blog.goo.ne.jp/pea2005/e/20e3d884c515a73ba8af962fa0cf8fbc [peaの植物図鑑:一関市東山町ほかのアズマイチゲ(東一華)]

キクザキイチゲ(菊咲一華) キンポウゲ科 イチリンソウ(アネモネ)属 Anemone pseudo-altaica

別名:キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)茎の先に菊に似た花が1個つくことからこの名がある。落葉樹林の下や林縁に生える多年草。高さは10~30㎝になる。茎には3出複葉が3個輪生し、小葉は羽状に深く切れ込む。根もとの葉は2回3出複葉。花期は3~5月。茎の先に直径3㎝ほどの花を1個上向きに開く。花は淡紫色、青紫色、ピンク、白など変化が多い。イチリンソウ属の花で花弁のように見えるのはガク片で、花弁はない。キクザキイチゲの花には8~13個のガク片があり、花柄には白い毛がある。分布:北海道、本州(近畿地方以北)。

 なお、キクザキイチゲと同じような所に生え、花もよく似ているアズマイチゲ(東一華)Anemone raddeanaがあるが、小葉が粗い鋸歯がある程度で、キクザキイチゲのように深い切れ込みないので区別できる。また葉が柔らかく、垂れ気味につくものが多いのも特徴。花柄は無毛。いずれも、早春に花が咲き、初夏には姿を消すスプリング・エフェメラルのひとつ。[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑1・春の花」より]

https://app.blog.ocn.ne.jp/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=37427220&blog_id=82331 [peaの植物図鑑:真湯のキクザキイチゲ(菊咲一華)/キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)]

http://blog.goo.ne.jp/pea2005/s/%A5%A2%A5%BA%A5%DE%A5%A4%A5%C1%A5%B2 [peaの植物図鑑:一関市&奥州市のキクザキイチゲ(菊咲一華)/キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)]